WSJの報道通り、EMIグループはDRMフリーの高音質ダウンロード販売サービスを発表しました。プレスリリース / イベントの音声ウェブキャストはリンク先から。

新サービスの内容は:
  • EMIの保有する全楽曲が提供される。
  • DRMフリー、かつ高音質ファイル。
  • 完全な互換性のため各種ファイル形式・ビットレートを用意。
  • DRMフリーの高音質版は「プレミアム」ダウンロード。DRMつき通常音質のファイルと同時に提供される。
  • サービス開始は5月
  • iTunesはEMIのプレミアムDRMフリー楽曲を扱う最初のオンラインストアとなる。
  • iTunes Storeでは、ビットレート二倍(256Kbps)&DRMなしのAACファイルを一曲$1.29で提供
  • アルバムは価格そのまま、高音質&DRMフリー。
  • すでにEMIの楽曲を購入している場合は、1トラックにつき$0.30で高音質&DRMフリー版にアップグレードが可能。
  • 今後iTunes Store以外のオンラインストアからも別フォーマットで同様のサービスが発表される(mp3, WMAなど)。
  • EMIアーティストの音楽ビデオもDRMフリーで提供。
  • EMIが完全にDRMを使わないわけではなく、定額制サービスや超流通(コピー自由で再生課金)、期間限定サービス(たとえば広告制)などではそれぞれに適したDRMを使用する。



EMIの発表スライドより。


ジョブズがステージで語った内容:

アップルはEMI以外のレーベルにも同様の条件を提示しており、予測では年内にもiTunes Storeの全カタログの50%がDRMフリーかつ高ビットレートで提供される。

iTunes StoreとiPodの(独占的な)結びつきを破る準備があるという言葉を疑う人々もいたが、アップルにとって問題なのはユーザにとって最善のことをするだけだと分かってもらえるだろう。

以下Q&Aセッション。


Q:ビートルズの曲が提供されるのは?

ジョブズ:「わたしも知りたいよ (笑い」
EMIグループCEO Eric Nicoli:「できるだけ早い時期に提供できるよう作業を進めている」

Q:違法コピー歓迎ということか?

Eric:違う。われわれは「消費者を信用する」立場をとる。一部には残念な行為もあるだろう。われわれの狙いは最善の音楽体験を提供することで販売を伸ばすこと。

EMIはこの判断が販売に貢献すると信じており、2010年までに売り上げの4分の1がデジタル販売になると考えている。予測は難しいが、アクセスしやすくすることによって販売を伸ばす。

Q:ほかのメジャーレーベルとの話し合いは?

ジョブズ:
「EMIがほかに先がけてとった選択はいずれ一般的なものになるだろう。特定の話し合いについてはコメントできない」。ソニーのようにCDもDRM入りで売っているグループへの言及。

Q:提供を渋るメジャーレーベルは?

ジョブズ:(特定のグループについては) コメントしたくないが、消費者に多くのバリューを提供すれば利益につながる。

Q:(ジョブズが個人筆頭株主である) ディズニーのビデオなどはDRMフリーで提供されるのか?

ジョブズ:「今日はその質問をされると思っていた」。ビデオは音楽とは違い、流通の90%がDRMフリー(CD)だったことはない。音楽と同等には考えていない。

Q:iPodとiTunesの結びつきは破れたが、これで(iPodの)売り上げが低下すると思うか

ジョブズ:
なにも破れてはいない。従来からCDを買ってリップすればどのプレーヤでも聞くことができた。アップルの成功は一番使いやすい最高の音楽ストアとプレーヤを提供することに基づいている。それは何も変わることがない。

Q:EMIと話し合いを進めているほかのデジタル音楽ストアは?

Eric:すべての音楽ストアが参加することを期待している。

Q:99セントのDRM版を残す意味は

ジョブズ:誰にとっても値上げはしたくない。これまで提供してきたものはそのまま、支払いに応じてそれ以上の価値を提供する。選択するのは消費者。

Q:ほかの音楽ストアでの販売価格はEMIが決定するのか

Eric:EMIが決めるのは「卸し」価格。実際の小売価格は事業者によって異なる可能性がある。

イベントはここまで。


歴史的といっていい発表であり、他のレーベルが追随することを祈ります。非FairPlayのAACが販売されるということは、最近のウォークマンでもiTunes Storeで買った曲を聴けるようになるということ。あとはプレーヤのハードウェアやソフトウェア、各社音楽ライブラリソフトやオンラインストアとの連携といった本当の使い勝手の勝負になります。

ここでソニーBMGが他社のオンラインストアから全楽曲引き揚げ&「ソニーBMGアーティストの曲が聴けるのはウォークマンだけ!」戦略でも開始したら逆に面白いのですが(不謹慎)、EMIグループ以外のメジャーレーベルや国内レーベルの動きに注目です。


ジョブズとEMI、ビットレート2倍&DRMフリーダウンロードサービスを発表
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