Sponsored Contents

featuresの最新記事

Image credit:

デジタルメモ「ポメラ」開発者インタビュー

Ittousai , @Ittousai_ej
2008年11月10日, 午後12:50 in Features
106 シェア
0
1
98
0
7

注目記事

人気記事


本日発売となるキングジム「ポメラ」の開発者インタビューをお届けします。ポメラは折りたためば厚い文庫本サイズの本体に4インチVGA画面とノートPC並みのキーボードを搭載した「デジタルメモ」製品。単4電池2本で20時間駆動、ATOKを採用しながら2秒で起動、一般的な意味でのOSを持たずテキストエディタだけというばっさり割り切った仕様が話題の製品です。実機の使用感についてはすでにファーストインプレッション記事を掲載しましたが、今回はキングジムの開発者に聞いてみました。(※店頭で触ってみる方へ:鍵盤はカチッと音がするまで開くとしっかり固定されます。裏面の足も引き出せばさらに安定)

お話をうかがったのはポメラの開発を担当したキングジム開発本部 電子文具開発部 開発課リーダー 立石幸士 氏、広報部リーダーの田辺賢一 氏。



キングジム立石氏

Engadget:ポメラはとても大きな反響を呼んでいますが、主にテキスト作業に使われるモバイル機器としてはかつてのモバイルギアやDOSベースの製品がありました。高機能化という時代の流れにつれて絶滅してしまいましたが、「テキスト入力だけでいいから軽くて乾電池で動くやつを出してくれ」という声は一部でずっと残っていた。ポメラはある意味それに応える製品だと思いますが、キングジムから突然でてきたことを意外に感じているかたも多いと思います。まずは企画と開発の経緯を教えていただけますか。

立石:
日頃レッツノートを使ってまして、開発という職業柄いろんなデータを見る、という用途には非常にPCはいいんですけども、ちょっとした外出ですとか、ほかのメンバーに同行していったときでもレッツノートを持って行っていました。けれどそれで何をしていたのかというと、メモ帳を開いて、あるいはワードを開いてチャチャっと話している内容を書き留めるだけ。ということが結構あったんですね。ノートパソコンは小さくなって軽いとはいってもつねに持ち歩くにはまだ重かったりするじゃないですか。 やっぱりキーボードと液晶だけついていて、小さくて、機能はメモしか要らないのに、というのはおそらくみんな燻って持っていた思いだと思うんですけども、それを、じゃあやってみようか、というところからスタートしました。


Engadget:開発の時期や期間は?

立石:
実際に企画としてあげたのは去年の7月くらいから、企画書としてはありました。ただそれがカタチとなって承認されるまではそこそこ時間がかかるんですけども、その前からなんとなく欲しいなと。こうしたものはわたしが初めて考えたわけではなくて、だいたい先人たちがこう練って、やっぱりこんなものが欲しいというのはありますよね。それでまあ良い機会だからということでぽーんと企画を出して、じゃあやってみようか、というところからスタートしました。


Engadget:「じゃあやってみようか」までのところはすんなり通った。

立石:
それはですね。いまはネットなどでも好評をいただいていると思うんですが、物書きさんですとか、これが響く人はわぁ欲しいと思って響くんですけども、要らない人は要らないと結構差が激しい。だれもが良いと思うものではなかったんですね。そこでまあおそらくキングジムだからできるというか、できれば理想は大きいマーケットなんですけども、逆になんとなくこう文具テイストな、こういったものが好きな人はかならずいるだろう、というところから企画を始めました。でも、そうすると会議の場のメンバー全員がいいねというわけではないんですね。やっぱり「......フーン」という(笑い)。ただ一人だけ、お金を出してでも欲しいという者がいまして。


Engadget:一人だけですか?!

立石:
その中では一人でしたね。でも皆が良いと言うより、誰か一人でも、金を出してまで欲しいといわせる製品は実は結構、まあまあそこそこ需要としてはあるのかもね、なんていうところから社内でなんとか通すことができまして。その会議は去年の12月なので。正式にスタートしたのは去年の12月からということになります。


Engadget:すごいスピードですね。

立石:
そうですね。その前もいろいろ企画を練っていたりしたんですけども、実質的な開発期間としては10か月くらいですね。かなり、非常にタイトでした。


Engadget:最初の企画からほぼこの仕様だったんでしょうか。

立石:
最初からほぼこの仕様ですね。いま世の中にはたとえば携帯だったり、PCだったりという機能がたくさん付いて便利というものはたくさんあるんですけども、ああもうそんなんじゃないんだよ、ただ書きたいんだよ!という欲求をまずペラ一枚に書き出したんですね。4インチのモノクロ液晶で充分、当初は単三でしたけど乾電池2本、これで充分です、充電もいりませんと。だけどちゃんとしたキーボードが欲しい。少なくともモバイルギアやレッツノートクラスのキーピッチのあるキーボードが欲しい。それだけでいい、頼むからそれだけで作ってくれというところをペラ一枚で作って、そこからじゃあこれはこのパーツだね、と選定してできたので、最初からこの仕様ですね。まあブレないといいますか、当初から、他の物を付けてはデジタルメモではなくなると考えていました。


Engadget:中身のハードウェア、石も仕様から選んだということになるんでしょうか。

立石:
そうですね。この仕様にするためにはこれくらいのものでいいだろうと。


Engadget:日本語入力にATOKを採用していますね。

立石:
実は弊社のテプラ、上位機種ではATOKを使わせていただいているんですね。そういう関係もありますし、やはり物書きとしては一太郎ですとか、あのへんから綿々と受け継がれている頭脳というものがあるじゃないですか。そのブランド力ですとか、やはり頭の良さ。ストレスなく打ち込みたいというところで妥協したくなかった。もうひとつはOSレスなのでMS-IMEは自動的に消えるじゃないですか。やはり日本語の入力で一番良いのはなにかと考えました。これは開発のかなり早い段階です。さきほどのペラのなかにもうATOK搭載のこと、とは書いていました。コンパクトでメモとして打ち込めるだけで良いのだけれど、それにストレスがかかっては元も子もない。ここだけは絶対妥協できないということから。

田辺:
方式というのは慣れもあります。ここはわれわれの思いこみも多少入っているのですけれども、開発チームにもATOK好きが多いんですよ。テプラに積んでいるのもその理由もあるのですけれども、やはりATOKは日本の企業が考えた日本語変換でもありますし、そういったところで採用になりました。


Engadget:発表されてかなり大きな反響がありましたが、これはついては?

立石:
予想していなかったですね。

田辺:
正直申し上げますと、ここまで反響があるとは思ってなかったです。いままでキングジムはテプラをはじめとしていろいろな製品を出してきましたけども、ここまで、特にネット上の書き込み、ブログや2chですとか、そういった場所での反響がここまであるのは経験がないんですね。たとえば2chなんかでもテプラのスレッドというのは立っているんですけども、ポメラが発表されたころでもやっと800とか。ポメラに限っていえば直後から5つくらいたって、倉庫にいっているものもある。そう言った意味では、非常にわれわれとしては驚いています。こんなに反応があるとは思っていなかったです。

いってしまうと、個人的にはですけれども、特にこのネットの、ネットをよく見てらっしゃるかた、書いてらっしゃるかたは相手にしてくれない商品だと思っていたんですよ。どちらかというと。だってネットがつながらないしみれないし。ただ文章が打てるだけでしょう、という感覚でみられるかな、と思っていました。どちらかというと、パソコンはちょっと苦手だなとか、あまり高機能なもの使うとわけが分からなくなってしまうですとか年配の方、女性ですとか、そういったかたのほうが「文章打つだけなら簡単ね」、と受け入れられるだろうという感覚でいたのですけども、いやいやフタを開けてみると......

Engadget:大変なことに。

一同:(笑)

田辺:
もちろ賛否両論、いろいろなご意見をいただいていますけども、メモをするという機能に対して、ネットをやっているからこその賛同をいただけているんことがあるんだなと。われわれは非常に注目しています。もちろんわれわれは立石を中心にどんなものがいいんだろう、と考えてポメラという製品はできたのですけれども、試行錯誤は当然あります。これが100%だとも思ってませんし、手探りの部分もあります。ですからネットのそういった方々を中心とした意見も参考にさせていただいて、第二弾、第三弾につなげていければありがたいと考えています。その際には、さらに皆さんに喜んでいただける自信はありますので。そういった意味では温かい眼で見守っていただけるとありがたいです。


Engadget:いわゆるモバイル機器マニアのような層からの反響も大きいですね。

立石:
ここまでの規模とは思っていませんでした。開発の中にもモバイルギアを好きでずっと使ってる人間ですとか、DOS系が大好きな人間は当然居ますので、食指は動いている。それと逆にわたしのような、どちらかというとそっちのユーザーではなくて、純粋に最近の製品にはいろいろなものが付いていて正直うんざり気味、これだけが欲しいんだよ、というかたも絶対に賛同をいただけるとは思っていました。でもあんな濃い......コアなマニアといいいますか......すごい人たちがぐわっと来られるとは思ってませんでした。


Engadget:軽い紹介記事でも非常に反響がありました。この人たちはどこに隠れてたんだろう、ここまでまだ生き残っていたのか!と。

田辺:
こんなに反響があるのになぜ、うちはともかく別に置いておいて、他のメーカーさんはそれをやらないんだろう、と。当然ほかのメーカーさんは色々なお考えでやっているのでしょうけども。下世話な話でいうと、もしかしたらおいしそうな市場を見つけたのかもしれない、と(笑い)。ある程度立石などはそれなりの人には受けるという予想があったかもしれませんけども、ここまでを予想していたのは誰も社内にはいませんでした。多少浮き足立ってるメンバーも居ます。ちょっと落ち着けよ、という。まだ販売もしてないですから。


Engadget:もしかするとネット上の反響だけが大きいのかもしれないという心配も?

田辺:
もちろん、そういった意味では顔がみえない相手ともいえますし、お金を出して買っていただけるのはどの程度かは冷静になってみています。正直ここまで話題になることはキングジムではなかったので、まあ良い経験になってるなという感覚はあります。


ユーザー層、一般層へのアピール

田辺:
基本的には、コアになるユーザー層というのは、パッケージの写真にあるようないわゆるビジネスマン。内勤でずっと机の前にいるというよりは出張にいかれたりする。手書きのメモを付けている。ネットでの露出から、これからは徐々に一般のかたに伝わってゆけばいいのかなと考えています。

エンガジェットさんもそうですけども、他のネットの記事も順位を保っていたりして、いわゆるネットの住民というよりは、普通にインターネットを見ているという層。そうした方々に少しずつ情報が浸透していっていると思います。そこからいわゆる一般のかたにもつながっていったらと考えています。

ネット上では非常にこう盛り上げていただいていますけれども、最初のユーザーになりそうな方はとんがったかたなので。日本全体でみてみればそんなに多くはない。一般的にこれが普及するにはやはりいわゆるターゲットユーザーとして、当初われわれが思い描いていた層に情報を流してゆき、場所に露出させるのが課題ですね。紙メディアもそうですし。これまでは情報だけが一人歩きしていましたので、実際に触れて貰うのも大切。やはり触れてみての実感はあると思うんですね。店頭であったり、一般のかたにも触れる機会をどれだけ増やせるか。

立石:
どんなにいろんな便利なものが出ても、結局ICレコーダーはICレコーダー、デジカメはデジカメと、単機能で成り立ってる市場は誰でも知っている。そこに改めてデジタルメモというかたちで認知させていただきたい。実はポメラはそのひとつであって、答えはひとつではないと。メモにもいろいろなメモがあるじゃないですか。デジタルでもいろいろな具現ができるよね、ということもありますので、ひとつの分野として、デジタルメモの市場を作り上げたい、と思っています。

――――
前半はここまで。問題の全角8000字制限やファイルの扱い、ソフトウェア部分、ユーザーによるファームウェアの書き換えは可能なのか?といったあたりは次に掲載する後半へ

関連キーワード: features, kingjim, pomera
106 シェア
0
1
98
0
7

Sponsored Contents