AirMac Extremeはいつから「5x Faster」?

そもそもの発端は、新AirMac / AirPort Extreme発表記事に「5x Fasterに高速化」と書いた点について、「前バージョンも"5x Faster"でしたが?」との読者の方からのタレこみでした。2008年1月当時の前モデル AirMac Extremeページ (Web Archive)を開いてみると、通信速度表記は確かに5x Fasterです。前バージョンは2007年1月発売ですから、発売後約1年間はこのままの表記であったと予想されます。しかしページの下部をよく読むと、「現在国内の法規により帯域幅は仕様上可能な上限の半分に制限されており、通信速度の上限も帯域幅に応じたものとなります」と注意書きがされています。つまり、「5x Fasterの表記してるけど、日本では実際には2.5倍しかでません」との意味です。では、ここでいう「国内の法規」とはなんでしょうか?
この法規とは、と前置きするまでもなくもちろん電波法です。従来無線LANに使用されていた電波は20MHz幅であったのに対し、11nの使用するバンド幅は40MHz。従来の2倍の帯域で通信を高速化できます。しかし2007年6月の法改正以前は、国内では11nでも20MHz分しか使用できず、本来の1/2の速度でしかゆんゆんできていない状態でした。この点、『AirMac ネットワーク構成の手引き AirMac ユーティリティ編』(p.24)には、「参考:ワイドチャンネルの使用は一部の国では許可されていません」という、日本語で書いてあっても「一部の国」としか表現しない極めてグローバル企業らしい説明がありますし、実使用環境のベンチマークでも5倍には(規格上の上限ということを考慮しても) 遠く及ばないという結果があります。
さて以上から、「前バージョンのAirMac Extremeは、電波法の制限により日本国内では2.5倍しか速度が出せないにもかかわらず、非常に分かりにくい注意書きを付けることで5x Fasterというグローバルとの表記統一を行っていたが、さすがに消費者の誤解を招きかねないためいつのまにか表記を変更した (そして新バージョンで5xを復活させた)」という仮説aが導き出されます。また、法改正がなされたのちも新バージョン発売まで「2.5倍」表記であったという事実から、「ファームウェアのアップデートでは対応できない、ハードウェア的な制限が設けられていた」という推測bも導き出されます。
まず、仮説aについてAppleに確認したところ、「電波関連法改正後、表記を変更しました」とあっさり認めていただきました。表記変更をしたということは、上記のような不親切な表記が消費者の誤解を招くと判断した結果と考えられます。なお、調べ方が甘かったのか、この点に関するAppleからの謝罪コメントは、現在のところウェブ上では確認できていません。次に、推測bについて確認したところ、こちらもはっきりと「前バージョンのファームウェアのアップデートによる速度向上(5x Faster化)はできません」とのこと。「新バージョンを購入してください、ということですね、わかります」と多くのユーザが考えるとは思えません。5x Fasterの表記を信頼して前バージョンを購入したユーザが納得できるような説明や購入後サポートを行えなければ、一般消費者のAppleに対する不信感を募らせるだけではないでしょうか。
































Reader Comments (Page 1 of 1)
kenta @ Apr 3rd 2009 10:36AM
この件に関してですが、旧AirMac Extremeを購入後に、
電波法の問題で実際にはワイドチャンネル通信は不可能で、
どうあがいても5倍の通信速度が出ない事がわかり、
アップルに問い合わせた事があります。
問い合わせをした際、アップルのコールセンターはもちろんの事、
テクニカルサポートの人すら、この事実を把握していませんでした。
私以外に同様の問い合わせは無いのか?とも聞きましたが、
その時は、私以外にその点について強く指摘してきた人は居なかったようです。
私は表記の5倍を信じて購入しましたが、規格上も2.5倍のみで、
電波法の問題もあり、ファームウェア等でも対応は不可能との事でした。
(実際はファームの更新だけで5倍対応可能ですが、
何故対応不可能かは最後に記載します。)
当然、返品返金の要求をしましたが、一切聞き入れてもらえず、
非常に不信感極まりない経験をしました。
注釈で日本はワイドチャンネルに非対応と記載されておりましたが、
その記載で上限が2.5倍だと判断できた人が何人居たのかは疑問です。
そして、せめて5倍表記を2.5倍表記にしろ。
自分と同じように誤解をして購入してしまう人を減らすよう要求し、
その後、2ヶ月〜3ヶ月位で日本のAirMac Extremeサイトも2.5倍表記となりました。
その際に変更のアナウンスはされませんでした。
私が動いた限りでのアップルの対応は上記の通りです。
今回の記事の補足として皆様に知って頂きたく書き込みしました。
今からでも5倍を信じて購入した人には、無償で新型に交換してもらいたいですね。
【補足:電波法について】
実は、旧AirMac Extremeが発売された頃には電波法の改正は終了しており、
40MHz帯域も使用可能になっていました。
しかし、その帯域を使用する際は、メーカーが総務省に使用許諾の申請をし、
認可されていないといけませんでした。
さらに、製品本体には認可されてる旨のシール(と総務省の人は言っていました)
が貼ってある必要があり、そのシールが貼られていない場合は、
40MHz帯域を使用してはならない。との事でした。
当然、旧AirMac Extremeは出荷時にシールは貼られていませんので、
技術的にはファームウェアの更新のみで5倍に対応可能でも、
実際にファームウェアがリリースされる事は無い。
というのが、対応不可能な理由です。
アップル製品はシリアル番号で管理されているわけですし、
該当機種に対して認可シールを発送し、ファームを更新する。
といった対応もできたのでは無いかと思いますが、
私のように指摘してきた人が少なかったのか、
アップルは問題視しなかったのかも知れません。
Satoru @ Apr 5th 2009 7:03AM
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