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アップルのフィル・シラーSVP、「App Storeの辞書検閲」に反論

Ittousai , @Ittousai_ej
2009年8月7日, 午後12:26 in App Store
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昨日お伝えした「アップル、「不適切な言葉」を理由に iPhone用辞書アプリを却下」はクパチーノ星室庁の専横あるいは無能をあらためて印象づけましたが、アップルのフィル・シラーその人が直接事態の説明と反論をおこなっています。アップル本社シニアバイスプレジデントのフィル・シラー氏は、最近の基調講演ではジョブズにかわり各部門の幹部を率いてステージに立つアップルの 良心 もうひとつの顔ともいえる人物。

今回の震源地となったコラム の 執筆者 John Gruber氏にシラー氏が送った書簡の内容は、問題のコラムを読んだあと直ちに社内調査をおこなった、その結果分かった事実は:
  1. アップルは問題のアプリについて検閲をしていない。
  2. アップルは問題のアプリが一般的な卑語を含むという理由で却下したのではない。

(続きます)


開発者の証言にもとづく第一報を真っ向から否定する主張です。続く部分を要約すれば:

問題のアプリNinjawordsは オンラインのWiktionary.orgを辞書のソースとしており、一般的な"swear" wordsを含む点はすでに承認されたほかの辞書アプリと変わらない。

しかし App Storeの審査者が問題としたのは、Ninjawordsアプリが一般の辞書に含まれているよりさらに卑俗な(vulgar)な、多くの人が不愉快と感じるであろう言葉へのアクセスを含んでいること。Wiktionaryには、通常の辞書に含まれていない多くの"urban slang" (まだ一般的でない俗語や隠語)が含まれている。

App Storeの評価プロセスが最初にNinjawordsを却下したのはこのためであり、開発者には iPhoneにペアレンタルコントロールが実装されるまで待つことを提案した。

しかしNinjawordsの開発者は、ペアレンタルコントロールが実装されるより前に、問題とされた言葉を独自にフィルタして再び審査を請求した。これはアップルの要求によるものではない。また再審査が請求された時点でも、アプリにはまだ多数の問題となる語が含まれており、17+ レーティングのペアレンタルコントロール対象となる状態だった。

Ninjawordsアプリが「検閲されたうえに17+制限」なのはおかしいという主張は正しい。アップルの当初の勧告は、内容をフィルタ / 検閲しないまま、ペアレンタルコントロールが実装されるまで待つことだった。
検閲させる側はだいたい「強制したわけではなくあちらが勝手にやった」っていうよね、という話はともかく、App Storeはいわゆる大人向けの表現あるいは内容がコントロールできないものに対してペアレンタルコントロールを適用できるようにする方針があり、「一般の辞書に載っていないひどい言葉」が何か、年少者のアクセスを制限すべきかをさておいても、削除はせずにユーザー側でコントロールできるようにするという姿勢からは筋が通っています。

(追記:アクセスを~部分の原文は「provided access to other more vulgar terms」。Ninjawordsはオフラインで機能する(審査対象となるアプリ本体に単語を含んでいる)。Daring Fireballによれば、Ninjawords は Wiktionaryのスナップショットから得たデータベースを内蔵するため、「言葉でなくリンクが問題」でも「Wiktionary側の(コントロールできない) アップデートがNinjawordsに現れるから問題」でもない。)

一方で開発者によると、Ninjawordsが最初に審査請求に出されたのは5月13日。ペアレンタルコントロールを含む OS 3.0がリリースされたのは6月17日。リリース日が予告されたのは6月8日のWWDC。当時はそもそも17+レーティングが存在しておらず、アプリを流通させるためにはApp Storeの審査者から問題があると指摘された言葉を削除せざるを得なかったと語っています。つまり、「検閲したうえで17+制限」をアップルが強制したわけではなかったことになります。アップルの対応は「検閲はしない。ただ販売させないだけ」「将来用意される17+なら販売できる」。


ただし、実際のApp Storeの審査履歴をみてみると、シラーの説明ほど明解でない点が多々あるのも事実。リンク先 daringfireballの John Gruber氏が採りあげている例では、Ninjawordsの審査で問題とされた語 (ジョブズ総帥もメディアに向けた公式発言でよく使われていることに鑑み、わざわざ伏せずに書けば shit やらfuck) はすでにApp Storeで流通している辞書 American Heritage Dictionary や Dictionary.comに含まれており、しかもレーティングは前者が (9+ )、後者は(4+)。(レーティングは開発者が申請する。問題があればアップルが物言いをつける)。

また中国語辞書のQingwen開発者が述べているところによれば、Qingwenは現在「4+」で流通しているものの、App Storeの審査者から"penis"といった語にまで問題がある("objectionable material"である)と指摘された例もあります。(「問題語」のリストを持っているらしく、わざわざそうした語を検索したスクリーンショットを「問題部分」として送ってくる)。シラーは単なるなswear words (罵倒語や卑語)が問題ではなくもっとひどい"urban slang"が問題と説明しているものの、実際の対応とは一貫していません。シラーが語るアップルの真意はともかく、こうした審査方針に適応した開発者が自主的に、またユーザーに分からない形で歯欠け状態になった辞書やリファレンスがApp Storeに流通しているならユーザーとしては堪ったものではありません。

フィル・シラーの書簡は「アップルの目指すところは開発者とユーザーとおなじであり (...) 誤ったときは速やかに正し学ぶ」と結ばれています(原文はリンク先)。すばらしい姿勢ですが、現在までの例をみるかぎり孤立した手違いのレベルではなく、審査方針の透明性とプロセスそのものにまだまだ学ぶ余地があるようです。

追記:シラー氏の紹介部分、「CEO業務代行」はTim Cook氏でした。お詫びして訂正します。

関連キーワード: app store, apple, AppStore, iphone, iphone 3gs, Iphone3gs
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