Sponsored Contents

androidの最新記事

Image credit:
Save

ジョブズに援用されたアプリ開発者、「Android分断化の悪夢」を否定

Ittousai, @Ittousai_ej
2010年10月20日, 午後05:05 in Android
42シェア
5
1
0
36

連載

注目記事

IQOS、gloより5倍お得な加熱式タバコ「ヴェポライザー」で知っておきたいこと使い方やメンテ術解説(世永玲生)

IQOS、gloより5倍お得な加熱式タバコ「ヴェポライザー」で知っておきたいこと使い方やメンテ術解説(世永玲生)

View

人気記事


上の円グラフは Twitter アプリ TweetDeck のAndroid版ベータテストに参加したユーザー 約3万6000人の利用端末を示したもの。オープンプラットフォームである Android採用端末の種類の多さを分かりやすく視覚化しています。データは開発元TweetDeck が公開したものですが、「オープンではなく分断化」と 主張したいアップルのジョブズCEOが見逃すわけもなく、決算説明カンファレンスコールで展開した異例の時局演説のなかでも「TwitterDeck の統計では端末は 244種類、Android OSのバージョンは100種類以上にも上った」、このように多くのハードウェアとOSバージョンが存在するのは開発者にとっては恐ろしい難題である、対する iPhone は最新版とひとつ前の2つしかソフトウェアは存在しない、と自説の論拠として引用していました。

しかし「分断化」の実例として引用されたことを知った TweetDeck の CEOのコメントは「Androidでの開発は悪夢だとわれわれが発言したことがあるか? いや、そんなことは言っていない。実際にもそうではなかった」。さらにAndroid版の開発は2人だけで担当していることを明かし「これは分断化 (fragmentation) がいかに小さいかを示している」と、開発者視点から真逆の結論に達しています。

またそもそも上のグラフや統計データをTweetDeckが掲載した文脈は、多数のカスタムROMや珍しい端末が存在することと、「カスタマイズ / ハックしやすいAndroidの性質に(いい意味で)ショックを受けた」「われわれの立場からすれば、これほど多様なデバイスとOSバリエーションでわれわれのアプリが動くことはとてもクールだ」というもの。「244機種・100+バージョン」と数字は正確に引用しているものの、ジョブズCEOがアナリストに印象づけようとする話と、少なくともこの 数字について当事者である開発者の理解はまた違っているようです。

原寸のグラフと「244端末・100 + ver」の内訳はリンク先のTweetDeckサイトを参照。続きにはなぜこんな数字になっているのか、についての補足をいくつか。


端末が244種になっている背景には、実際に多種多様でバラバラなデバイスが存在していることに加えて、Android 端末は同一モデルが各国複数のキャリアから販売され別扱いにカウントされていることもあります。実際のデータではHTC Magic のキャリア違いだけでDoCoMo HT-03A と Docomo HT-03A, HT-03A、T-Mobile myTouch 3G、T-Mobile Mytouch 3Gなど。

キャリアにより微妙な仕様違いやOSバージョンのずれ、拡張UIの違いで分断化の可能性はあるとして、同一のハードウェアでもキャリアごとに複数回カウントされた数字が244です。また一般的なアプリの互換性という視点ではほとんどの場合で透過的に扱われる通信形式の違い (W-CDMAとCDMAなど) でもさらに倍率がかかります。

一方の iPhoneは原則的に地域ごとにと独占キャリアから販売されており、たとえば国内ではソフトバンクしか選べない (あるいは「いちいち自分でキャリアを選ぶ必要がない」?)状態ですが、来年にはCDMA版が登場し多くのキャリアから販売されることが予測されています。

また開発者が互換性に配慮するデバイスの多様性という視点でいえば、 App Storeでアプリが買える iOSデバイス ( iPhone / iPod touch / iPad) はソフトウェアが共通でも、ハードウェアとしてはプロセッサ速度やメモリ、カメラやスピーカー、センサー、GPSの有無などでかなりバリエーションが存在しています。カンファレンスコールでのジョブズ発言は「(Androidには) 244種のデバイスと100以上のOSバージョンがある。対して iPhoneはOSバージョン2つだけ」。Androidプラットフォーム全体と、iOSプラットフォームのうち iPhone だけを比較した表現でした。


またOSバージョンが100以上もあるのは、実際に1.6から2.1、2.2など断絶があることに加えて、短くいえば「カスタムROM」が存在しているから。Android端末はハックのしやすさから一部の技術コミュニティでユーザーレベルの自家製OSビルドが多数出回っており、「新機種Aに追加された機能Xを既存端末B向けに移植しました」やら「メーカー公式の新Android バージョンを待てない人向け。自己責任」やらが刻々とリリースとアップデートを繰り返しています。たとえば" wildpuzzleROM_v7 base_1.27.1107.2 "といったものまですべて別にカウントした数字が「100バージョン以上」。

こうしたカスタムROMのほとんどはソフトウェアの互換性からみれば 2.1系 や2.2系とくくれるうえに、そもそもが道楽ユーザーの自己責任遊びなので絶対数が限られます。TweetDeckの統計では、108バージョンのうち99はユーザー数が10人以下。うち56バージョンは各1ユーザーしかいません。別の表現をすれば、この「OSバージョン」の半分はユーザー数にして約0.15%。約1%のユーザーで108のうち103「バージョン」を占めています。つまりこうした「バージョン」は公式のOSバージョンではありません。新しいアプリのベータに参加するユーザー層の偏りも考えれば、マーケットプレースでアプリを売る開発者にとってどの程度大きな問題かは難しいところ。

いずれにせよ、多様性 / 分断化は Androidプラットフォームの課題として確実に存在する一方、「244機種と100バージョン」は不用意に援用できるような数字ではありません。


TweetDeck CEOのTweet

42シェア
5
1
0
36

Sponsored Contents