マイクロソフトが発表した次世代ゲーム&ホームエンターテインメント機 Xbox One は心臓部に x86アーキテクチャの 8コアAPU を採用するなどソニー PlayStation 4 に近い部分もありますが、進化した新 Kinect センサを標準で付属する点が大きな特徴です。

新型 Kinect は奥行きセンサ・RGBカメラともに高精度・高精細化したことで、使用者の表情や指の動き、全身の関節の向き、さらに心拍まで認識できるようになりました。また広角化で6人までの同時全身キャプチャに対応するほか (Xbox 360では2人まで)、近い位置での認識精度が向上し、従来より狭い部屋でも使えるようになりました。続きに現時点で判明している 新Kinect の詳細をまとめます。




Xbox One はシステム全体に5つのカスタムチップを搭載しており、うち2つは Kinect 側に載っている。(8コアAPUを含む残り3つは Xbox One 本体側)。

新 Kinect は低消費電力モードの待機状態をサポート。「Xbox, On」と発音すると、Xbox One が起動する。
(Xbox 360の Kinect ではゲームやアプリ起動やメディアのブラウズ、再生などほとんどの基本操作ができましたが、起動するにはコントローラのボタンを物理的に押す必要がありました。)

3Dセンサの原理が Time of Flight法に変わり、解像度・奥行き方向の分解能ともに強化。

RGBカメラ(通常のカメラ)は旧Kinect の VGA (640 x 480)から1080pへ。

旧 (現行) Kinect から60%広角化。同時に6人まで全身認識 (従来は骨格レベルでトラッキングできるのは2人まで。人がいるかどうかは6人まで認識)。

センサーに近い場所、狭い部屋でも認識精度が向上。(従来は Kinect を高い位置に設置して距離を稼いだり、Kinectで遊ぶときだけ家具を動かしたり、サードパーティー製のレンズを使うなど涙ぐましい話があります。特に日本だけの話ではなく、英国でも「アメリカ人の家で使えればそれでいいのか!」的な文句がありました)。

アクティブIRの採用。暗闇や、片側から強い光が当たって影になっているような場合などでも、赤外線で可視光に左右されない認識が可能。

またマイクアレイによる音声認識の精度も向上。残りセンサと組み合わせて、どこの誰が喋っているのか、口が開いているか閉じているかも認識できる。

Xbox One 発表イベントのプレゼンテーションや、続いて公開された開発者によるアーキテクチャパネルによれば、新 Kinect が送る情報は秒間 2Gb。



・ハードウェア・ソフトウェアの強化により、骨格認識の精度が向上。指や手首まで認識できる(どこまで認識するかは距離による)。

・従来のような関節位置だけでなく、関節の向きも認識 (写真の下、左から2番目の Orientation)。手のひらがどちらに向いているのか、頭を傾げているか否かだけではなくどちらを見ているかなど。

・人体物理モデルを使うことで、筋肉や力、重心も取得。姿勢と動きから、どの筋肉にどの程度の力が加わっているか、どちらの足にどの程度の重みがかかっているか、など。片足立ちすれば全体重が片足にかかるのはもちろん、ジャンプして着地(ゼロから落下分)、パンチしたときの力なども読み取れる。



・さらに心拍数も取得可能。マイクロソフトの解説いわく、これはRGBカメラとIRカメラで肌を撮影し、血液の流れによる微妙な変化から推定する方式とのこと。

画像解析から脈拍を読み取る技術は以前からあり、たとえば富士通は先日携帯カメラなどで脈拍を測ってヘルスケアなどに応用する技術を発表しています。

(「認識」と「推測」では違って聞こえますが、関節や筋肉などの「認識」も、センサーの生の数値と人体モデルを使いソフトウェア的に算出しているという意味で推定です)。

・表情認識。従来の Kinect でも距離と条件さえ良ければ表情認識ができましたが、新 Kinect ではさらに精度が向上しています。

APIレベルで笑っている・普通・驚いているなどの表情認識に加えて、画面から目を離しているか、左右の目を閉じているか開いているか、口を開ける・閉じる、喋っている、メガネをかけている認識可能。

またPlayStation 4 / PS Eye のように、Kinect はコントローラも認識する。たとえば2人のプレーヤがコントローラを交換した場合でも、Kinectで認識しているプレーヤとコントローラのIDも正しく認識される。




従来の Kinect センサでもゲーム用の単品で150ドル / 約1万5000円、微妙に違う Kinect for Windows はもっと高価だったことを考えると、よくもまあすべての Xbox One に標準装備(付属)を判断したと思わざるを得ません。

マイクロソフトいわく、「Kinect の同梱はわれわれにとっても大きな決断だった」。ダンスゲームや「声で電源ON」だけでなく、Xbox One をリモコンを使わず自在に操作できるスマートテレビや総合エンタテインメント端末にするという意気込み、マイクロソフトが NUI (Natural User Interface)技術に本気で注力していることがうかがえます。

Xbox One は年内に世界で発売予定。価格はまだ発表されていません。

マイクロソフト幹部による Xbox One アーキテクチャパネル

Xbox Oneの新Kinectは大幅進化、表情や心拍も認識。6人同時に全身キャプチャ
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