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寄稿:どうなる「真・女神転生」「世界樹」、インデックス倒産後のアトラス救済策は?

Fumio Kurokawa, @ku6kawa230
2013年7月4日, 午後06:17 in Atlas
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矢崎 飛鳥, 10月29日
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先週話題になった、インデックスの民事再生申し立て。インデックスと言えば「真・女神転生」や「世界樹の迷宮」などの人気ゲームのシリーズを世に送り出した「アトラス」ブランドもその傘下にあります。Engadget読者でも気になる人が多いのではないでしょうか。今回、ゲームコンテンツなどに詳しいメディアコンテンツ研究家の黒川文雄(くろかわ・ふみお)さんに解説してもらいました。


投資先や子会社、最盛期には60〜70社


6月12日の早朝のことです。NHKでインデックスに対して、証券取引等監視委員会が循環取引を用いた粉飾決算の疑いがあるとして強制捜査に入ったことが報道されました。

インデックスは個人的に多くの接点を持った会社です。営業担当役員だった小川善美氏(旧姓。現在の落合善美氏)に初めて会ったのは2000年ごろでした。目前に株式公開を控え、業容拡大につきコンテンツ大募集! という勢いのある時期だったと思います。次にあったときは三軒茶屋のキャロットタワーにオフィスを移転していました。確かフジテレビ(インデックスの株主)が開催したパーティーで落合正美氏(社長)に会うことになりました。

当時、私はデジキューブに勤務していましたが、財務状況が思わしくなく、「ファイナルファンタジー」シリーズの有無により会社の業績が大きく揺らぐことに懸念を抱き、役員の任期満了とともに退任し起業を考えていました。そして、このフジテレビ主催のパーティを縁に急速に関係が強まり2003年に私が起業したデックスエンタテインメント(2008年に代表取締役退任し、その後吸収合併)に出資してもらいました。

当時、インデックスは公開上場益のキャッシュを潤沢に保有しており、最盛期には60〜70社くらいの出資先や子会社がありました。基本的にはデジタル・コンテンツ系の会社が多く、今となっては時代がすこし早すぎましたがケータイからファッションアイテムを注文する「エフモード」や、ゲオとの合弁でスタートした「GEO@チャンネル」でのゲームや映像配信などを展開。早い段階から革新的なサービスに挑戦していたことになります。

インデックスが自社コンテンツ制作に乗り出したわけ


さて、前段が長くなりましたが、当時からインデックスはNTTドコモや在京キー局から受託のiモード向けコンテンツにおける収益の旨みを味わっていました。しかし、これが自社のコンテンツだったら、さらに収益性が向上することは間違いありません。ゆえに、インデックスの興味はコンテンツ開発やコンテンツ系企業へのM&Aを積極的に乗り出すのです。

いずれの会社の経営状況が悪化していたものや、先の展開が見えにくい不良債権的な案件や企業が多かったのも事実でしたが、そのあたりはお構いなしに社長の落合氏が右から左へ受け流すかのごとく買収・出資決裁をしていたように見えました。

学研への出資、老舗のアニメスタジオであるマッドハウスの買収、インターチャネル(旧NECインターチャネル)、ゲオとの合弁会社設立、コナミからタカラの株式を買収して主要株主になったり、経営崩壊寸前だったゴンゾからはオンライン系パブリッシャーのゴンゾロッソ、そしてナムコの創業オーナー中村雅哉氏からの依頼で買収に乗り出した日活(にっかつ)など、大きなものから小さなものまでコンテンツ的な何かを持った会社を手当たり次第にグループ傘下に収めていきました。

アトラスの価値


しかし、結論から言えば、そのほとんどが大きな成果を生むことはありませんでした。事実この数年で、叩き売りの価格で売却するか、他社からの増資をうけてインデックスグループからの離脱していくケースがほとんどです。そしてその中で、言うなれば最終便が「アトラス」でした。

アトラスはインデックスがタカラトミーの支援を行なった際についてきたオマケのようなものでしたが、プリクラで一時代を築いたにも関わらず現在では見る影がありません。ほとんどの創業者たちが上場を機にエグジットしてしまい、その後は株主が変わるという悪循環に陥っていました。

とはいえ、アトラスの家庭用ゲーム開発部門は小規模なチームながら、よく練りこまれたコンテンツを提供していました。ブランドやゲーム資産への固定ファンも多く、事実ゲームを発売できれば一定数以上は販売できるという優良ブランドだったのです。

インデックスとしては、アトラスのブランドとゲーム資産と自社の携帯/スマホ向けのコンテンツ開発を一体化すれば、往時の勢いを取り戻せると思ったに違いありません。なぜならば家庭用ゲーム斜陽が叫ばれるなかで「女神転生」シリーズや「世界樹の迷宮」などリリースすれば20万本程度を販売できるコンテンツを保有している貴重な存在だったからです。

救世主はセガ? マーベラスAQL? それともガンホー?


さて、今回のインデックス倒産に伴い、今後はアトラスのゲーム資産がどうなるのか、開発チームの去就はどうなるのか、といった点に注目です。そこで、アトラスのコンテンツをいかに救済できるかというシナリオを書いておきたいと思います。

2012年2月17日、セガとインデックスは家庭用ゲームソフトにおける販売契約を締結しました。それ以前インデックスはコナミと販売契約を締結していましたが、おそらくセガの販売条件のほうがよかったのでしょう。

この経緯を考えると、セガ本体またはセガサミーホールディングスの里見治会長の息子である里見治紀氏のいるセガネットワークスが吸収してくれることがベストなシナリオではないでしょうか。これによって、セガネットワークスなどのコンテンツへのシナジー効果も期待できそうです。ただし吸収するとしても主だったスタッフやチームの一部になる可能性が高いでしょう。

一般的に見ればグリーやDeNAなどという可能性もあるかもしれませんが、まずグリーに関しては現状の経営改善が課題です。一方DeNAも買収の可能性はあるでしょうが、ソーシャル系のネイティブアプリへのスタッフへの転用が図れるかという懸念と、コンテンツ収益の海外へのシフトを図っている最中につき、果たしてアトラスブランドを必須と考えるかどうかは微妙な判断と言えそうです。

そして、マーベラスAQLも候補になるかもしれません。かつてセガ・エンタープライゼスの社長を務めたこともある中山隼雄オーナーが健在で、さらにグループ強化の一環として考えるならば好材料と思います。

最後の選択肢は、パズドラの大ヒットで俄然注目を集めるガンホー・オンライン・エンターテイメント。過去にゲームアーツ、アクワイア、最近ではグラスホッパー・マニュファクチュアへの資本参加(実質上の子会社化)などがあります。ソフトバンクの子会社とはいえ、森下一喜社長の一声で買収は可能と思われます。また「ゲーム屋」を自認する森下氏のもとでならばアトラスのIPやスタッフも活きるのではないかと思います。ソフトバンクの子会社になったとはいえ、森下氏の発言力や信頼度は高く、こちらもシナジー効果が期待できると思います。

今後はリアル「女神転生」


私も含めてインデックスに関わった人間は多いと思います。今回のアトラスに関して言えば、「インデックス」という時代が生んだ異形の存在に関わったアトラスの関係者がデジタルの世界で、今後どのように生きるかという部分を試されるリアル「女神転生」のプロットと見ることもできます。私自身もかつての当事者として注意深く見守りたいと考えています。いずれのケースであっても、早期に決着することを望んでいます。


黒川文雄(くろかわ・ふみお)
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNJapanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。現在はインディーズゲーム「モンケン」を制作中のほか、Twitterブログ「黒川文雄の『帰ってきた!大江戸デジタル走査線』」「ニコニコチャンネル 黒川塾ブロマガ」も更新中。




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