任天堂がニンテンドー3DSシリーズの新型ゲーム機 Nintendo 2DS を発表しました。何かの冗談ではなく、本当に「2」DS です。名称の理由は、ご想像のとおり3D(裸眼立体視)に対応しないこと。

立体視に対応しないほかは3DSそのもので、3DSまたは旧DSゲームが2Dでプレイできます。すれちがいMii 広場やカメラ、ARゲームズなど本体アプリもすべて対応。背面にはステレオカメラがあるため、表示できなくても3D写真を撮ることはでき、3DS など対応機器では3Dに見えます。

また画面が折りたたみ式ではなくストレートになり、3DSファミリーとしてもっとも安価な129.99ドル(北米)で販売されます。米ドルでは3DS XL (LL)が199.99ドル、無印の3DS が169.99ドルなので、差額は40〜70ドル。国内価格でいえば1万円〜前半程度のイメージです。

任天堂による各モデルの位置づけは、2DS が「お買い得(安価)」、3DSが「コンパクト」、3DS LLが「大画面」。




画面サイズは、無印3DS と同じ上3.52インチ / 下3.02インチ。3DS / 3DS LL は閉じるとスリープモードに入っていたのに対して、ストレート型(スレート型)の2DS では本体右下(電源ボタン下)にスライド式のスリープスイッチがあります。

このほか細かな仕様は、

・バッテリー駆動時間が3DSゲーム時で3.5時間〜5.5時間。無印3DSの3時間〜5時間よりやや長い。

(3DS LL は3.5時間から6.5時間。旧DSゲーム時には2DS 5 - 9時間、3DS 5 - 8時間、3DS LL 6 - 10時間。スリープ時に約3日は各モデル共通。)

・スピーカーはモノラル。ヘッドホン端子はステレオ出力。



2DS と 3DS の比較 (姉妹サイト Joystiq より)。開いた3DSよりフットプリントは小さい。

・重量は260g。無印3DS の235g よりはやや重く、3DS LL の336g よりはわりと軽い。

・付属するSDHCカードの容量は4GB。

・ACアダプタ同梱。(3DS XL / LL では別売り)

・純正ポーチも用意。ただし別売り。


このほか、背面ステレオ3Dカメラと前面カメラ、ジャイロと加速度計、WiFi 、旧DS互換などは3DS / 3DS LL と共通です。

カラーバリエーションは前面がブラックまたはホワイト、側面がブルーまたはレッドのツートンカラー。白&赤と黒&赤など、市場によって用意される色は異なります。

北米での発売は10月12日。ポケモン正伝の完全新作『ポケットモンスター X・Y』と同日です。現時点では、日本の任天堂からの国内向け発表はありません。




こちらは米国向けのプロモ動画。小さな子供と家族、そしていまさら旧DSソフトが遊べることをアピールしている点が、数十ドルの違いが大きく影響を与える層に向けたエントリーモデルであることを物語っています。

蛇足も良いところながら付け加えれば、折りたたみがないのは「コストを抑えた廉価版が目的だから」。​DS / 3DSゲームを遊ぶための3DSシリーズとして2画面表示を採用しますが、内部的には1枚の2D液晶を採用してコストを抑えています。

任天堂の携帯ゲーム機の頑丈さは何かと語られますが、ストレートにすればもっとも脆弱な可動部分や、ヒンジ部分を通るリボンケーブルなどを排除できます。画面は露出するものの、折りたたみで危険な「間に何か挟んだ状態で閉じて上下画面とも壊した」がなくなる点も無視できません。


任天堂のプロモーションに登場するゲームのラインナップを見れば分かるように、2DSが狙うのは主に年少者。小さな子供を狙った製品と考えれば、

・スピーカーをモノラルに、折りたたみをストレートにしてまでコスト削減
> 自分の収入でゲーム機を買う層ではなく、子供に買い与える親に強く訴求するため。

・コストを抑えているにもかかわらず、ACアダプタは付属
> ゲーマーの買い足し買い替えではなく、これが初DSになる層を狙うため。

・3D立体視の非対応
> コストを抑えつつ、同時に「子供の目の成長に影響する可能性」という不安要素を排除。

といった具合に理屈がとおります。

かねてより任天堂は3D立体視について、視覚が発達中の小さな子供が長時間見続けると目の成長に影響を与える可能性があるとして、6歳以下に対しては2D表示に切り替えて表示するよう断ってきました。3DS にはいつでも機械的に立体視をオフにできるボリュームスイッチがあり、設定のペアレンタルコントロールから3D表示をオフに固定する機能も用意しています。

立体視ゆえに大規模な不買運動が起きたという話は聞きませんが、子供に買い与える親からすれば、「目の成長に影響をあたえる可能性が〜」云々がそもそも排除されているほうが、心理的なハードルは低くなると考えられます。


さらに任天堂の思惑を想像すれば、廉価版の普及機で改めて年少者狙いという戦略そのものも、ゲーム専用機の凋落が叫ばれるなか、まだ自分のスマートフォンを与えられていない可能性が高い年齢層を狙い打ちしつつ、任天堂がもともと強いポケモンなどのIPを新しい世代にも植えつける意義があります。

そのほか、日本では「次世代機」への移行が比較的早いのに対して、所得格差も大きい米国などでは非常に長い期間にわたって「旧世代機」の市場が続くこと(2DSのCMでわざわざ旧DSゲームを強調している点に注意)、任天堂だけでなく各陣営のトップが「200ドル / 150ドル / 100ドルを切ってからが勝負」と強調するように、そうした市場では段階的なハードウェアの普及戦略がなおさら重要であることなど、市場構造そのものが日本とは大きく異なる点も2DS導入の背景です。

蛇足の蛇足。立体視以外にもさまざまな部分を削ってこの価格であることを考えると、「最初から2D液晶であるほかは3DS / LL と同じ」製品を仮に作っても、製造コストはあまり下がりそうにありません。2Dは良いけれどなぜ折りたたみまで廃止した?というゲーマーの皆さんにおかれましては、これまでどおり3Dボリュームをオフにすれば、折りたたみで2D表示の3DSが楽しめます。
速報:ニンテンドー2DS発表、3D立体視なしで安価な3DS互換機
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