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米物理学者チーム、Twitterを使って時間旅行者を捜索。結果を発表

Ittousai , @Ittousai_ej
2014年1月5日, 午前08:09 in Mtu
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米ミシガン工科大学(MTU)の物理学者チームが、「インターネットで時間旅行者の証拠を探す」Searching the Internet for evidence of time travelers と称する論文を公表しました。

内容はいわゆるタイムトラベル(時間遡行)について、Twitterや検索エンジンを通じて「時間旅行者がうっかり、あるいは意図的に残した未来についての記述」を探すことで証拠を得る方法とその実践。筆者たちの実施した実験とその結果についても報告しています。



タイムトラベルといえばさまざまなフィクションで多用される仕掛けですが、かつては純粋に空想の世界でしかなかった時間旅行も、相対論などの登場で物理学が時間を扱えるようになり、精緻な宇宙モデルの提案と検証が続くなかで、主流の宇宙論的には必ずしも否定できないと考えられるようになっています。

スティーブン・ホーキングを始めとする理論物理学者たちも時に真剣に、ときに投げやりに解釈や説明を試みており、今回の論文もそうした文脈での(一応)真面目な学術論文です。著者はミシガン工科大の物理学研究者 Robert J. Nemiroff 氏とTeresa Wilson氏。

論文はリンク先のPDFで全文が公開されており、参考文献含めても11ページと短く、また時間旅行の理論については触れていないためややこしい話も数式もなくさらっと読めます。肝心の「インターネットを使った時間旅行者探し」については、適当にまとめると:


・時間旅行者が実在するならば、うっかり、あるいは意図的に、ある時点ではまだ知り得ない未来についての情報 (Prescient, 予見)をネット上に残していることが考えられる。

・そうした情報を探すためには、未来においても知られている(時間旅行者が知っている可能性が高い)であろう事柄で、かつ、ある時期より以前には話題に上ることが少ない検索語を選ぶ必要がある。

・ここでは " comet ISON " (アイソン彗星) と、" Pope Francis " を用いる。(これまでアイソン彗星と呼ばれる彗星はなく、歴代法王にフランシスは居なかったため)

・上記のような「未来人の痕跡」を探すため、
1. SNSの投稿検索
2. 検索エンジンのログ検索
3.自主的に名乗るよう呼びかけ
の3つの方法を用いる。

・まず1のSNS検索 (現代を訪ねた未来人が、まだ起きていない事柄についてつぶやいている可能性を頼る)。双方について、一般に知られるようになる前の時期に投稿されたツイートを Twitter で検索する。(Twitter は2006年以来の全ツイートを時系列で検索できるため。Google 検索や Facebook では、投稿時期が厳密に分からないことや過去の日付で投稿できることから除外)。

・2の検索クエリについては、著者のひとりがたまたま著名な天文写真サイトNASA APOD (Astronomy Picture of the Day) を管理していることから、サイト内検索のログを参照できる。(過去に戻ってわざわざ天文写真サイトを見るような未来人ならば、「ISON彗星まだだったかな?」などと検索している場合)。

・3の呼びかけについては、まずハッシュタグ #ICanChangeThePast2 および #ICannotChangeThePast2 を用意。一般に告知する前に、" ICanChange " のほう(過去を改変できる時間旅行者向け) を Twitter で検索し、誰も使用していないことを確認しておく(2013年8月に実施)。" ICannnot " のほうは、時間遡行はできるが歴史を変えることはできないタイプの時間旅行者向け (というより、宇宙がそのような仕組みだった場合向け)。こちらは「このハッシュタグであらかじめ検索しないように注意した」とわざわざ述べています。

そののちネット上で、「過去に戻れる人がいたら、このどちらかのハッシュタグで今日よりも前にツイートしてください」と告知。同時に、ツイッターでタイムトラベラーバレしたくない時間旅行者のために、件名に同じハッシュタグを含めたメールも受け付け(2013年9月実施)。



こうした「実験」の結果については、わざわざ書く必要を疑問に感じつつ引用すれば、

1. 予見ツイートについては、ひとつの例外を除き存在せず。ひとつだけ該当したツイートは「フランシス(フランシスコ)法王」について言及していたが、単に予想のひとつとして述べていた。

2. 検索クエリについては、ログが信頼できる2009年までの時点で、" ISON " を含むものを数件発見。しかし詳しく調べたところ、いずれも無関係な言葉か打ち間違いだった。

3. 自主的な接触呼びかけについては、「残念ながら、執筆時点において、予見ツイートもメールも届いていない」。


まあそりゃそうだ、という小学生並の感想を禁じえませんが、そもそもタイムトラベラーが居たとして、積極的に身元を明かしたがる動機や、あるいは英語圏で彗星やローマ法王に興味を持ってうっかり検索したりツイートする可能性はどの程度か、また時間を遡れるならツイートする直前の自分に思いとどまるよう忠告するんじゃ?などと、実験の妥当性についてもいろいろと気になる点が浮かびます。

論文の筆者たちもこうした点は考慮しており、今回の実験で明確な証拠は得られなかったが、時間旅行者の実在を否定するものではまったくないとしつつ、今回の実験はかつて時間旅行者を発見するために実施された実験のなかでももっとも効果的で網羅的なものであるかもしれない、とやや弱気にまとめています。




こちらの動画は、タイムトラベルについてよく言及するスティーブン・ホーキング博士が実施した実験。豪勢な「時間旅行者様歓迎」パーティーを開催して、本物のタイムトラベラーが参加するか待ち受ける至ってシンプルな実験です。ただし開催の告知と招待はパーティーが終わってから。

こちらの結果も、結局だれも現れなかったとされています。いつの日かこれを見たひまなタイムトラベラーのかたは、2009年6月28日のケンブリッジ大(ゴンヴィル&キーズカレッジ)に行ってみてください。予約は不要です。

Source: arXiv.org
関連キーワード: mtu, time machine
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