2014年1月28日に開催されたレノボ・ジャパンのThinkPad新製品発表会では、WQHD液晶を搭載したWindowsタブレットであるThinkPad 8に加え、「ThinkPad Yoga」と「新しいThinkPad X1 Carbon」の2機種が合わせて発表されました。

ThinkPad Yogaは、12.5インチIPS液晶とディスプレイを360度回転可能な「Yogaヒンジ」を搭載した、タブレット・ノートPC兼用モデル。そして新しいThinkPad X1 Carbonは、14インチのWQHD(2560×1440ドット)IPS液晶を搭載したウルトラブックです。

なお、「新しいThinkPad X1 Carbon」という表記は、もちろん正式名称。プレスリリースでは「」読みがなまで振ってあり、その本気度には圧倒されます。この読みがなはレノボの公式プレスリリースにも書かれていますが、ある意味必見です。



両機種とも、発売日は法人向けモデルが1月28日、個人向けモデルが1月29日から。法人向けモデルの直販価格は、新X1 Carbonが22万3000円からで、Yogaは12万7000円からです。

炎上覚悟(?)で新配列キーボードを採用したX1 Carbon



新しいX1 Carbonの特徴は、WQHD液晶とタッチパネルを搭載しつつ重量が約1.34kg(企業向けモデル)と軽量なこと。レノボは「14型液晶搭載ウルトラブックでは世界最軽量」としています。ただし、それ以上に注目されている点は、従来モデルから大胆に変更したキー配列でしょう。これは米国で先行して発表された時点で大きく注目を浴びたポイントです。

キーボード配列に関する特徴は2点あります。まず1点目は、ファンクションキーが「Adaptiveキーボード」と呼ばれる、タッチパネルタイプ仕様に変更された点。これは従来のファンクションキーのほか、Webブラウズ時やホーム画面時など、状況に応じて必要な機能へ自動的に切り替えて利用できるというもの。動作状態は有機ELパネルでアイコン表示されます。



なお誤解されがちですが、これらの機能は専用ユーティリティにより制御でき、従来のファンクションキーとして固定させることもできます。ただしタッチパネルのため、振動や音でのフィードバックはなく、押したかどうかは画面上の動作で判断するしかありません。むしろ人によっては、こちらの方が慣れるまで問題があるかもしれません。



そして2点目は、キー配列を大胆なまでに変更した点。英語キーボードモデル(リンク)では一般的なキーボードでのCapsLockキーの位置にHome/Endキーを並べて配置するといった変更となっていますが、日本版ではさらに配列が変更されました。
しかも、CapsLockの位置には半角/全角キーが置かれ、「¥」キーの位置はDeleteキーが置かれるなど、かなり大胆なものです。



この点に関してはレノボ側でも強く意識しているらしく、発表会冒頭でのThinkClient Brand Managerの土居 憲太郎氏によるプレゼンでは、ダーウィンの進化論になぞらえ、「唯一生き残ることができるのは、炎上を恐れないものである」という目を惹くキャッチをアピールし、続いて「変化できるものこそが長く生き残れる」と主張。

これは「ユーザーの間で議論が巻き起こっても、改良と信じたならばそちらに進む」という姿勢を打ち出したものと思われます。

M.2ながらシリアルATA接続のSSDなど、基本仕様は意外と保守的

一方で主な仕様は、高性能なウルトラブックとしては一種標準的。CPUがインテルのCore i5-4200U(1.6GHz)からCore i7-4600U(2.1GHz)まで。メインメモリは8GBで、ストレージは128GBか256GBのSSD。GPUはCPU内蔵のインテル HD 4400です。

無線接続は802.11 a/b/g/n+Bluetooth 4.0、インターフェイスはUSB3.0×1、パワードUSB 3.0×1、mini DisplayPort×1、フルHDMI×1など。サイズは約331×227.1×13.9~18.16mm(幅×奥行き×高さ)です。



なおインターフェイスで隠れた注目点としては、従来モデルで非搭載だったEthernetポートが搭載された点が挙げられます。ただし薄型化を優先したため本体側は専用端子となっており、ケーブルとは付属アダプタ経由での接続となります。発表会での解説では、端子こそ独自だが(USB変換などではない)ネイティブのEthernetポートである点が強調されました。



バッテリー駆動時間にも配慮されており、Core i5モデルでは公称約14時間、Core i7モデルでも約11.1時間と長め。発表会場では分解モデルも展示されましたが、バッテリー容量は15V・2990mAh(45Wh)でした。



分解モデルのそのほかのパーツでは、マザーボードのコンパクトさと、本体の底面積のほぼすべてを覆うサイズのバッテリーが印象的です。



なお、内蔵SSDのフォームファクターはいわゆるM.2仕様ですが、ラベルにはシリアルATAロゴがあります。発表会では「接続インターフェイスはPCI Expressか、シリアルATAか」と質問したところ、「シリアルATAである」との回答を得ました。

このあたりは信頼性とのバランス重視と思われますが、本体の価格帯を考えると、個人的には少し残念なところです。



​会場では比較用に旧モデル(写真奥のより黒いほう)と比較できる状態での展示となりましたが、実機に触れた印象では、キーボードの変更は良くも悪くもある程度の慣れが必要だと感じたのは事実ですが、全角/半角キーなどは面白いとも感じました(Ctrl派は卒倒しそうですが)。PCとしては、タッチを含めたレスポンスが高速な点が印象的。液晶パネルの品質もいい意味でThinkPadとは思えないほど高く、さすがにウルトラブックでのフラッグシップモデルという完成度です。

Yogaは凝ったギミックと相反する完成度の高さが魅力




一方のThinkPad Yogaの特徴は、キーボードに採用された「Lift'n' Lockキーボード」と呼ばれる新機構。これは、ディスプレイ側を回転させると次第にキーとキーの間のフレームがせり上がり、タブレット状態で使う際、机などにキーが引っ掛かる事故を防止するという凝ったもの。



もちろん従来のYogaシリーズの特徴であるディスプレイの360度回転機能は継承します。回転時のスムーズさなどはIdeaPad時代に比べてもスムーズで、もはや円熟の域に達したとさえ感じます。



主な仕様は、液晶解像度がモデルによって異なり、下位機種は1366×768ドット。上位機種はフルHD(1920 x 1080ドット)。CPUはインテルのCore i3-4010U(1.7GHz)からCore i7-4500U(1.8GHz)まで。メインメモリは最上位モデルのみ8GBで、その他は4GB。ストレージは500GB HDD(5400rpm)+キャッシュ用16GB SSD。GPUは全機種共通でCPU内蔵のインテル HD 4400です。

無線接続は802.11 b/g/n+Bluetooth 4.0、インターフェイスはUSB3.0×1、パワードUSB 3.0×1、mini HDMI×1などで、本体サイズは幅316.6×高さ18.8mm(ペン対応モデルは19.4mm)×奥行き221mmで、重さは約1.61kg(ペン対応モデルは約1.65kg)。バッテリー駆動時間は約10.5時間です。





発表会ではフルHDモデルが展示されていましたが、実際に触って見たところLift'n'Lockキーボードの動作がスムーズかつ着実な点が印象的。冷静に考えると、キー周辺のフレームが丸ごと移動するという構造は、移動箇所の面積が大きくなることからそれなりの力が必要になるはず。しかし前述のとおりYogaヒンジの動きはスムーズで、余計な力の必要性は感じませんでした。

基本操作のレスポンスも良好、液晶の発色なども良好で、キー配列などもコンサバティブなこともあり、目立たないながらも使い込んでいくと味が出てくる隠れた優秀機という印象も受けます。実売価格次第では、隠れた人気モデルになりそうな気配もあります。

新しいThinkPad X1Carbon & ThinkPad Yoga 発表。「炎上を恐れない」攻めの製品(レノボ・ジャパン)
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