2015年には、早くもデスクトップPCで「憧れの1TBメモリ」時代が来そうです。韓国のメモリーメーカー大手SK Hynixが、128GB DDR4 DIMMモジュールの開発成功を発表しました。主なターゲットは現在注目されている高密度サーバーで、量産は2015年上半期より開始となる予定。言うまでもありませんが、128GB DIMMをDIMMスロット8基のマザーボードにフル実装すると、1TBが狙える計算です。

新モジュールに使われるメモリパッケージは、Through Silicon Via(TSV、貫通シリコンビア)技術を用いたもの。メモリダイの製造プロセスは20nm級で、同社比で容量2倍となる8Gビットの容量を実現したとアピールしています。クロックは2133MHz。スピード規格としてはDDR4-2133(DIMMとしてはPC4-17000)となります。

動作電圧はDDR4 DIMMの基準となる1.2V。現状デスクトップやサーバーで使われるDDR3の1.5Vや昨今のノートPCなどで使われるDDR3Lの1.35Vより低く、消費電力もその分減少が見込めます。

さてTSVとは、半導体ダイをパッケージ(半導体チップの外殻)内で積層するための技術。ダイ間を垂直に貫く電極を形成することで、短い距離で積層したダイの間で信号を伝達でき、高密度かつ高速な信号伝送を可能にするもの。つまりTSVをアピールするからには、「パッケージ内でいくつかのダイが積層されている」ということになります。


上図は産業総合技術研究所が発表した超広帯域・超低インピーダンス電子回路の評価技術に関するプレスリリースからですが、この中の「三次元積層LSI」は外部に配線することなく積層しています。これを実現するのがTSVです。

また、ダイの容量は8Gビットという発表ですが、これは1枚で1GB。そのままでは128個のパッケージが必要になりますが、写真から見るとどう考えてもそこまでの数はありません。そこで、ちょっと仕様を推定してみます。

タイトルの写真から見る限り、チップは片面19個。レイアウト的に見て、中央はレジスタードバッファチップでしょうから、メモリチップは18個。この個数からこのモジュールはサーバー用に信頼性を向上させた「レジスタードECC」タイプと推定されます。

ECCをサポートするDIMMの場合、メモリチップレベルの容量は公称の「128GB」に対して1.125倍となります。そして当然両面実装と思われますので、128GBという容量の中でカウントされるメモリチップは32個です。
逆算すると、8Gビットチップのダイ4枚を1つのパッケージに収め、1チップで4GBを実現していると計算できます。


PC やサーバーでのDRAMで積層技術を使うのは少なく、またTSVを採用しているのは非常に珍しいですが(なのでSK Hynixもリリースで強調しています)、1つのパッケージに4枚のダイを収める技術自体は、スマートフォンに使われるモバイルDDR3でも使われています。

容量的にも、Samsung GALAXY Note 3などハイエンドスマートフォンのモバイルDRAM(写真はSamsungのBlogより)は1チップで3GBなので、そこまで飛び抜けてはいません。ですからサーバー用DRAMとしては、コストはかなり掛かるでしょうが、技術的難度自体はモバイルDRAMとそこまでかけ離れてはいないものと思われます。将来的には量産による低コスト化もある程度は図れそうです。

このDIMMの発表で、2015年のPC用、サーバー用メモリはDDR4への移行と同時に、大容量化が再びアツくなりそうな気配がしてきました。憧れの1TBメモリ環境が少しでも早く、手軽に実現できるように、メモリーベンダーには良い意味で切磋琢磨してほしいものです。
SK Hynixが128GB DDR4 DIMMの開発発表。2015年には「デスクトップPCにも1TBメモリ」時代
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