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つくる人を増やす:学習リモコン IRKit 開発者インタビュー

Yu Koseki
2014年5月26日, 午前09:50 in Diy
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学習リモコン IRKit の作者である maaash さんのインタビューをお届けします。IRKit は今年1月の発売時にも取り上げた、スマートフォンから操作できる学習機能付きの赤外線リモコンです。学習から操作まで一通りできる専用の iPhone アプリが無償で公開されていますので、組み合わせれば部屋にある無数のリモコンの機能をひとまとめにして、iPhone から操作できるようになります。

しかし IRKit が面白いのはそれに留まらず、API がまるっと公開されてもいるという点です。室内からは無線 LAN 経由で、屋外からもインターネット経由で、好きな端末から好きなように操作できるようになります。実際、筆者は手製のシェルスクリプトを書き、 Mac のターミナルからテレビや電灯を操作していますし、そのほかのスマートデバイスとの連携なども考えられます。

さらにさらに、APIだけでなく、ファームウェアから回路図まで一式公開になっているのもユニークなところです。ハードウェアは Arduino 互換なので、腕に自身があればセンサーを追加することなども可能です。「未使用のピンは引き出してある」とわざわざ断るハードウェアはそうありません。

他に類を見ない立ち位置となった IRKit はなぜ生まれたのか? インタビューは続きに掲載しております(内容は4月時点のものです)。


- まず、どうしてIRKitを作ろうかという話を伺いたいのですが。

リモコンって......不便じゃないですか。自分の思い通りに操作できないし。もっと自分の思い通りに操作したいのに、できない。だから、なんとかできないかなとは思っていて。

もともとカヤックという会社にいて、ブッコミ部という新規事業開発のチームだったんですけど、そこで「こえ部」とか、色々なサービスを立ち上げて。でもハードウェアを作りたいなあという想いは、ずっとムクムクとあって。カヤックにいながらプロトタイプは考えてたんですけど、ハードウェアは一つくらいしか作ったことのない会社なので、そう簡単には行かず。

- ああ、YUREX ......。


あと、自分は小さいころ米国に住んでいて、そのおかげで耳が良くなったのか、今も英語は分かるんですね。で、いま子供がいるんですけど、子供も海外で英語を勉強させてやりたいと思っていて、海外で働けないかなと。カヤックでニューヨークオフィスを作ろうとか言ってたんですが、まあ難しいとなって、じゃあ次を探そうかと。

その時点で IRKit のプロトタイプも出来ていたので、誰か社内で引き継いでいいよと言ってたのだけど、最終的には自分で持って帰ることになった。そこから一年くらいかけて完成しました。

- いま、何個くらい売れたのでしょうか。聞いて良ければ。

ちょうど1000個くらい作ったところかな。最初は100個を作って、それはもう箱詰めも自分でやるような手作り感があった。

- 発売は今年1月ですよね。お仕事を辞めて、次は IRKit で食っていくぞ、という感じだったんでしょうか。

いや、いちおうこの年で蓄えもあったので、次の仕事を探しながら、まあ一年くらいはなんとかなるかなと。IRKitは最初の100個が売り切れちゃったらどうしよう、というくらいの気持ちで。


- 回路図とか、ソースコードとか、全部公開されてますけど、あれは大丈夫なんでしょうか。コピーされちゃうんじゃないか、とか。

自分自身、ハードウェアの勉強をするときに、Arduino とか Rusberry Pi とか、オープンソースになっている情報を頼ってきたので、それは恩返しじゃないですけど、ちゃんとしたいなと。

カヤックという会社自体に「つくる人を増やす」という理念があるんです。たとえば wonderfl という、ウェブサイト上で Flash を作れるサービスがある。ここでブロック崩しを作る人が現れる人と、今度はそれをフォークして、ちょっと変わったブロック崩しを作る人が現れる。ゲームを一から作ろうとはしない人でも、そういう場を用意すると、誰かのコピーとかからゲームを作ることができる。そういうのは重要だなと思って。

- 私はソニーのリモートコマンダーを何年も愛用してましたし、学習リモコンの業界には、他の製品もありますよね。そういったものとは比較しましたか。

色々とあるのは知ってたけれど、IRKit についてはとにかく自分が欲しいものというのが先にあって、それを作ったという感じ。ハードウェア系の人に言わせると、LEDがあって赤外線センサーがあって、別に大した作りではないんですけど、それを商品としてちゃんと売ったのが新しかったのかなと。

- 確かに、ああいうのを自作しよう、みたいな電子工作の話はよくありますよね。そこまでは分かるのですが、そこからどうやって商品にするのでしょうか。

そう思うでしょ。自分も分からなかったのだけど、知り合いのツテで久田見製作所という基板と組み立てを担当してもらえるところを紹介してもらって、量産することができた。あと、筐体はミヨシというまた別のところにお願いしています。

部品も工場から発注するとロットが大きくなりすぎるので、最初は自分で集める必要があって、電子部品を売っているウェブサイトをあちこち見たりしてました。いまは工場のほうから発注してもらったり、それで見つからないのは、こちらからウェブサイトで頼んで、そのまま工場に送ってもらったり。

- 部品を工場で受け取ると。それは面白いですね。面白いといえば、Amazon で他の有名メーカーの商品と並んで売ってあるのも面白いところです。

そう、工場で完成すると、そのまま Amazon の配送センターに送ってもらってます。最初だけ中身とパッケージのスケジュールが合わなくて、自宅で詰める作業が必要になったんだけど。

- 家で注文した部品が工場に行って、工場から Amazon に送られる......。手作り感がある反面で、クラウド時代という感じですね。

クラウドといえばファームウェアの書き込みもそうで、もちろん工場でやってもらうんですけど、新しいファームウェアに切り替えるときは、工場の Windows パソコンにバッチファイルを入れてあるので、それを起動してもらって、Git にある最新のファームウェアをダウンロードしてもらうということをやっています。

- ははは。

バッチファイルを起動して、とかの依頼は Facebook メッセージを使ってるんですが。いまコマンド実行してくれ、という。

- そういえば私も、最初 IRKit のセットアップがうまくいかなくて、不具合じゃないかとサポート宛にメールを送って、結局は別のやり方でうまくいったんですけど、その時にいただいた返信が「その製造番号で検品の問題は出てませんでした」というような内容で驚きました。

自分も、最初は工場にものを頼むと、あとは良いふうに作ってくれるものだと思ってたんです。でも実際は、不良品がないかなど、検品をしないといけない。検品するのはこっちなんですね。なので、こことここをチェックするように、というようなルールを決めて、従ってもらう。実際のチェック結果は随時、Google スプレッドシートに上がってきます。オープンソースにはしてませんけど、ここも面白い部分です。



- なるほど......。最近はハードウェアベンチャーみたいな話も聞こえてきますが、IRKit を手はじめに会社を立ち上げるとか、そういう考えはなかったのでしょうか。

まあ会社を作りたいというわけではないので。法人にすると登記がどうこうと面倒なことも多いし。たとえば法人でないと手に入らない部品があるとか、そうなってくると話は別ですけど、今のところ工場経由で発注したりで、なんとかなってるので、特に不便はないかな。

- では思ったよりもずっと売れて、今後はどうしたいというのはあるのでしょうか。

IRKit は機能も少なくて、だいたい完成されたものなので、まずは IRKit ワールドというか、連携できるアプリなんかを増やしたいなと。

- ちょうど、どなたかが iPhone 用の多機能アプリを公開されてましたね。

そう、ああいう感じで、他のアプリなんかと組み合わせ色々なことがもっと出来るんじゃないかと。Mac ではランチャーになにを使ってます?

- ええと...... Alfred は入れてますが、あまり使わないですね。普通に Launchpad とか。

自分も Mac ユーザで、Quicksilver を使ってるんですけど、そこから最速で IRKit を呼び出せるようにならないかなと思って、いまは Mac 用アプリを作ってます。

- それはいいですね。そういえば、ファームウェアはアップデートできるのでしょうか。青い LED が常時点いていて眩しいというコメントはよくありますけど。

そのコメントは多くて、3月から発売しているやつはLEDの光を弱めました。

- それは物理的にですか?

そうですね、抵抗値を替えました。ファームウェアで光を弱めることは......できないんじゃないかな。ただ、とにかくファームウェアの更新には慎重にしていて、ファームウェアがおかしいとリコールになっちゃいますから。出来れば、Mac 用アプリにファームウェアの更新機能も加えたいと思ってます。

- IRKit 以外だと、リモコンの次として、なにか別のハードウェアを作る計画はあるのでしょうか?

リモコンは技術的には難しいものではなかったので、もうすこし挑戦的なことをやりたいというのはあります。たとえば、手とか。

- 手?

なんかこう、手が机とかにあって、ポンと、ものを預けられたりできると便利じゃないですか。

- なるほど......。しかし IRKit も好調で、他のプロジェクトもあるとなると、海外で働くほうの話が難しくなってしまいますね。

いや、それは反対に、いまどこで働くかというのは関係なくなっていて、自分がどこにいても開発はできるし、部品も調達できるし、商品も量産できる。まあ工場の人に言わせると、百とかの単位はまだまだ量産じゃないんですけどね。

Source: Amazon
関連キーワード: diy, hack, irkit, maaash, mod
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