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三菱重工、宇宙太陽光発電に向けたワイヤレス送電実証試験に成功。10kWを送電、500m先で受信

Munenori Taniguchi
2015年3月17日, 午後03:00 in J-Spacesystems
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三菱重工は3月10日、マイクロ波で遠隔地へ電力を送る無線送電の実証試験に成功したと発表しました。送電部から約500m離れた場所にある受電部へ約 10kW の電力を送り、「受信」した電力の一部を使って LED ランプを点灯させることに成功しています。無線送電は将来の宇宙太陽光発電システムに用いられる中核技術として研究が進められています。
 

宇宙太陽光発電システム (SSPS:Space Solar Power Systems)といえば、宇宙空間に設置した太陽光パネルで発電した電力をレーザーやマイクロ波に変換して地上に送り、受電パネルで再び電力として取り出すシステムの総称。
 

 
マイクロ波による無線送電は3月8日、JAXA が一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)と共同で日本初となる屋外試験を実施。このときは送電部から 55m 離れた受電部に最大1.8kW の電力を送電。受電部で 300W ほどの電力を取り出すことに成功しました。
 
JAXA の無線送電試験概略図
 
JAXA の試験にも技術協力していた三菱重工ですが、今回は 宇宙システム開発利用推進機構 Japan Space Systems との共同プロジェクトとして電力規模をさらに高めた試験設備を建造。10kW の電力をマイクロ波ビームに変換し、500m 離れた受電ユニットへの送電を行ないました。また取り出した電力の一部を使い、受電ユニットに設置した LED ランプの点灯にも成功しています。

無線送電技術の課題のひとつは、マイクロ波ビームをいかに正確に受電ユニットへ届けるか。強力なマイクロ波は兵器としても応用されており、生物に照射した場合の危険性も懸念されます。三菱重工は今回の試験においてマイクロ波を狙った場所にピンポイントで照射する「ビーム方向制御技術」を開発するなどして信頼性を高めたとしています。

今回は 500m の距離での実験でしたが、宇宙太陽光発電システムでは 3万6000km の宇宙から地上への伝送が必要となります。距離が遠くなるぶん、ビーム照射の方向にも高い精度が求められます。

また三菱重工の試験では 10kW の電力を送電して LED を点灯させたものの、取り出せた電力は送電したうちの10% ほど。JAXA の実験でも1.8kWの電力をを送電し、300W前後の電力を取り出したとされています。今後は高出力化とともにエネルギー変換時の損失削減も大きな開発ポイントとなりそうです。
 
 
宇宙太陽光発電システムは環境負荷もなく無限に電力を取り出せることから、未来の基幹エネルギー源のひとつとして期待されています。ただ宇宙空間に巨大な太陽光パネルを広げるため、隕石やデブリによる破損の可能性があること、送電側の微細な姿勢制御が求められることなど技術的な障壁も高く、実現はまだまだ先になる見通しです。

ちなみに長距離の無線電力伝送は宇宙太陽光発電だけでなく、たとえば海上の風力発電ユニットから陸上への送電や、電動車両の無線充電といった用途への利用も考えられています。カモメやウミネコが、海上の送電ユニットから放出されるマイクロ波に当たって焼き鳥になったりしないのかも気になるところです。


Source: MHI, JAXA
Coverage: Engadget
関連キーワード: j-spacesystems, jaxa, mhi, mitsubishi, SSPS
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