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人の血を吸う「南京虫」ことトコジラミの全遺伝情報を解析。新殺虫剤の開発、短寿命化に期待

Munenori Taniguchi
2016年2月8日, 午後02:30 in Americanmuseumofnaturalhistory
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米シンシナティ大学などからなる国際研究チームが、"南京虫(ナンキンムシ)"こと、トコジラミの全遺伝情報を解析したと発表しました。トコジラミは家屋内などに生息する吸血性の小さな虫。日本では戦後、殺虫剤によってほとんど見られなくなりましたが、近年はふたたび被害が増加しているとされ、新たな駆除方法の開発が望まれています。

トコジラミはその名前からミリ単位の小さな虫かとおもいきや、実は1cm弱の大きさをもつカメムシの仲間です。吸血性で、トコジラミに吸われたあとは激しい痒みが発生します。日本では戦後のDDTの使用や殺虫剤の普及でほとんど見られなくなっていたものの、最近は海外旅行や衣料、家具の流通が活発になったことで被害が増加しています。また世界的に分布地域も拡大しています。

近年その被害が増加している理由もうひとつの理由は、かつて効果のあった殺虫剤が効かなくなってきたこと。研究チームはその原因を調べるため、博物館に保管されている1973年の個体や、最近ニューヨークの地下鉄を含む幾つかの場所で採取したトコジラミのサンプルから遺伝情報の全解析を実施しました。

解析の結果、トコジラミは年代によってその遺伝情報を変化させ、殺虫剤耐性を得てきていることがわかりました。またとくに、生まれて初めて血液を吸ったときに最もよく遺伝子の変異を起こしていることを突き止めました。

一方で全解析した遺伝子情報から、殺虫剤耐性を生み出すのにかかわっている遺伝子や、吸った血液を分解する酵素を生み出す遺伝子、トコジラミの成長に関わるバクテリア関連の遺伝子情報などを同定したとしており、これらの情報は新しい効果的な殺虫剤の開発、寿命を短縮させる方法の開発などに活用される見込みです。

ちなみに、日本でトコジラミがよく発生する場所は、たとえば畳の間など。引っ越しや大掃除で畳をめくったら小指の先サイズの虫がウジャウジャ...などという状況もまれに発生するため、ある程度年季の入った畳の部屋に住んでいるなら、いちど確認しておくと良いかもしれません。

[Picture : Brian Kersey/Getty Images]

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