Sponsored Contents

ActionCameraの最新記事

Image credit:

アクションカメラもLTE搭載、クアルコムが鍵を握るこれからのIoT機器:山根博士の海外スマホよもやま話

山根博士(Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2016年2月16日, 午前11:45 in Actioncamera
342 シェア
97
152
4
0
89

注目記事

人気記事



ウェアラブル端末やIoT機器など、ネットに繋がるデバイスの新製品が毎週のように登場している。それらの製品はWi-Fiでルーターにつなげたり、Bluetoothでスマートフォンと接続することでネットアクセスするものが大半だ。これに対しクアルコムは、個々の機器が直接ネットに接続できるLTE対応製品の普及を広めようとしている。例えば同社が2月に発表した『Snapdragon Wear 2100』は省電力化とモジュールの小型化を進めたチップセット。スマートウォッチやウェアラブル端末に最適化されており、スマートフォンを介さず直接データ通信が可能なLTEモデムも搭載している。

Gallery: LTE搭載カメラが増えてきた:山根博士の海外スマホよもやま話 | 7 Photos

一方、カメラや映像関連機器にもLTEの搭載が今年は進みそうだ。クアルコムはIPカメラなどに最適な『Snapdragon 618 IPカメラプラットフォーム』を提供しており、それを採用した製品が2016年中に多数登場する予定だ。このプラットフォームはカメラとしての基本機能の制御に加え、最大21メガピクセルで4K動画の撮影を可能とし、さらにはh.264とHEVCのエンコードにも対応。そしてLTEモデムを搭載し通信速度はカテゴリ7、アップリンクで最大100Mpbsに対応している。

クアルコムのプラットフォームを利用したLTE内蔵IPカメラ


つまりこのプラットフォームを利用すれば、高画質な動画をリアルタイムで高圧縮し、即座にストリーミング配信できるIPカメラの製品化が容易になるのだ。無線ルーターや有線回線を必要とする従来のWi-Fi接続のIPカメラとは異なり、どんな場所にも設置できるのは大きなメリットだろう。このSnapdragon 618 IPカメラプラットフォームはスマートシティーやコネクテッドホームなど、都市や家庭のセキュリティーカメラを主な製品ターゲットにしている。そのため顔認識やモーション検知などにも対応するという。1月にラスベガスで開催されたCES 2016のクアルコムブースには同プラットフォームを採用したIPカメラが展示されていたが、市販のIPカメラとほぼ同じ大きさでバッテリー駆動も可能だ。

IPカメラはこれまでB2B向けの製品が多く、コンシューマー向け製品はまだあまり普及はしていない。しかし置くだけですぐにスマートフォンからカメラの映像を見ることができるLTE内蔵の製品が増えれば、家電量販店でも普通に売られる一般家電製品になるかもしれない。自宅にはネットが無く普段はスマートフォンしか使っていない、そんな人でも自宅のペットをLTEカメラで監視する、なんてことが可能になるわけだ。

パナソニックのNubo。コンシューマーにも通用するデザイン


パナソニックがヨーロッパ市場に投入した『Nubo』もそんな家電感覚のIPカメラである。Snapdragonは搭載していないものの、クアルコムのLTEモデムを内蔵している。設置場所は自由自在、一般家庭での利用も考えた本体デザインとしIPカメラのイメージを払拭している。カメラがLTEを内蔵するだけで、このような新しい製品も生まれてくるのである。


さてカメラと言えば、スマートフォンでは撮影しにくいシーンで活用できるアクションカメラが一時期ブームになった。GoProの『Hero』に代表されるアクションカメラは、ドローンに取り付けて空撮を行なったり、自転車やサーフィンに取り付けて迫力ある映像を撮影するなど、アウトドアのアクティビティーには欠かせない製品となっている。

しかし今、GoProの経営に陰りが見え始めている。同社の2015年第4四半期の売り上げは前年比で31%減と大幅なマイナスを記録した。GoProは2015年にキューブ型のデザインで本体サイズを小型化したコンシューマー向けの『Hero 4 Session』を発売したが、その販売数は期待以下だったという。

業績不振のGoPro。打開策はあるのか?


GoProが不振と聞くと、アクションカメラ市場が飽和した、あるいは縮小に向かっていると感じるかもしれない。だがアクションカムはまだ登場してから日が浅い、新しい分野の製品だ。今のGoProを含め、各社の製品はまだ発展途上の状態と見るべきだろう。それにGoProの失速はライバル製品の増加にも一因がある。GoProの大ヒット商品『Hero 3』が登場した2012年末は、アクションカメラと呼べる製品はほかにはほとんど無かった。しかし今では大手メーカーだけではなく、中小や無名のメーカーからも多数のアクションカメラが販売されている。

例えば新興スマートフォンメーカーとして有名なシャオミ(小米科技)は、「Yi」ブランドのアクションカム『Yi Action Camera』を2015年3月に発売した。価格は399人民元、日本円で7000円程度。ほぼ同スペックのGoPro『HERO+』が約3万円なので、価格は1/4以下だ。今ではGoProのアタッチメントが使える「GoPro互換」を謳う低価格な製品も多数出てきており、アクションカメラは価格競争も厳しくなってきている。

1万円以下で買えるシャオミのアクションカメラ


またGoProは4K動画対応など高性能な製品もラインナップに加えていった。しかし今やスマートフォンで撮影した写真や動画をその場でシェアする時代だ。高画質で美しい動画は見る人により大きな感動を与える。だがGoProで撮影した4K動画をスマートフォンやPCにWi-Fiで転送し、それを加工してシェアするのは一般消費者にとってはもはや面倒な操作だろう。アクションカムもすぐに動画を利用できる製品が求められているのかもしれない。

実際にそんなアクションカムがすでに登場している。台湾のBenQが製造し、イギリスのキャリアEEが販売する『4GEE Action Cam』だ。Snapdragon 400を搭載し、13メガピクセルのカメラでフルHDの動画撮影が可能だ。最大の特徴は単体でストリーミング放送が可能なこと。直接LTE回線に接続するので、スマートフォンの通信回線を別途必要としないのだ。

EEが販売するLTEアクションカメラ。腕時計型コントローラーも付属


4GEE Action CamのようにLTEを搭載したアクションカムはまだ類似製品が出ていないこともあり、その存在はあまり知られていない。また付属のアプリもLTE回線を十分活かせるほどの機能は搭載しておらず使い勝手は改良の余地があるようだ。このあたりは世界初のLTE搭載アクションカメラと言うことで、粗削りな部分があるのは仕方ないところだろうか。

だが動画を撮れば自動的にクラウドに保存でき、単体でストリーミング放送も可能なLTE搭載アクションカメラは、スマートフォンを必ず必要とする従来のアクションカメラよりも使いやすい。アクションカメラへのLTEモデム内蔵は、ユーザー層の拡大や新たな用途展開の可能性に期待が持てる。クアルコムとしてもSnapdragonのスマートフォン以外への応用展開の1例として今後アクションカメラに特化したプラットフォームの開発を進めるかもしれない。

パナソニックはCM1/CM10向けにアップロード無制限プランを提供


なおLTEアクションカムの利用者拡大のためには、キャリア側の料金面での対応も必要となる。動画を常時アップロードするとなると、利用者は常に通信費を気にしなくてはならないからだ。しかしその点も心配する必要はなくなりそうだ。パナソニックが同社の高画質カメラスマートフォン『CM1/CM10』向けに日本で開始した、『Wonderlink LTE L』のようにアップロードは定額無制限というカメラ向けの料金プランが今や実現可能な時代となっている。

スマートフォンのカメラ性能が年々上がる中で、デジタルカメラの販売数は減少が続いている。アクションカメラも今のままではデジタルカメラと同じ道を歩んでしまうだろう。だがアクションカメラにLTEが搭載されるようになれば、アクションカメラはニッチなIT製品から一般家電製品へと華麗な変身を遂げるかもしれない。クアルコムがアクションカメラに対してどのような動きをこれからみせていくのか注目したい。

関連キーワード: ActionCamera, BenQ, GoPro, IpCamera, lte, panasonic
342 シェア
97
152
4
0
89

Sponsored Contents