台湾の大手IT機器メーカーASUS(エイスース)が、ウワサの水冷ユニット合体式ノートPC『ROG GX700VO』を正式発表しました。発売は2月19日から、気になる予想実売価格はなんと54万9800円(税別)。堂々の約55万円です。念のためですが、写真にある女性との比率は撮影時そのままです(搭載液晶は17.3インチと巨大です)。

高価なモデルゆえ、基本パーツも物理4コアのCore i7-6820HKにGTX 980(「Mなし」のほう)、メインメモリは標準で32GB、SSDはNVMe 256GB×2枚でのRAID 0構成など豪華。付属品も合体式『液冷ドック』とACアダプタ2個(単体時用と合体時用)、マウス『ROG Sica』に加えて、運搬用の『ゲーミングスーツケース』までもが付属します。とくにケースは必見。ぜひギャラリーと続きに掲載した写真をご覧ください。

エイスース 水冷ユニット合体ノートPC ROG GX700VO

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改めてGX700VOの特徴を紹介すると、合体式の水冷ユニット『液冷ドック』により、定格動作を超えたオーバークロック状態(公称では20%)で、長時間のゲームプレイ(=CPUとGPU双方の高負荷動作)が可能な点。

誤解されがちですが、本体に搭載された空冷の冷却ユニットでもCPUとGPUの定格仕様に耐える冷却能力を備えています。合体機構はより高性能が必要な際、あるいは高負荷時のファン動作音を小さくしたい際に使う、というコンセプトです。





こうしたコンセプトのため、液冷ドックは非常に大柄。製品発表会ではカバーを取った状態も展示されましたが、ラジエーターは12cm角ファン搭載仕様×2基(ファンは天面側に排気するため、内部側にあります)、さらに内部のパイプや継手もそれなり以上にコストの掛かった仕様です。



今回は手持ちのiPod Touch 第六世代(123.4×58.6mm)と比較してみましたが、その巨大さがわかるのではないでしょうか。本体もノートPCとしては大柄な17.3インチ液晶のモデルであるため、女性が使うとタイトル写真のような比率となるわけです。



本体側が合体時に使う水冷用コネクタは、背面に搭載されます。冷却水用の継手に加えて電子的接点も搭載されており、合体/分離時には確認用のビープ音が鳴り、CPUやGPUの動作クロックが自動で水冷モード用に変わります。なお液冷ドック合体時でも、本体側の冷却ファンは合わせて動作します。



さて、気になる冷却性能に関しては、合体時は本体のみの場合と比べて、GPUは約33%、CPUは約13%低い温度での動作が可能としています。これを活かし、GPUのパワーターゲット(GPUの仕様のひとつで、ブースト時に使用可能な消費電力を示す)は単体時で130Wですが、合体時は180Wと大幅に向上します。



本機のACアダプタは2個付属しますが、本体単独用(左)が19.5V/9.23Aで180W、液冷ドック接続時(右、上にiPod Touchを載せています)は19.5V/16.9Aで330Wと、極端に大きくなります。ただし、ドック接続のACアダプタは、本体側の給電も兼ねる仕様。つまり実際にはどちらか1個のみを使うだけでOK。水冷ドックを置いての持ち運び時にACアダプタの大きさと重さを軽減できる仕様です。



最初に見た時は、さらに液冷ドックにはポンプやファンがあるとはいえ、ACアダプタの出力が2倍近くになるのが疑問でした。ここを解説担当者に尋ねたところ「CPU側も合わせたオーバークロックによる消費電力増加により、これだけの電源供給能力が必要となる」とのこと。

なお、分離時には構造上、本体側の水冷機構や接続部に冷却水が残る場合があります(カタログなどでも特記)。このため理論上、合体分離を繰り返していると、冷却水がじょじょに減ってくる可能性があります。
これに対して、エイスース側が想定する使用期間は2年間。さらに冷却水容量の測定機能を備えており、20%を切ると警告が表示されるとの解説もありました。なお、冷却水の交換は修理扱いとなるとの回答です。





こうしたオーバークロックやファンの回転数などは、専用ユーティリティ『ROG Gaming Center』で設定可能。これはキーボードのテンキー側にあるROGロゴキーを押すことで呼び出せます。基本的なプリセットから選択するほか、デスクトップPCに比べて範囲は限られるものの手動設定も可能です。



そして隠れた見どころが、付属する『ゲーミングスーツケース』。これは謳い文句だけではなく本当にスーツケースとして使える作りのしっかりしたもので、もちろんキャスターとハンドル付き。外装はROGロゴと『THE CHOICE OF CHAMPIONS』の文が入ったデザインとなっており、ROGファンの間では自慢できるアイテムとしても機能する仕上がり。





内部には本体と液冷ドック、付属品一式などをまるごと収納可能な仕切りが入っているため、内部の保護もバッチリです。さらにゲーミングマウスとして、左右ボタンの内蔵スイッチが交換可能なモデル『ROG Sica』が付属します。



基本性能の点でも、CPUにはノートPC用第六世代Core iの上位モデルとなるCore i7-6820HK、GPUにはNVIDIAのノートPC用GeForce GTX 980(Mの付かないほうです)+ビデオメモリ8GB、メインメモリは標準で32GB (DDR4-2133)、ストレージは512GB SSD(NVMe対応の256GB SSD×2枚をRAID 0使用)と、非常に豪華。



内蔵ディスプレイはフルHD解像度に留まりますが、IPSパネルでティアリング(画面ちらつきの一種)を防ぐNVIDIA G-SYNCに対応。加えて拡張端子はThunderbolt 2やUSB 3.1タイプC(つまり10Gbps対応)を搭載するなど、隙がありません。キーボードが英語配列のみなのも隠れたポイントです。






主な仕様は、
  • ディスプレイ:17.3インチフルHD(1920×1080)、IPS液晶(NVIDIA G-SYNC対応)
  • CPU:Core i7-6820HK (4コア8スレッド、基本クロック2.7GHz、ターボ時最大 3.6GHz)
  • GPU:NVIDIA GeForce GTX 980 (ビデオメモリ8GB GDDR5)
  • チップセット:インテル C236
  • メインメモリ:32GB (DDR4-2133)
  • ストレージ:512GB SSD (PCI Express接続-NVMe 256GB SSD×2枚をRAID 0構成で使用)
  • Wi-Fi:IEEE 802.11ac/b/g/n
  • Bluetoothバージョン:4.0
  • 拡張端子:水冷ユニット用端子、Thunderbolt 2(兼USB 3.1タイプC)×1、USB3.1 タイプC×1、USB 3.0×3、ミニDisplayPort×1、HDMI×1、SDカードリーダー、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1
  • 電源仕様:ACアダプタ式 (2個付属。本体用180W、水冷ユニット兼用330W)
  • 本体サイズ:429.2×309.9×35mm (幅×奥行き×厚さ)
  • 本体重量:約3.6kg
  • バッテリー駆動時間:約3時間
  • その他:キーボードは英語配列のみ、光学ドライブ非搭載

といったところ。




なお、以前の記事でも読者から意見のあった「ここまで大きければデスクトップPCで良いのでは」との質問を尋ねたところ、説明担当者からは「確かに、とくに液冷ドック接続時の底面積は大きくなるが、運用時に必要な接続はACアダプタの電源ケーブル1本でよいなど、ノートPCが持つ簡便性でのメリットがある。また運搬時も、本体のみの状態にすれば3.6kgと、17インチのゲーミングノートPCとしては常識的な重量にもなる」との回答。とくに合体式としたことによる、柔軟な運用が可能な点をアピールしていました。

このようにGX700VOは、超が付くほど高価ではありますが、他に類を見ない合体・分離可能な水冷ユニットというギミックのユニークさや、SSDやメモリ、そして付属品に至るまでの豪華さ、さらには非常に豊富なカスタマイズ性など、独特の魅力を備えた製品となっています。

とくにメインメモリやSSDといった、強化していくとコストの掛かる箇所をむやみにケチっていない(そしてそれらを踏まえて価格を考えると納得感が強い)点などは、歴戦の本誌読者には好感を持つ方も多いのではないでしょうか。
ASUSが水冷ユニット合体ノートを約55万円で正式発表、32GBのRAMやACアダプタ2個、スーツケースなど豪華装備
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