バーチャルリアリティ(以下VR)の展示会、OcuFes Final(オキュフェス・ファイナル)が、2月20日にベルサール秋葉原にて開催されました。

オキュフェスはオキュラスを中心に、VRコンテンツ開発を行うインディーズ系開発者たちのコンテンツ展示会であり交流の場です。開催ごとに規模感が大きくなっており、VRへの関心と注目の高さや拡がりが感じられます。今回も多くの来場者でにぎわっていました。

独創的なアイディアを競うOcuFes

出展されているVRコンテンツは実験的なものが多く、個人ならではのアイディアやセンスを活かしたものが披露されています。ただし、開発中のアイディアレベルのものや、VRビジネスとしてマネタイズには至らないものも多いのも特徴です。

オキュラスの創業者パルマー・ラッキー氏の言葉を借りるならば「日本のオキュラスのVRコンテンツはアメリカやほかの国と違って独創的だ」という言葉に集約されると思います。



会場に出展をされていた独創的なコンテンツをいくつか紹介しましょう。

「戦艦大和」をVRで再現



開発資金をクラウドファンディングで募集したことでも知られる神田技研の「戦艦大和VR」、VR空間上に蘇った伝説の巨大戦艦「大和」、当時の資料をもとに細部までVR空間内を再現したもので、今春竣工とのことです。

積木製作の「BLAST×BLAST」、VRシューティングゲーム。リープモーションを併用し、手をグーにすることでエネルギーをチャージ、パーで弾丸を連射して攻撃するものです。お話を伺ったのはシニア・ディレクターの関根さん(写真下)。

積木製作がVRへの取り組み始めたきっかけは建築設計検証用のVRでしたが、エンタメ系コンテンツ開発が徐々に増えているとのことでした。



他のブースで個人的に気になったコンテンツですが、ダンボール型VRツールを併用したカードゲーム「アニュビスの仮面」、VR要素を取り入れた脱出ゲーム「DEATHNOTE VR 脱出ゲーム」、VRレースゲーム「MAXぱわあ」(写真下 体験中)、キャラクターが印象的な「博士と万有引力のりんご」などに注目しました。



(写真下は「博士と万有引力のりんごブース」不思議なキャラクターがジワジワきます)



実験的なコンテンツという部分では、「ARカードゲーム(仮)」が異色でした。

これは、VR画面に現れたトランプを使った神経衰弱ゲームです。オキュラスを装着した自分の目の前にトランプが並び、それをVRハンド(画面上に現れる自分の手)でカードを選びめくって楽しむものです。相手を見ながら対戦する部分はライブ感があります。タッチセンサーの感触の詰めは不十分ですが、VR、ARらしさの溢れるコンテンツで今後の仕上げに期待したいと思います。



ある意味ではオキュラス・リフト超えのHTC Vive

『HTC Vive(以下Vive)』という、オキュラスとは異なる新しいVR-HMDの体験ブースもありました。ゲーマーを中心に注目度がとても高いデバイスですが、日本国内では体験できる機会が少ないため、朝11時の開場とともに体験整理券がすべてはけてしまいました。

HTC Vive初体験とその驚きのクオリティ

Viveは、『Desire』や『butterfly』といったスマホメーカーの台湾HTCと、PC主体のゲームプラットフォーム『Steam』を運営する米Valveが共同開発したもの。予約開始は2月29日(日本時間3月1日午前0時)、4月1日から出荷される予定です。価格は799ドル(約9万円)となります。現在のところ日本での販売価格は不明です。


同梱物は、HTC Vive 本体(中央)、コントローラー2個(左下、右下)、ベースステーション2台(左上、右上)、VRコンテンツ「Job Simulator: The 2050 Archives」と「Fantastic Contraption」を同梱。

オキュラス・リフトの体験コラムは先日レポートをアップしましたが、そのオキュラスよりもプレイヤーが自由に動いてVR体験することができるダイナミックな魅力にあふれたものでした。

ただし、Viveを体験するにはオキュラス・リフトの環境よりもやや大掛かりなものになります。

その一番の理由はベースステーションのペア(1機で可能な場合もあるとのこと)が必要です。このベースステーションはViveを体験する際に設置が必要で、VRを体験するスペースの対角線上、2メートルの位置に配置し空間情報を測定することに使用します。そのため、オキュラスのようにデバイスだけあればOKという環境ではなく、3メートル四方くらいのスペースが必要と思われます。

(※下記インストールガイドによるとスペースは最大5メートル四方まで)
https://support.steampowered.com/kb_article.php?ref=2001-UXCM-4439#base-install


ベースステーションは、三脚のうえに設置されていました。(上記の赤い四角で囲ったもの)

Vive本体とスティックタイプのコントローラーにそれぞれにセンサーが内蔵されており、ベースステーションから発信しているレーザーを各々のセンサーで受信、プレイヤーの動態情報を測定し、PCで高速に処理しVR体験を演出します。

このベースステーションの活用により、リアルで可動範囲の広いVR体験が創出されますが、他のデバイスでは不要なベースステーションのセッティングが必要になります。ゆえに、B to Cでの活用よりも、B to Bでの活用がより現実的なビジネスになり得るのかもしれません。ただし今後、セット全体のバージョンアップにより簡易化されることも予想されます。

Vive体験したVRデモは3つ

最初に体験したVRデモは、チュートリアルを兼ねた「Controller Intro」です。コントローラーを動かし風船を膨らまし、カラーリングも自由に変更ができます。コントローラーを操作することで風船を膨らまします。風船の大きさカラーは自由に選べます。風船はコントローラーで叩いたり、弾いたりすることも可能で、この操作でデバイスの操作方法を簡単に覚えることができます。

「theBlu: Encounter」遊泳するクジラの目と尾びれの動きに震える

「Controller Intro」のチュートリアルを体験した後に、SCE社のPlayStationVRの「THE DEEP」のコンセプトに近い「theBlu: Encounter」を体験しました。

「theBlu: Encounter」は「紺碧」「海中」でのVR遭遇をイメージしたネーミングです。私は水中数十メートルの海中の沈没船の甲板に立ち、太陽のきらめきを遥かに感じています。沈没船の甲板を歩き、船の右舷に沈む墜落した飛行機の残骸を見つけ、小魚の群れやエイを眺めるというものです。

しゃがんで視点を変えて見るのも一興です。移動しながらVRの世界観を堪能せよ!



VRのクライマックスは大きなクジラが目の前を悠然と泳ぎ過ぎていきます。見どころはクジラの目の動きや尾びれの動きです。非常にリアリティのある世界観が再現されます。手を伸ばせばそこにいる感覚と、クジラの尾びれが動くときの潮流もイメージできるほどのVRクオリティを感じます。

となりのブースは何する人?ぞ「Job Simulator」

もうひとつは「Job Simulator」です。この「Simulator」シリーズは種類がありますが、今日はオフィス体験でした。

オフィスの個人ブースのなかで、マグカップを手に取り、コーヒーを入れて飲む、ドーナッツを取って食べる、ホチキスを押す、ゴミを捨てる、パソコンにログインする、コピーを取る・・・などのアクションがVR空間内で楽しめます。手を伸ばせる範囲も広く、ブースのなかのVRオブジェクトはすべてアクションすることができるコンテンツになっています。一番面白いのは、隣のブースにモノを投げるとコミカルな同僚が怒って顔を出すという演出が秀逸です。それぞれのVRアクションとそのリアクションのタイミング設定がとてもリアルに計算されており、VR空間にいることを感じさせませんでした。


Viveの可能性は進化と深化する

Vive体験を通して感じたことはベースステーションを使用していることに依り、他のVRデバイス体験よりもVR反応速度も速く、自由度が高く、開放感のあるVR空間演出ができていることです。まだ前述したようにVRの世界にダイブした密着感、没入感、空間を自由に移動する開放感が他のデバイスよりもアタマふたつほど先行しているように思います。現実との違和感のないVR空間と言っても過言ではないでしょう。

VR体験装置のセットにはまだ課題のあるViveですが、ワイヤレス化を含めて解消されればVRの可能性はさらに高まります。エンタメコンテンツのみならず多くの貴重なVR体験を創出することのできるViveのさらなる進化と深化に注目したいと思います。


『HTC Vive』初体験、VR世界への密着感と没入感、開放感が圧倒的! 驚きのクオリティの理由@OcuFes Final
広告

0 コメント

広告