Nikon DL

2月28日(日曜日)までパシフィコ横浜で開催中の、カメラと映像機器の展示会『CP+ 2016』より、開催直前に発表されたニコンの高級コンパクトカメラ『DL』シリーズ、3モデルを操作したインプレッションをお届けします。

DLシリーズは、1インチサイズのイメージセンサーを搭載する高画質コンパクトカメラ。レンズ焦点距離の違いを主に3種類の本体を用意。それぞれは同シリーズとはいえ、外観レベルから大きく違うなど、力の入ったモデルです。ニコンブースでは、フラッグシップ機のD5、APS-Cサイズセンサーの最上位モデルとしては6年ぶりとなるD500と並び、DLシリーズ体験コーナーはほぼ1時間待ち以上と高い人気でした。

CP+2016 Nikon DL

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35 枚


Nikon DL

1インチサイズセンサー搭載のコンパクトデジカメは、各社がプレミアム機を投入する激戦市場ですが、そこに投入するだけあり、力の入ったモデルです。イメージセンサーは3モデル共通で、有効画素数2081万画素、サイズは1.0型、裏面照射タイプCMOS。高い描写性能をアピールします。最高ISO感度も3機種共通で12800と高いレベルです。

広角24mm〜望遠500mmまでカバーするフルレンジ超望遠モデル「DL24-500 f2.8-5.6」


Nikon DL

ひときわ本体の大きな「DL24-500 f2.8-5.6」は、35mm判換算で24-500mm相当の光学21倍ズームをもち、開放F値2.8-5.6を実現する高倍率モデル。さらに最大4倍のデジタルズームにより、35mm判換算で約2000mm相当の画角を得られます。店頭予想価格は12万円前後。

Nikon DL

3機種の中で唯一電子ビューファインダー(EVF)を標準装備します。最新の一眼レフ用超望遠レンズにも採用される、高速で動く被写体向けの手ぶれ補正機能であるSPORT(VR)モード搭載とあわせ、高倍率でも高速に移動する被写体を追いやすくなっています。

Nikon DL

その他、位相差AFとコントラストAFを融合したハイブリッドAFなど動体撮影に適した機能や、操作しやすいリング型のズームスイッチ、素早い設定変更を実現するファンクションボタンなど、高倍率ズーム機で求められる機能を搭載します。

1台で日常使用をカバーするマルチロール機「DL24-85 f/1.8-2.8」

Nikon DL

「DL24-85 f/1.8-2.8」は、35mm判換算で24-85mm相当の光学3.6倍ズーム、開放F値で1.8-2.8を実現する明るいレンズが特徴。最大4倍のデジタルズームを使用する事で約340mm相当までの望遠となるほか、マクロモードでは被写体からの距離3cmまで近寄れ、35mm判換算で等倍のマクロ撮影が行えます。
店頭予想価格は本体のみが8万円前後、EVFキットが10万円前後の見込み。

Nikon DL

マクロでの最短距離はこのぐらいまで近寄れます。
レンズ筒に設けられた操作系は特定の焦点距離を設定できるステップズームリングと、機能を割り当てて絞りやピント調整を行えるコントロールリングを備えています。

ユニークなのはステップズームリングです。24mm、28mm、35mm、50mm、85mmといった特定の焦点距離を指定して設定する事ができ、単焦点レンズを素早く交換するような使用感が得られます。リングには無段階ズームの設定「W-T」もあり、そこに設定すると本体のズームレバー(天面右上)が有効となり、任意の焦点距離を調整する事もできるというシステムです。

Nikon DL

ボディ上面には、フラッシュとホットシューが設けられており、シューにはストロボの他EVFなども取り付け可能です。日常でよく使用されるズーム域を備えている他、マクロ撮影、フラッシュ対応など必要と思われる機能を網羅したオールインワンモデルといえるでしょう。とくに次紹介する「DL18-50 f/1.8-2.8」と比較すると、こうしたオールマイティ(マルチロール)性が際立ちます。

写真表現の幅を大きく拡げるスペシャリティモデル「DL18-50 f/1.8-2.8」


Nikon DL

「DL18-50 f/1.8-2.8」は、35mm判換算で18-50mm相当の光学2.8倍ズーム、開放F値が1.8-2.8のレンズを搭載します。特徴は、高級交換レンズで採用される反射防止コーティング『ナノクリスタルコート』を採用する点。不要な反射によるゴーストやフレアを抑え、クリアーな画像を実現。高い解像力を備えています。

こうした点から、店頭予想価格は本体のみで10万5000円前後、EVFキットが12万5000円前後と、DL24-85と比べて高価な位置づけです。また、ホットシューは搭載するものの、内蔵フラッシュは非搭載となるなど、いくつかの仕様でもDL24-85との違いがあります。

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ズーム機構は、こちらもステップズームリングが基本。設定は18mm、20mm、24mm、28mm、35mm、50mmを備え、欲しい焦点距離を瞬時に得られます。加えて、ズームレバーを使える「W-T」モードも搭載します。リング設定をしておく事で、電源ON後すぐに任意の焦点距離で撮影を開始でき、シャッターチャンスを逃しません。

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ユニークな機能として「アオリ効果」があり、垂直もしくは水平でパース補正をすることができます。これにより、高い建物などの撮影でディテールを正確に描写したり、モニターや絵画、ホワイトボードなどを真正面から撮れない場合などでも歪みを補正した画像が撮影できます。

Nikon DL

アオリ効果は、効果を液晶モニターでプレビューしながら、コントロールリングを回して調整できます。その他にも、ディスプレイ表示されたアオリ効果用のインジケーターを見ながら調節できるため、客観的にどれくらいの効果が適用されているのかを把握できます。

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また、レンズの仕様である「18mmの超広角でf1.8の明るさ」も大きな特徴です。一眼レフでも、18mm前後ではここまで明るいレンズは少ないため、一眼レフでも実現できない条件での撮影が可能になります。

また、こういったマニアックな性格のモデルでは「画質のためにあえて汎用性を捨てた」ようなピーキーなモデルも多いのですが、本機の望遠側は50mmまでズーム域を持たせた事により、日常のスナップでも使いやすいのがポイント。気軽なスナップから、プロのサブ機まで幅広く対応する柔軟性までを備えます。

Nikon DL

ここまで紹介したように、3機種がそれぞれ特徴的な機能を持っているDLシリーズですが、にもかかわらず、基本的な操作感、スイッチや設定ダイヤルなどの配置はある程度統一されているのも評価したい点。同社のミラーレス機Nikon 1シリーズにも近い配置のため、これらを使用していた人が買ってすぐに使えるだけでなく、用途に応じてDLシリーズを複数使い分けるといった際も迷わず操作できます。

一方で統一が「ある程度」という点もポイント。実用性よりも統一を優先するのではなく、細かなボタン配置などは各機種の用途やデザインに最適化されているのです(ここまで掲載した各モデルの背面を見るとわかります)。
これにより、単純にボタン配列を共通にしたのでは得られない、快適な操作感を実現していると感じました。

Nikon DL

こうした各機種ごとの際は背面モニターにも及んでおり、「DL24-500 f/2.8-5.6」がバリアングル方式、「DL24-85 f/1.8-2.8」と「DL18-50 f/1.8-2.8」がチルト方式です。基本的な仕様は共通で、タッチ対応の3型有機ELパネルを採用。動画機能も3モデル共通で、4K UHD(30P)および1080/60Pでの撮影が行えます。

Nikon DL

筆者が今回見ていて、唯一ともいえる残念な部分としては、三脚穴がレンズ光軸に沿ってないというところ。ただしこれは、三脚に設置しての運用ではズレが気になるところですが、手持ちでスナップといった用途がメインであれば気にならない部分ではあります。

いずれにせよ、DLシリーズは3モデルともかなり力の入ったモデル。CP+ 2016では冒頭で紹介したように大人気となっていましたが、発売後も話題となるのはほぼ間違いなさそうです。
ニコンの新高級デジカメ『DL』シリーズ実機インプレ。3機種それぞれの個性と細かな差が見所
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