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打倒『AlphaGo』! ドワンゴ川上会長も本気出したコンピューター囲碁ソフト『DeepZenGo』プロジェクト始動

いーじま(Norihisa Iijima)
2016年3月1日, 午後05:40 in Dwango
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今年の1月にグーグルがNatureに発表したディープラーニングを用いたコンピューター囲碁ソフト『AlphaGo』が、ヨーロッパチャンピオンのプロ棋士に19路で勝利した話に対し、日本の有志たちが立ち上がった。『AlphaGo』に勝つソフトを開発するプロジェクト『DeepZenGo』を始動。半年から1年かけて、ニューラルネットワークを利用したソフトを開発することになりました。


これまで世界的に最強の囲碁ソフトのひとつと呼ばれていたのは、尾島陽児氏と加藤秀樹氏による『ZEN』です。『AlphaGo』は突如登場したわけではなく、1年以上前に囲碁ソフトにディープラーニングを用いた研究論文を発表し、尾島氏と加藤氏も把握していたとのこと。それからわずか1年でプロ棋士に19路ハンデ無しで勝ったという偉業に、モンテカルロ技法以来のブレイクスルーという事態になりました。


▲ZENの開発者、加藤秀樹氏

『ZEN』も2012年以降、開発はしているものの、あまり強くならない状態が続いていたとのこと。2014年にドワンゴ主催で第1回囲碁電王戦を行なったものの、9路でもプロ棋士に刃が立たず、その後開催されていません。当時加藤氏にお話を伺ったとき、ニューラルネットワークに興味があり、囲碁ソフトの開発に必要だとおっしゃっていましたが、それが現実のものになってきました。

プログラミング担当の尾島氏はすでにディープラーニングを用いた『ZEN』のバージョンを開発中で、以前のバージョンと勝負して8割勝つレベルまで来たとか。しかし開発にはそれなりの機材が必要で、そこで目をつけたのがドワンゴのディープラーニング専用GPUサーバファーム「紅莉栖(くりす)」でした。


▲『紅莉栖』のリリースより

人工知能研究用として無償貸出するとのことで、早速問い合わせたところ、ドワンゴ川上会長も今回の『AlphaGo』で危機感をいだき、開発環境の提供と開発支援を約束。今回のプロジェクトチームを組んで最強の囲碁ソフトを開発することになりました。


▲ドワンゴ川上会長

もともと川上会長は、将棋電王戦の立ち上げ時から関わってきましたが、囲碁電王戦のときは、発表会にも顔を出しませんでした。将棋ソフトはすでにプロ棋士を超えようとするレベルに達していましたが、囲碁はまだまだ。あと10年はかかるだろうと思われていたからです。ただ、プロ棋士と囲碁ソフトが同レベルになった暁には、将棋電王戦のような企画は考えていたようで、それが今回の『AlphaGo』によって急展開をしたため、川上会長も登場し今回の発表となりました。

プロジェクトのメンバーは、ZENの開発者二人に加え、人工知能の研究している東大大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授の松尾豊氏、将棋電王戦ではおなじみの『Ponanza』開発者山本一成氏が参加。先ほどのようにドワンゴが開発機材の提供と支援をし日本棋院も協力するとのことです。


▲東大特任准教授の松尾豊氏


▲日本棋院理事長、和田紀夫氏

まだ具体的にどのようにプロジエクトを進めるのかは決めていはいないようですが、電王戦のように開発者が切磋琢磨するよりは、一極集中して強くしないと、追いつかないため、最適なリソースや人員を集めて開発することになります。

現状では、『AlphaGo』と『ZEN』との差はKGSのレティーングで500以上の差があり、勝つ可能性は2~3%だそうです。もともとZENは序盤は弱くて中盤から終盤は強い傾向にありました。ディープラーニングを用いたAlphaGoは、序盤も強くなっているようです。序盤が強くなると序盤で差がつきにくくなるためプロ棋士に勝つ可能性が出てきます。

グーグルは短期間でこのような成果を上げた理由のひとつが開発環境にあります。3000万局の棋譜をつくるのにCPU×4とGPU×8という構成のマシン50台により、1週間でつくり上げたそうです。これに対しドワンゴの紅莉栖は、1マシンの構成がこの半分。紅莉栖の発表時には100台程度の構成と伝えていますが、グーグルの開発機材に対抗できるのかというところにも注目したいところです。

山本一成氏は、電王戦の発表会でも囲碁ソフトをつくると言っていましたが、実際につくったものはまったく強くないそうで、将棋ソフトと同じようにつくってもダメだと認識したそうです。また、ディープラーニングを将棋ソフトに取り入れることも考えたそうですが、結果はあまり強くならないとのこと。将棋と囲碁の考え方、認識の仕方に違いがあるため、同じ手法では通用しないようです。ニューラルネットワークによる解析は画像認識に強く、囲碁の盤面全体を見て判断のに適しているのかもしれません。


▲将棋ソフト『Ponanza』開発者、山本一成氏

はたして、AlphaGoに追いつき追い越せるのか? 勝負はどのように付けるのか? 電王戦のように、どこかの寺院で碁盤を挟んで電王手さん囲碁バージョン同士が対局する姿を想像してしまった筆者なのでした。

Source: ドワンゴ
関連キーワード: dwango, go, google, zen
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