オランダの研究者チームが、「火星の土」や「月の土」でトマトなど十種類の作物を育て収穫に成功しました。

特に「火星の土」で育てた作物の量は、対照の園芸用土での栽培に匹敵するほど多く、将来の宇宙定住に向けて大きな意義がある実験結果だとしています。



火星農業・月面農家に向けた実験成果を発表したのは、オランダの研究組織 Alterra (Wageningen University & Research centre傘下)に所属する研究者 Wieger Wamelink博士らのチーム。

「火星の土」「月の土」といっても、サンプルリターンに成功していない火星はもちろん月の土も本物ではなく、観測データやアポロが持ち帰った月の石をもとにNASAが可能な限り組成を再現した模擬物質を使用しています。主原料の採取地は火星の土もどきがハワイの火山、月の土っぽいものはアリゾナの砂漠。

Alterraのチームは2013年にも同様の実験に取り組んだものの、当時は特に月の土(シミュレーション)での成績が悪く、一部の作物でなんとか発芽にこぎつける程度の成果でした。今回は環境を鉢でなく浅いトレイにして水やりを改善する、土壌改良に有機物(草や肥料)を加えるといった改善により、バイオマスの量を大幅に向上できたとしています。

育てたのはトマト、ライ麦、豆、クレソン、チャイブ、ルッコラなど10種。ジャガイモは含まれていません。環境は湿度・温度管理のされた温室内で、地上の空気と日光を与えられています。実際の宇宙での農業となれば土づくりだけでなく宇宙線を防ぐ環境づくりなども必要になってくると思われますが、今回の実験は土壌と栽培が対象です。

成果物は地球の園芸用コンポストで育てた作物とほぼ変わらないものの、研究者によれば食べてはいないため味までは不明。これは再現された土に鉛や水銀などの重金属が含まれているため。研究チームは安全に食べられる宇宙農業に向けて、今年の4月からさらなる実験の開始を予定しています。

(トップ画像は今回の実験風景ではなく、主人公がサバイバルのため火星農業を迫られる映画『The Martian / オデッセイ』 原作『火星の人』より。)
火星や月の土(再現)でトマトや豆の収穫に成功。将来の月面農家や火星農業へ一歩
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