2016年3月14日、欧州宇宙機関(ESA)が、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)との協力で進める火星探査計画ExoMarsの最初の打ち上げを実施しました。プロトンロケットは地球大気圏を脱出後約10.5時間航行したのち、火星の大気を分析する「トーレス・ガス・オービター(TGO)」と、火星への着陸実験を行うモジュール「スキアパレッリ(Schiaparelli)」を合わせた総称「ExoMars 2016」を火星に向けた惑星間軌道へと放ちました。

火星への軌道へと送り込まれたExoMars 2016は、これから7か月の長旅を経て、10月に「赤い惑星」こと火星へと到着する予定です。現在は機体の太陽電池パネルのデプロイ、電力生産も開始しており、地上管制との通信も確立。最初の重要なステップを問題なくクリアし、順調な旅立ちを見せています。

ExoMars 2016は、火星に到着後10月16日には TGO とスキアパレッリに分離。TGO はそのまま火星周回軌道に入り低軌道で火星の薄い大気の分析を実施します。この分析では、2014年の暮れに火星大気から検出されたメタンの発生源が地質活動によるものか、生物活動によるものかを調査、さらに火星上の気体分布を地図化し、ExoMars 計画の第2弾として2018年に打ち上げ予定の探査ローバーの着陸地点決定のためのデータを蓄積します。
TGO
 
一方、着陸実験モジュールのスキアパレッリは分離から3日後、10月19日に火星大気圏に突入、メリディアニ平原と名付けられる一帯へと着陸予定。主な目的は着陸技術の検証ではあるものの、せっかく7か月も旅してきての着陸なので、地表到達後に周辺の大気の状況を調べることになっています。
 

スキアパレッリ
 
また時期的におそらく砂嵐のまっただ中に着陸することになるため、その状況で大気現象の測定や火星表面の電磁場の測定などを実施する計画です。なお、砂嵐の中ではチリが降り積もり、太陽電池が役に立ちません。このため、スキアパレッリには原子力電池を搭載して各種調査を実施予定。さらに、後にやってくる探査ローバーの無線中継局としても機能します。


火星大気にメタンが検出されたとき、日本のネット界隈では某ゴキブリ退治マンガに引っ掛けたツイートが多数みられました。メタンがあるからと言って生物が必ずいるわけではないものの、現状では何らかの生物がいないとも言い切れません。7か月後にTGOがどんな観測データを送ってくるのか、あまり期待せずに待ってみたいところです。

ExoMars 2016 の打ち上げから火星到着までのイメージは、下の動画にわかりやすくまとめられています。
欧州・ロシア共同のExoMars計画、第1回目の打ち上げに成功。大気観測機と着陸実験機、火星に向け7か月の旅路につく
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