2016年3月16日にAppleはApple Watchの値下げを行った。Apple Watchが発売になった1年前は大きな話題になったものの、最近は他社製品も含めスマートウォッチの話題は以前ほど多く聞かれなくなっている。スマートウォッチは「スマホいらず、生活を変える」とまで騒がれたこともあったが、実際はスマートフォンのコンパニオンに過ぎず、期待が大きすぎたのだろう。

現行のスマートウォッチは電池が持たない、画面が小さいなど弱点はいろいろあるが、単体でできることに制限が多い点も使いにくいところだろうか。スマートフォンとペアで利用することが前提の製品がほとんどであり、特に通信に関してはスマートフォンに頼らざるを得ない製品が多い。手ぶらで外出したい時に、スマートウォッチだけを腕にはめて出かけられるようになればどんなに便利だろうか。

だが最近になって通信機能を内蔵したスマートウォッチが少しずつ増えている。グローバルではあまり知られていないが、韓国ではここにきて複数のスマートウォッチが3Gに対応しておりスマートフォンいらずで単体で利用できるのだ。今回はそれらの中から2つの製品を見てみよう。

増えてきた3G機能搭載のスマートウォッチ

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8 枚


SK Telecom「LUNA Watch」

「LUNA Watch」は韓国の通信キャリア、SK Telecomが発売したスマートウォッチ。同社は2015年9月低価格、高スペック、高質感のスマートフォン「LUNA」を発売し大ヒット。キャリアブランドのミッドレンジ端末でiPhoneやGalaxy S6などの半額程度で買えるとあって若い層を中心に大きな人気となった。そのLUNAのブランドをつけたウェアラブルデバイスとしてこの3月に登場したのがLUNA Watchである。

SK Telecomの独自ブランドで販売されるLUNA Watch​


LUNA Watchの最大の特徴はW-CDMAに対応し、単体で通話や通信が可能なこと。OSはAndroid 5.1ベースの「LUNA W OS」を採用している。

Android Wearでは無いものの、Androidスマートフォンと連携し各種通知を受けたり内蔵アプリを利用することが可能だ。アプリはSK Telecomが提供しているサービスやリモートカメラ、ヘルス機能など不自由しないものが揃っている。IP55の生活防水に対応しているので水回りでの利用も安心だ。

もちろん、各種SNSの通知も受けることができる。またタッチパネル操作ができるが、アルファベットを指先で描くことで指定のアプリをワンタッチで起動させることができる。アプリのアイコンをメニューから探さなくともアプリを即座に利用できるわけだ。


ワンタッチでアプリを起動、これは使いやすそう​


ターゲット層の年齢が20代ということもあり、本体のベルトは革製ながらもカジュアル感のある明るい色合い。市販の腕時計用のベルトに交換することもできる。さらにはストリーミング再生による音楽配信アプリもインストールされており、LUNA Watch単体で定額料金で音楽を聞くことも可能だ。

ディスプレイサイズは1.6インチ、解像度は256×320ピクセル、RAM1GB、ROM8GB。価格は199900ウォン、約2万円だ。なおSK Telecomによるとデータ無制限プランの2年契約をした場合、毎月の支払額は端末代金と通信料合わせて15000ウォン、1500円程度だという。

この価格で3G内蔵ならば、スマートフォン連携が必須のスマートウォッチよりもこちらを選んだ方が便利だろう。デザインも悪くなく、ぜひ海外でも販売してほしいものだ。


ベルトは純正で8色が提供される他、市販の腕時計用ベルトも利用できる


LINEキャラの3G時計「KIWI Watch」

子供向けのスマートウォッチなのにW-CDMAに対応している「KIKI WATCH」。LINEのキャラクターを正式に採用、これはぜひ日本でも発売してほしい製品だろう。韓国のSNSといえばカカオトークが有名だが、最近ではLINEも攻勢をかけており様々なグッズが街中で売られている。LINEかわいらしいキャラクターは子供にも人気だ。

KIWI Watchのターゲットは子供。デパートの子供服やおもちゃ売り場に店舗を構える


KIWI Watchのスペックは1.54インチ320x320ピクセルディスプレイ、CPUはSamsungのExynos1.2GHzデュアルコア、RAM512GBにROM4GB。GPSを内蔵しKIWI Watchをはめている子供の居場所を親のスマートフォンで検索したり、簡単なメッセージのやりとりをする用途が主な目的なのでこの程度のスペックでも十分問題ないところだろう。IP54の防水防塵に対応している。

LINEのキャラクターを全面的に採用


画面にはブラウン、コニー、サリーなどLINEのキャラクターが現れ様々な通知を行ってくれる。残念ながらKIWI WatchではLINEはできず、親側のスマートフォンとは専用のメッセージサービスしか利用できない。ここはぜひLINEが直接利用できるような対応をしてほしいところ。OSはAndroid 4.4とのことなのでアプリ開発も十分可能だろう。なおキャラクターとコミュニケーションを取ったり遊べるゲームなども内蔵されている。

LINEキャラクターが表示されるがLINEが利用できないのが残念


KIWI WatchはMVNOによる通信サービスも提供され、毎月250分までの音声通話は無料とのこと。データは1MBあたり約2円だがメッセンジャーと位置情報程度ならば使いすぎる心配もないだろう。子供が毎日楽みながら腕にはめ、通話料をあまり気にせず親子間で会話ができるツールとして日本での販売も期待したいものだ。

通話料も含まれるので毎日楽しんで使うことができる


日本でも販売されているSamsungのスマートウォッチ「Gear S2」も、韓国では3G版が販売されている。今年にはソフトSIM(eSIM)の規格も標準化される見通しで、物理的なSIMカードを搭載するスペースが取りにくいスマートウォッチへの3G搭載も容易になるだろう。スマートウォッチへの3G搭載が進めば、日本でLINEが発表したばかりの「LINE Mobile」のようなサービスとの組み合わせなど、スマートウォッチをより活用できる製品も生まれやすくなる。

スマートウォッチ普及のカギは、3G機能の有無が握っていると言えるかもしれない。
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