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FBI、iPhone ロック破り内部へのアクセスに成功か。アップルへの要請は取り下げへ

Munenori Taniguchi
2016年3月29日, 午後04:30 in Apple
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米国司法省(の警察機関である FBI)がアップルに対し間で繰り広げられている『iPhoneロック解除をめぐる争い』は、3月28日、司法省が裁判所にアップルへの協力依頼を取り下げる方向となり、あっけない幕切れを迎えた模様です。といっても、司法省と FBI が iPhone のロック解除を諦めたのではありません。先日現れた第三者の協力によって、問題となっていた iPhone 5c のロックが破られたためとみられます。

米司法省がアップルに協力を要請していたのは、カリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射事件において、自殺した容疑者サイード・ファルークが所持ししていた iPhone 5c の中身を見るためのツールの提供。


サイード・ファルーク容疑者の犯行を伝えるニュース


iPhone のパスワードロックは10回続けて解除に失敗するとすべてのデータを消去してしまうため、総あたりでパスワードを見つけるブルートフォースアタック手法が事実上不可能です。このため、FBI はアップルに対してこのiPhone 5cのロック解除をするよう協力を要請していました。

「協力を要請」ということなら「これまでにも何度か同様のケースでロックの解除に協力してきた」とアップルのティム・クックCEOは語っています。ではなぜ今回のケースに限ってこれほどまでに揉めているのでしょうか。その理由は FBI の要請が「iPhoneのロックを解除できるソフトウェアツールを作って提供してほしい」というものだったから。言ってみれば iPhone 用のマルウェア、バックドアを作ってほしいということです。

もしアップルがこれに従ってしまえば、iPhone のセキュリティはツールさえあれば簡単に解除可能だと世間に宣伝するようなもの。さらに、他のスマートフォンメーカーやインターネット企業も、同様の要請があったときに従わざるを得なくなることが考えられます。このため Google やマイクロソフト、Facebook、Twitter といった名だたるインターネット企業はこぞって(要請を拒否する)アップルの判断への支持を表明していました。

また、FBI の要求には、ファルーク容疑者の持っていた iPhone 5c だけでなく iPhone 5s 以降が搭載する A7 プロセッサーの Secure Encrave 領域にもアクセス可能にせよという要求が含まれていたとする説もあります。うわさレベルの話ではあるものの、今後解析が難しくなるであろう iPhone 5s 以降の解析のために今のうちから手を打っておこうとする意図もあるのかもしれません。
この争いに対して裁判所は3月22日に審問を予定していました。ところが、司法省は「第三者がロック解除の協力を申し出てきた」として、その有効性の検証のため審問の延期を申し出ました。裁判所は申し出を受け、結果を報告するよう司法省に指示していました。

そして3月28日。司法省から裁判所へ提出された書類は「iPhone の内容を取り出すことに成功した」という内容でした。これを受けて裁判所は司法省にアップルへの協力要請を取り下げるよう指示しています。

つまりこれは FBI と第三者が試した方法がうまくいき、ファルーク容疑者の iPhone 5c のパスワードロックが破られたことを意味します。一部には内蔵フラッシュストレージのマスターコピーをとり、さらにそのコピーを使ったブルートフォースアタックをしたのではないかとする声も聞かれます。この方法は CIA/FBI職員だったエドワード・スノーデンが言及していた方法と同じとされます。

スッキリした感は皆無ながら、司法省が裁判所に出していたアップルへの協力要請を取り下げる方向となったことで、この争いは終了へ向かうことになりました。FBI は当面の目的だった iPhone の中身を手に入れ、アップルは無茶苦茶な要求を飲まずにすんだわけです。 ただ、司法省はコメントで「重要なデジタル情報を入手して国家の安全および国民の安心を守ることを再優先する」としており、今後も(アップルにかぎらず)、同種の協力要請が出されて揉める可能性は否定できません。どこまでが正当でどこからが正当でないのか、誰のために何をするのが正義なのか、正しい判断がなされることを望みたいものです。

ちなみに、FBI に協力を申し出たのはイスラエルの Cellebrite という企業だったとされます。この会社、何を隠そう日本企業のサン電子の子会社。そう、あのファミコンソフト『東海道五十三次』や『いっき』、『へべれけ』で知られるゲームソフトメーカーです。このせいなのか他の要因かはわからないものの、Cellebrite との関係が明るみに出た日のサン電子は、700円台半ばだった株価が「いっき」にストップ高へ。この記事執筆時点では1000円台をキープしています。

サン電子の株価(3月24日)

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