1896年に製造された世界初のハイブリッド車がオークションに
アームストロング・マニファクチュアリング・カンパニーの1896年製「アームストロング・フェートン」はおそらく世界初のハイブリッド車だろう。

ロジャー・メカニカル・キャリッジ・カンパニーに委託され、ハリー・E・デイが開発、アームストロング社が製造したもので、6.5リッターの2気筒ガソリン・エンジンと、車載バッテリーに接続されたダイナモを利用するフライホイールを搭載する。バッテリーはダイナモと回生ブレーキで充電され、エンジンを始動させるのに必要なパワーを供給した。このシステムの登場が、キャデラックが世界で初めてセルフスターターを採用するより16年も前だったというのは感慨深い。


ダイナモはバッテリーの充電とエンジンの始動だけでなく、イグニッションの役割も果たす上、ライト類も点灯させる。

さらにデイはこのクルマに、セミオートマチック・トランスミッションを採用した。3段の前進用ギアと後退用ギアが備わり、ステアリングコラム上のシフトレバーによりギアチェンジを行う。ギアチェンジの際、電動式クラッチが自動的に切れたり繋がったりしてくれるので、クラッチペダルは不要だった。

このクルマは、間もなく米国フロリダ州アメリア島で開催されるクラシックカーの祭典『アメリア・アイランド・コンクール・デレガンス』のオークションに出品される予定で、17万5,000ドル(約2,000万円)~27万5,000ドル(約3,100万円)の値がつくと予想されている。

過ぎ去りし時代を伝えるこんな素晴らしいクルマが現存しているだけでも凄いことだが、さらに驚くことに現在も走行可能であり、その価値の分かる新たなオーナーはそれなりの金額を用意しなければならない。

アームストロング社はこのモデルをたったの1台しか製造していない。時折運転されてはいたものの、1963年までは米国コネチカット州ブリッジポートにある同社の施設内に置かれており、洪水で被害を受けた際に、ある従業員が自宅のガレージに移したという。その後、デニス・デヴィッドという人物に見出され、コネチカットで生産された自動車コレクションに加えられた。それから英国のロビン・ローダーというエンスージアストのもとへ渡り、現在の走行可能な状態へと見事に復元され、現在の米国人オーナーがこれを買い取った。

興味深いのは、アームストロングが手掛けたハイブリッドモーターはパワフル過ぎたため、強大なトルクが繰り返し車輪にダメージを与え、かえって欠点になってしまったことだ。

米国マサチューセッツ州のホルマン・エンジニアリングは、ホイールの強化をはじめ、その他の問題点を修繕し、この年老いた機械を良好に作動する状態に仕上げた。自動車の歴史を物語る魅力的なクルマは、再びオーナーを変え、きっと次の100年も生き続けることだろう。

By John Beltz Snyder
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
『世界初のハイブリッド車』がオークションに。1896年製造ながらセミATに回生ブレーキも備える
広告

0 コメント

広告