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マイクロソフトの「HoloLens」に感じた期待と課題。現実と仮想が混じりあうMRゴーグル

小口貴宏 (TAKAHIRO KOGUCHI), @TKoguchi787
2016年4月29日, 午後02:00 in Hololens
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マイクロソフトの「HoloLens」をご存知でしょうか。一見Oculus RiftなどのVR(仮想現実)ゴーグルに似ていますが、全く異なるものです。ゴーグルが半透明性を有しており、3Dホログラフィックを現実世界に混ぜ込んで表示できます。このHoloLensを体験する機会を得たので、その使用感をお届けします。

Gallery: HoloLens | 10 Photos

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HoloLensは一見するとVRマシンなのですが、その違いはゴーグルが半透明な点です。既存のVRマシンは、視覚的には外界からほぼ完全に遮断されます。それが仮想世界への没入度を高めているのですが、現実世界の作業と並行して何かをするということが難しい一面がありました。一方HoloLensでは、現実世界に3Dホログラムを混ぜ込んで表示可能。現実世界が見えるので室内を自由に歩き回ることもできます。マイクロソフトはこれをVRではなくMR(Mixed Reality)と表現し既存のVRと区別しています。

またHoloLens自体がWindows 10を搭載した「PC」であるため、既存のVRマシンのようにPCやスマートフォンとの接続は不要です。室内を歩きまわる際にもケーブルが邪魔になることはなく、取り回しが容易というわけです。


▲HoloLensの紹介映像

ではHoloLensの「Mixed Reality」という特性は、どのように活かせるのでしょうか。マイクロソフト側は利点の1つとして『装着した状態でも自分の手が見える』ことをアピールします。

繰り返しになりますが、既存の没入型VRでは視覚的に外界から遮断されるため、自分の手は見えない場合が多いです。HoloLensの場合は現実世界に仮想オブジェクトを重ね、現実世界の物質に紐付いたホログラムを表示したり、現実世界に仮想スイッチを投影して、そのスイッチに実際に手を伸ばして押すといった操作も可能です。手が現実と仮想がミックスされた世界の共通のインターフェイスとなる点で、既存のVRにはない使い勝手が生まれます。

JAL(日本航空)は、HoloLensのこのような特徴を活かして、飛行機のパイロット及び整備士訓練に活用するコンセプトツールを開発しました。



こちらがHoloLensを活用したパイロット訓練用のツールです。コックピットはHoloLensの3Dホログラフィックで描画されています。なおHoloLensにはKinectベースの深度センサーが内蔵されており、装着者の手の位置もトラッキングします。このため、実際に手を伸ばして3Dホログラフィックで描画された計器やスイッチに触れて操作することも可能です。

このスイッチを押すとこういう反応がある、ドアが閉まったらこのライトが消えるから、連絡を取ろう。といった一連の流れをHoloLens上だけで行えます。実際に腕を動かして操作することで、知的メモリーを運動メモリーに効率よく変換できるというわけです。


▲HoloLensでの訓練をデモするJALのパイロット

JALによれば、訓練用のフライトシミュレーターは数が限られており、時には計器を模した紙で訓練することもあるそうです。HoloLensを活用すれば、例えば自宅でも本格的なコックピット訓練が可能となり、訓練リソースの有効活用が可能になるとのこと。

JALはHoloLensを「副操縦士昇格訓練」および「ボーイング787型用エンジン 整備士訓練用」に活用するためのコンセプトツールを開発。今後改良を重ね実用化を目指すとしています。

課題は視野の狭さ、しかし驚いた点も

筆者もHoloLensを装着してみました。体験したのはJALが開発したエンジン整備士向けの訓練用ツールです。まずかぶってみると、VRゴーグルのように視野を完全に覆うものに比べて、外界が透けて見えるためか圧迫感は少ないと感じました。重さは579gありますが、10分程度の試用では特に疲れは感じませんでした。



ここで気になった点がひとつ。YouTubeに公開されているコンセプトムービーではまるで視野全体にホログラムが表示され未来的ですが、実際の視野はこれよりも遥かに狭いです。

視野のほんの一部の四角い領域の表示部があり、そこにホログラムが切り取られて表示されます。ホログラムを現実世界の座標に固定している場合、ホログラムが表示される視野が狭いために、あちこちに目線を向けてホログラムを探す必要があります。


▲動画のように視界全面にホログラムが表示されるわけではない

ただ驚いた点もありました。装着者が動いても現実世界の座標に固定したホログラムがブレないということです。空間に完全に固定されているように見え、ホログラムの周囲を歩きまわっても、斜めから見ても、近づいたり離れたりしても、ホログラムで再現された物体が、実際にそこにあるかのように、ブレずにその場に表示されます。スマートフォンでも遊べるARなどの経験から、装着者が動くとホログラムはブレるのではないかと想定していただけに、この部分は良く出来ているなと感心しました。

とはいえ現実世界にホログラムが混ぜ込んで見えるのは斬新な体験です。今後の技術進歩で視野の狭さが克服されれば、Mixed Reality(複合現実)という言葉もより説得力を帯びるでしょう。上記の公式動画で表現されたHoloLensによる未来が実現することに期待してしまいます。HoloLensは開発者版が米国とカナダで発売中。価格は3000ドル(約33万円)と決して安くはありません。なお日本での発売予定は明らかになっていません。

関連キーワード: hololens, microsoft, windows 10
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