Sponsored Contents

最新記事

Image credit:

HHKBサイズの左右分離型キーボードが発表。Cherry MXスイッチ採用、右部のみでフルキー相当なマクロ機能も

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2016年6月17日, 午後01:10 in Barocco
3121 シェア
849
1305
363
39
565

連載

注目記事

人気記事



台湾のキーボードメーカーMistelが、コンパクトタイプでありながら左右分離レイアウトが可能なメカニカルスイッチ採用キーボード『Barocco』(MD600)を発表しました。本体カラーはブラックとホワイトの2種。発売時期や価格は現状では未定です。

特徴は、HHKBことHappy Hacking Keyboard級の小ささでありながら、身体に負担を掛けにくいとされる左右分離型にもなる点。PCとの間、および左右間はUSBケーブルで接続します。またキーボードマクロ機能により右ユニット単体でも使用可能(キーコンビネーションによりフルキーと同等の入力が可能)とアピールします。
つまりこれは「HHKBの小ささでエルゴノミックキーボード」という、欲しい方々にとっては夢の、と呼んでも過言ではないモデルです。

Gallery: Mistel HHKBサイズ左右分離型キーボード Barocco | 15 Photos


▲キーボードが手首に与える負担についての図( Kinesis Corporationの解説ページ より)

さて、冒頭の紹介を見て、「そもそもキーボードを左右に分離するとは? いったいなぜ?」と思われた方も多いと思います。まずはそこから解説しましょう。これはキーボードを使う姿勢で起こる筋肉疲労などに際し、可能な限り無理のないように姿勢とすることで疲労を軽減できないか、という意図から来ています。

上の図は左右分離型キーボードなど、いわゆるエルゴノミックキーボード(人間工学重視キーボード)の代表的メーカーであるKinesis Corporationの解説図です。一般的なキーボードの入力は姿勢の面から手首や肩に負荷が掛かり、それを軽減するためにキーボードを左右に離したほうが有利である......というのが基本的な考え方というわけです。



こうした左右分離型キーボード自体は、上図をサイトに掲載している『Kinesis Freestyle』(上写真)など、従来も発売されていました。が、どうしても左右分離という機構は基板などの大型化を招くこともあってか、合体時は比較的大型となる製品が中心でした。



そうした中で本機は、キー数を最小とした、いわゆるHappy Hacking Keyboard(HHKB)的なデザインと小ささを実現、しかも打鍵感に優れるCherry MXブランドのスイッチを採用したという3条件が揃った(おそらく)初の製品。合体時には持ち運べるぐらいのサイズで、使用時にはしっかりと分離できるというのが特徴です。



さて、こうした左右分離型のキーボードは、分離する箇所のデザインをどう処理するかが一つのポイントです。というのも一般的なキーボードの配列では、段によってキーの左右位置が微妙にズレており、そのまま分割すると分離面が綺麗ではなく、また強度的にも不利となるため。

実際に従来の分離型製品はこうした点を配慮し、分割部に枠を設けるのが一般的でした。上述のKinesis Freestyleや日本でも販売されているMatiasの『Matias Ergo Pro』(上写真)なども、こうした形状です。



しかしBaroccoは、本体のコンパクトさなどを優先し、あえて枠を設けない構造としています。分離型キーボードとしては、ここも大きな特徴。これにより合体時の大きさを最小限に留め、さらに合体時に左右のキーが空くことによる違和感を抑えています。



気になる本体サイズですが、合体時で295.5×124.5×39.5mm(幅×奥行き×厚さ)で、重量は485g。HHKBことHappy Hacking Keyboard Professional 2は294×110×40mm、530gですから、「まさにHHKBサイズで持ち運べて、使うときは分離できる」仕様。

分離面の強度が若干気になりますが、小ささを優先し、なおかつ合体時にも違和感がない(分離スペースがない場合でも違和感なく入力できる)この仕様を評価する方は多いのではと思います。



接続端子とケーブルですが、左右ユニット間はミニUSBでの接続で、PCなどの本体側とはマイクロUSBでの接続。それぞれにケーブルが付属します。端子が統一されていないのは若干謎が残りますが、それでも汎用性の高い端子を使っている点は評価できます。また、別売りのテンキーユニットと接続しての3ユニット連携も可能です。



そしてもう一つの特徴がマクロ機能。これはMistelの関連会社であるVortexのメカニカルキーボード『Poker』シリーズで実績のある機能で、キーボード側のメモリに記録可能(つまり本体側が異なっても使えます)なうえ、割り付け範囲も広いのが特徴。

中でも本機での特徴とされるのが、右側ユニットのみで左側ユニットの役割も担う(左側ユニット側のキーも入力できる)機能。これはマクロの設定や使用に使う専用キーが右側ユニットにあるためですが、大きな入力デバイスと併用するイラストレーターやゲーマーには嬉しい機能でしょう。

さらにスペースキーは右ユニット側と左ユニット側の2つありますが、その片方をEnterやBackSpaceキーとして使う設定も可能とアピールします。



また、キーボードとしての基本機能も、キースイッチは上述のようにCherry MXブランド(詳細は不明ですが、軸色は赤や茶など複数が用意される構成です)で、ポーリングレートは1200Hz、同時キー入力はNキーロールオーバー対応(高級キーボードだけに、基本的に制限なし、という意味と思われます)など、一部はゲーム用製品に近い水準です。





昨今は左右分離型、あるいは左右の手のキーの距離幅を広く取ったキーボードは静かに盛り上がりつつあり、距離を離したタイプでは、Kinesisの定番製品Advantageシリーズ(写真上)にはじまり、マイクロソフトのSculpt Ergonomic Keyboardや、日本でも京都にあるエスリルが販売する、TRONキーボードなどの流れを汲んだ『NISSE』シリーズ(写真下)などがあります。



分離型でも昨今は、設計図やファームウェアをオープンソース化した『ErgoDox』が一部プログラマーの間で話題を呼ぶなど、エルゴノミックキーボードが(キーボード全体から見ればもちろん静かなものですが)ここ数年にないほどの賑やかさを見せている状態です。

そんな中に出現したHHKBサイズで分離できるBaroccoは、一度使ってみたいけれど、場所を取るので置けない(机の上に大きな空きなどない)や外は使えないという「エルゴノミックキーボードあるある」を解消する製品として、欲しい人にとっては喉から手が出るぐらいのアイテムと呼べそう。ぜひとも早期の発売を、なるべく安価でお願いしたいところです。

3121 シェア
849
1305
363
39
565

Sponsored Contents