Sponsored Contents

pcの最新記事

Image credit:

PC騒音問題:小型PCの静音化にチャレンジしてみました(ウェブ情報実験室)

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
2016年6月20日, 午後04:00 in Pc
290 シェア
29
83
0
178

連載

注目記事

iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

View

人気記事

ドコモ発表まとめ、やる気が見えないauとソフトバンクの真相。各社を悩ますiPhone XデーにAndroid勢の異常事態

ドコモ発表まとめ、やる気が見えないauとソフトバンクの真相。各社を悩ますiPhone XデーにAndroid勢の異常事態

View


こんにちは、フリーライターの宮里です。

今も昔も変わらず悩まされるのが、PCの騒音。大型PCなら、静音ファンへの換装などで騒音源を根本から見直せるのですが、小型PCやノートPCではそれができません。そこで、ソフトの利用や設定変更で、どこまで静音化できるかにチャレンジしてみました。

この記事は、身近にある「疑問」や「不思議」を検証する『ウェブ情報実験室』です。

実験の目的

ハードウェア的な改造をせずに、騒音を許容レベルにまで減少させる

動機

まだ暑いというほど気温は高くないのですが、それでも日中は大きく上昇し、室温が30度近くなることも増えました。こうなると一番最初に文句を言い出すのが、小型PCです。

冬場でもたまにファンが高回転になり、騒音が気になることもありましたが、あくまで一時的なもの。すぐに静かになっていたので、それほど気にすることなく使えていました。

しかし、小型PCのクーラーは空冷式。気温が上がるほど冷却効率が落ちてしまうため、最近ではちょっとの負荷でもファンの回転数が変動するようになってきました。一定の騒音ならまだ我慢できなくもないですが、変動が激しいと「ブォーン」とか「フィーン」とか「キューン」とか、自己主張の強い耳障りな音となるのがイラっとします



夏前の今の時期でこの調子ですから、本格的な夏になったら......考えるだけでも気が滅入ります。そこで、この音をなんとかできないかと静音化に取り組んでみました。

実験対象

先日購入したDELLの『Optiplex 3040 Micro』を使います。



CPUはCore i3-6100T(最大3.2GHz、2C4T)、メモリーは16GBへ増量。元はHDDでしたが、SSDへと換装しています。

メインPCとして使っているので安定動作重視、無理はしたくなかったのですが、騒音でイラっとするくらいなら解決してしまった方が精神衛生上よろしいかなということで思い切ることにしました。

実験方法

HDDからSSDへと換装していることもあり、騒音源となるのはCPUクーラーのファンだけです。つまり、何か手を加えられるのはこのファンだけという事になります。
そこでまず、現在のファンの動作状況を実験で調べることにしました。

なお、室温は27~29度前後で実験しています。


<実験1>騒音が気になるレベルとなるファン回転数はいくつか

騒音値はサウンドレベルメーターを使おうと思いましたが、数値がいくつであれ、自分が納得いくかどうかが最終的な判断基準です。それなら最初から自分の耳で確かめればいいじゃないかと思い、完全な主観で評価することにしました。

方法としては、ファンの回転数を表示できる『HWiNFO』というソフトを起動しておき、騒音が気になった瞬間の回転数を目で読み取るという、大変わかりやすいものを採用しました。



CPUの動作クロックから温度、メモリーやGPU情報まで表示できる便利なソフトです。今回の実験、すべてでこのソフトを使って情報を取得しています。


<実験2>高負荷時のCPU温度を調べ、安全に使える範囲を確認する

CPUには熱で壊れることを回避するため、温度が高くなると自動的に速度を落とす仕組みがあるのですが、これは本当に最後の砦。これが起こるような運用はしたくないので、元々の設計で何度までが安定動作の目安になっているのかを調べておきます。

実験としては、『OCCT』というソフトを使って高負荷をかけるだけです。約10分間ほど負荷をかけて、CPU温度の最大値を見ることにします。



普段GPUを使うことがほとんどないため、負荷をCPUだけにかける「CPU:LINPACK」でチェックしました。

これで基本的な情報が集められるハズですので、ここから静音化に挑みます。


<実験3>CPUの動作速度を落として静音化

CPUを高速で動かせば発熱が増えるということは、低速化すれば発熱が減り、ファンの回転数も下がるだろうという考えです。

とくに特殊なソフトは必要なく、Windows標準の「電源オプション」で上限を設定するだけで変更できます。



スリープの設定などで使うことが多いですが、詳細設定の「プロセッサの電源管理」でCPUの動作速度に制限を加えられます。なお、小型PCなのにバッテリ駆動の項目があるのは、UPSを接続しているためです。


<実験4>ファンの回転数を固定して強制的に静音化

CPUの動作速度を落とすだけで静かになってくれればいいですが、それがダメだった場合、追加でこの実験を行います。

ファンの騒音が気になるなら、そもそも気にならないレベルの低回転で固定してしまえばいい、という考えです。かなり強引な方法ですが、確実に静音化できます。

ただし、回転数を下げれば冷却性能も下がりますから、CPUが高温になりやすいというリスクがあります。実験2で得られたCPU温度の安全範囲となるよう、実験3と同じようにCPUの動作速度を落とす必要があるでしょう。

ファンの回転数制御には、『SpeedFan』というソフトを使うのが常套手段です。



ですが、本来ならファンの回転数などが表示されてコントロールできるはずなのに、見ての通り『Optiplex 3040 Micro』ではファンを認識できず、もちろん回転数のコントロールもできません。そこで、『HWiNFO』のファンコントロール機能を使用しました。



標準となる自動の「System Auto」から、手動で回転数を決め打ちできる「Set Manual」、CPUの温度などの条件によって回転数を好みに設定できる「Custom Auto」が利用できます。

実験結果

<実験1>
まずは実験1の結果を簡単に表でまとめてみました。私の主観なので、表現があいまいですが。
ファンの回転数 騒音レベル 所感
~2000rpm ファンの回転音はほとんどわからない 理想の静かさ
2000rpm~ 注意すればファンが回転していると気づく 許容範囲
2300rpm~ ファンの回転が確実にわかる 我慢できる
2500rpm~ 回転数の変動による音が気になり始める 厳しい
2700rpm~ 変動で色んな音が聞こえてくる イラっとする
3000rpm~ う・る・さ・い 常用は無理

2000rpm以下が理想ですが、2300rpmまでなら許容範囲、2500rpmまでなら我慢できるといった結果になりました。


<実験2>
続いて実験2の結果です。




開始2分で64度あたりまで上昇していますが、その後も64度以下でほぼ安定しています。この負荷テストであれば64度以下で使うというのが安全圏といえそうです。
ちなみに、HWiNFOの結果を見ると、ファンの回転数は最大で約3600rpmとすさまじいことになっています。64度以下を保つために、かなりファンを高回転で回しているのがわかります。

実験1と2の結果をまとめると、ファンの最大回転数は「2500rpm以下」で、CPU温度は「64度以下」というのを目標にするのが妥当でしょうか。これをもとに、実験3を進めていきましょう。


<実験3>
まずはCPUの速度を80%(最大2.5GHz)まで落としてみた場合の結果です。

2.5GHz動作



OCCTのグラフを見ると、53度以下で安定しているようです。HWiNFOを見ると、ファンの回転数は最大で約2900rpm。CPU温度は余裕で目標をクリアしていますが、どうにもファンの回転数が高いです。


続いてCPUの速度をさらに落とし、50%(最大1.6GHz)にしてみた場合の結果です。

1.6GHz動作



CPUの温度は45度以下とものすごく下がっていますが、ファンの回転数は最大で約2900rpm。80%の時と同じ結果になりました。せめて高回転となる頻度が低ければいいのですが、80%の時とあまり変わらず、騒音が目立ってしまいました。

どうやら標準のファンコントロールでは、回転数が高めに設定されるようです。これではいくら性能を下げたところで、騒音をこれ以上小さくできそうにありません。


<実験4>
実験3で満足いく結果が得られなかったため、今度は『HWiNFO』のファンコントロール機能を使って、指定の回転数に固定してしまいましょう。



ここで大問題が発生。一応ファンの回転数は固定できるのですが、「0/1800/4500」の3つしか選べません。4500rpmは通常の高負荷時でも上がらない回転数だけに、びっくりするほどうるさいです。ここは1800rpm一択でしょう



この時点でほぼ無音。耳を近づけてようやく回転音が確認できるレベルなので、静音化という面では間違いなくクリアーしています。ということは、後の問題はCPUの温度です。


まずはCPUの速度を落とさない(最大3.2GHz)場合をチェックしてみます。

3.2GHz動作


CPU温度は、最大80度。これでも速度低下はなく3.2GHzのまま完走できましたが、実験2で得られた安心して使えるだろう範囲を16度も超えてしまってます。しかもOCCTのグラフを見ると、温度上限に達していないカーブというのが恐ろしいところ。


次に、CPUの速度を80%(最大2.5GHz)まで落としてみます。

2.5GHz動作


最大温度が一気に低下。最後ちょっと飛び出しましたが、それでも63度とだいぶ安定しています。まだ若干の上昇余地があるようにも見えますが、ギリギリ目標の64度以下を達成しているといえそうです。


もう少し余裕が出ると嬉しいということで、50%(最大1.6GHz)の場合も試してみます。

1.6GHz動作


最大温度は49度。これなら間違いなく安定した動作が期待できます。が、さすがに性能半減は厳しいものがありますね。

結論

今回の実験でわかったことは、性能を少し犠牲にすれば、ソフトや設定で満足いく静音化ができるということです。効果的な静音化のポイントをまとめると、
1. ファンの回転数は騒音が気にならないレベルで固定する
2. CPU速度(クロック)を落とすと、大幅にCPU温度を下げられる
3. 高負荷時のCPU温度が安全圏を超えないようにする
といったところでしょうか。正直、性能を落とすというのは少し抵抗がありますが、80%にするだけで安全な温度まで下がるのであれば、悪くないトレードではないでしょうか。少なくとも私は、静音化できることにそれだけの価値があると感じました。

CPUは意外と高温に耐えられますが、長時間高温で使うとケース内の温度が上昇し、SSDやメモリーといった別のデバイスに悪影響を与える危険があります。「とりあえず動いてるからオッケー」と楽観せず、CPUの温度はしっかりとチェックしておきたいですね。

なお、今回は目標温度ギリギリだったので、HWiNFOかSpeedFanがより細かなファン回転数制御に対応したら、2000rpmくらいまで上げようと思っています。


関連キーワード: pc
290 シェア
29
83
0
178

Sponsored Contents