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PC騒音問題2:意外と効果がある!? ファンを強引に増設して静音化(ウェブ情報実験室)

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
2016年7月19日, 午前10:00
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こんにちは、フリーライターの宮里です。

今も昔も変わらず悩まされるのが、PCの騒音。前回はダウンクロックと内蔵ファンの回転数固定化という、ソフト的な手法で静音化を試しましたが、夏が近づき室温が上がってくるにつれてCPU温度が上昇し、どうにも限界が見えてきました。そこで、今回はファンを増設するというハード的な手法で静音化できないかと試してみました。

(この記事は、身近にある「疑問」や「不思議」を検証する『ウェブ情報実験室』です。)

PC騒音問題1:小型PCの静音化にチャレンジしてみました(ウェブ情報実験室)



実験の目的

外付けのファンで内蔵ファンの回転数上昇を防ぎ、騒音を抑える

動機

前回の実験でのCPUダウンクロックとファン回転数の固定は、静音化の効果は高かったのですが、室温が上昇するにつれ、どうしてもCPU温度も高くなってしまいます。結局、常にCPU温度を画面に表示し、それを監視しながら使うという、安心できない使い方使い方になってしまいました。

もっと温度とか気にせず、お任せで安心して使いたい!

とはいえ、これ以上性能を落とすのは嫌ですし、ソフトの設定でファンの回転数を上げるのも無理。もちろん、内蔵ファンの交換なんてできるはずもありません......。ならば外部から冷やしてやるしかあるまい、という結論にたどり着くまで、そう時間はかかりませんでした。

ファンの増設は騒音源が増えるため意味がないように思えますが、騒音の問題は内蔵ファンが高回転になることが原因です。つまり、静音ファンの増設で内蔵ファンの回転数が抑えられれば、結果的に静音化できるのではないか、という考えです。

とりあえず効果があるか確認しようと、ダウンクロックもファン回転数の固定もやめ、ノーマル状態に変更。そして手元にあった120mmファンをPCの目の前に置き、あまり期待せずに数時間使ってみると......



通常利用で約3000rpmまで上昇していた内蔵ファンの回転数が、120mmファンで風を当てるだけで約2500rpmまで低減。予想外に効果が高いじゃないですか!

これはイケる。(確信)

ということで、本格的に外付けファンを増設しようと決心したのでした。

実験対象

今回の対象も、メインPCとして使っている「OptiPlex 3040 Micro」です。
肝心のファン選びですが、どうせ増設するなら本体に装着したいというのもあり、120mmは無理。ギリギリなんとか装着できそうな60mmと、無理なく装着できる40mmの2種類に絞ることにしました。

電源はUSBから取りたかったので5V動作のファンを中心に探していたのですが、40mmはともかく、60mmで5V品はかなり少ないという事が判明。しばらく悩んでましたが、手元にたまたまDC-DCコンバーターがあり、これでUSBの5Vから12Vが作れることが分かったので、電圧は気にせずファンを選ぶことにしました。

色々なファンをかき集めるに便利なのが、海外の販売業者まで参入しているアマゾンのマーケットプレイス。ただし困ったことに、ファン回転数の記載がないものが大量にあります。仕方がないので電流値などの違いで製品を選び、最終的に40mmファンを6種類、60mmファンを4種類購入しました。

なお、最適な回転数が分からないため低回転の静音ファンではなく、なるべく標準品を選んでいます。

40mmファン
外観
メーカー JIN LI 东方风机 FONSONING SHENG FENG サイズ

オウルテック

(山洋電気)

型番 MODEL 4010 DF-40M5S2P FSY42S05H 型番不明 SY124010L SF4-S5
電圧 5V 5V 5V 12V 12V 12V
サイズ(mm) 40x40x10 40x40x20 40x40x20 40x40x20 40x40x10 40x40x10
購入価格 190円 449円 588円 635円 802円 1809円

60mmファン
外観
メーカー SHENG FENG オウルテック

オウルテック

(山洋電気)

オウルテック
型番 型番不明 OWL-FY0625M SF6-S6 OWL-FY0615M
電圧 12V 12V 12V 12V
サイズ(mm) 60x60x15 60x60x25 60x60x25 60x60x15
購入価格 549円 756円 1200円 665円


実験方法

最初は単純に一番冷えるファンを選べばいいと考えていたのですが、中にはとんでもなく騒音をまき散らすファンもあり、そう簡単な話ではありませんでした。

そこでまず許容できる騒音値を調べ、その騒音値以下になる回転数をファンごとに調べることにしました。

<実験1>回転数と騒音値のチェック
騒音計は「GS-04」、回転計は「DT-2234C+」を使用。どちらも数千円と安い計測器ですが、それなりの値が測れるため重宝します。(実はうちにある騒音計は数値が高めに出るようなのですが、相対的に値が測れれば十分比較できるので、そのまま使っています。)

いくつかのファンで試したところ、どうやら騒音値は50dB以下であれば許容範囲だとわかったため、これを基準とします。

ファンの回転数ですが、5VファンはPWMコントローラー、12VファンはDC-DCコンバーターで変化させます。



左がPWMコントローラー、右がDC-DCコンバーター。どちらも数百円程度で入手したものです。

騒音は側面直近で計測しました。これはファンからの風の影響を避けつつ、製品ごとの差をなるべく知るためです。



また、この時の回転数を回転計で調べます。ファンによっては回転数が安定するまで時間がかかるものもあったので、回転数が安定するまで待ってから計測しました。



<実験2>CPU負荷別に冷却性能を比較
実験1の結果をふまえ、実際にファンを増設して性能を比較するのが実験2です。ファンをテープで固定してもいいのですが、せっかくなのでちょとしたアダプターを3Dプリンターで作ってみました。





40mmと60mm、それぞれアダプターを作り、ファンをネジで固定。ツメで本体へと装着して使います。



横から見ると、こんな感じで凹みにツメが引っかかります。

増設後の性能を見るため、CPU負荷をアイドル、20%、40%、60%、80%と変化させ、それぞれでどのくらい内蔵ファンの回転数を抑えられるのかを調べます。もちろん回転数は一定にならないので、5分間の平均値を採用。この回転数を調べるのには、今回も「HWiNFO」を使用しました。



表示項目は、温度とファン回転数に絞って見やすくしています。

なお、CPU負荷はGIFアニメーションを大量に表示することで調整しています。意外と安定した負荷をかけられるので、今後もちょくちょく使っていこうかと。



60%負荷の例。裏で動作する処理は止めていないのでたまにブレますが、そこそこ安定した負荷に調整できます。

ということで、結果を見ていきましょう。

実験結果

<実験1>回転数と騒音値のチェック
ファンの騒音は回転数を落とすと小さくなるのが通常ですが、中には別の変なノイズが出てくるものもあります。今回試したものでは、「ジージー」とか「ジジジジジ」とか「ウィーン」とか「ショリショリショリショリ」とか、いろいろな音がしていました。とくに廉価なファンを低回転にしたときこの傾向が強く、定格以外で動かす時には注意が必要です。いくら騒音値が低くても、この想定外のノイズがひどいものは使い物になりません

ということで、ノイズが小さいものは○、ガマンできそうなのは△、到底無理だというのには×という評価にしました。

製品名 50dB回転数 コメント 評価
JIN LI
4010
3600rpm 回転数を落とすと蝉のようにジージー鳴きだし、うるさい。 ×
东方风机
DF-40M5S2P
2600rpm 低回転にすると少しジジジという音がするが、許容範囲。
FONSONING
FSY42S05H
2600rpm 回転数を落とすとジジジという音がかなり響いてうるさい。 ×
SHENG FENG
型番不明
3750rpm 常時「ウィーン」という音がするため、静音化に向いてない。 ×
サイズ
SY124010L
4150rpm 最大の12Vをかけても50dB以下と静か。
オウルテック
SF4-S5
4300rpm 嫌なノイズはほとんどなく、優秀。
SHENG FENG
型番不明
2100rpm 12Vファンだが、5Vでも50dBを超えるほどうるさい。 ×
オウルテック
OWL-FY0625M
1850rpm わずかにショリショリいうが、それほど気にならない。
オウルテック
SF6-S6
2100rpm 耳を近づければジジジという音はあるが、ほぼ気にならない。
オウルテック
OWL-FY0615M
1650rpm 基本的には静かだが、少しショリショリという音がする。

なんとか静音化用の増設ファンとして使えそうなのは、評価に○と△のある6製品となりました。

<実験2>CPU負荷別に冷却性能を比較
実験1で絞り込んだ6製品で、CPU負荷ごとに内蔵ファンの平均回転数を調べた結果が、下のグラフです。



室温は29.6~30.1度で実験しました。
CPU負荷が40%以下ではファンによる違いが大きいですが、中でも優秀なのは「SF4-S5」「OWL-FY0625M」「SF6-S6」の3製品。「SF4-S5」は40mmながらも健闘しています。

逆にCPU負荷が40%を超えると内蔵ファンの回転数はどれも2500rpmを超え、騒音的にはアウト。それでも、ファンの増設をしないより断然マシですが。ファンを増設した場合、80%時にはどれもほぼ一緒となるのが面白いです。

結論

今回の実験で分かったことは、増設ファンで静かにできるのはCPU負荷40%以下の時くらいで、それ以上では、内蔵ファンの騒音が気になり始める2300rpmを超えてしまうという事です。とはいえ、私の使い方だと通常利用で10~20%、ちょっと負荷が集中したときでも40%程度ということが多いだけに、多くのシーンで静音化を実現できるといえるでしょう

高負荷ではうるさくなりますが、以前みたいにCPU温度とにらめっこしないで済むというのは精神的に楽。なにより安心して使えるのがメリットです。

今回優秀だった3製品はどれもオウルテックの製品ですが、「SF4-S5」と「SF6-S6」はケースやCPUクーラー用のファンとして多く採用されている山洋電気製。さすが、定番となるだけありますね。

ということで今回の結論をまとめてみると、
1. CPU負荷40%以下ではファン増設による静音化効果が高い
2. 安いファンはブレやノイズがひどくて使えない
3. 価格は高めだけど山洋電気製がいい

といったところでしょうか。

どんなPCにも応用できるわけではありませんが、小型PCの吸気口へファンを増設するというのは、意外と効果が高いです。騒音で悩んでいるのであれば、試してみる価値はあると思います。

おまけ

3Dプリンターで作ったファン固定用アダプターの謎の「耳」は、実はDC-DCコンバーターを載せる場所です。基板は両面テープで貼り付けました。



ファンはムキ出しだと指を突っ込んでケガをしてしまうので、ガードをちゃんとつけましょう。血が出るほど痛かったので、これも3Dプリンターで作っておきました。



とはいえ市販の金属のヤツのほうがカッコイイので、そのうち付け替える予定。

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