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ロシアの大学が3000℃の高温に耐えるセラミック素材を開発。将来の宇宙船やロケットエンジンでの利用を想定

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2016年8月23日, 午後01:00 in Ceramic
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ロシア・トムスク大学の研究者が、従来よりもさらに高温に対応する耐熱セラミックを開発しています。現在開発の最終段階にあるというそのセラミックは、材質に炭化ハフニウムとホウ化ジルコニウムを積層したそのセラミック素材は、最大で3000℃以上に耐えられるとのこと。

ソユーズやアポロといった宇宙船は、大気圏再突入時にアブレーターと呼ばれる特殊樹脂を機体に塗装しておき、それが再突入時に、溶けて蒸発する際に発生する気化熱で機体を冷却する方式をとっています。アブレーターを使う場合は、機体を再利用することができません。

最初から再利用を目的としていたスペースシャトルでは、時期によって異なるものの、ガラス繊維やカーボンコンポジット素材をベースとして表面にセラミックコーティングを施した耐熱パネルを機体に貼り付けていました。今回トムスク大学が発表した耐熱セラミック素材は、スペースシャトルと同様、宇宙船の再利用を実現するために必要な、繰り返し使える外装を実現するための技術だといえそうです。

耐熱パネルには素材自体の耐熱性ではなく、むしろ断熱性が強く求められます。例えばスペースシャトルの場合、内部構造を構成していたアルミ素材は200℃にもなれば軟化すると言われます。スペースシャトルの耐熱パネルは、大気圏再突入の際、最高1600℃にも上昇する温度をわずか10cm程度の厚さで保護していました。

大学の説明によると、新しいセラミック素材は、現在もっとも耐熱能力が高い合金でも約2000℃程度までのところ、約3000℃まで耐える能力を持つとしています。そして、機体外装に貼り付けて繰り返し再突入に利用できるほか、ロケットエンジンの噴射バーナーで利用すれば異常燃焼による破損を防止できたり、機体各所に取り付ける温度センサーの保護にも役立つとしています。

研究者はこのセラミックが素材としてはほぼ完成しているものの、まだ最終段階をクリアしていないと説明します。それは大気圏再突入を想定した高温下でのストレステストを実施できていないから。このため、ロシアの宇宙機関Roscosmosの研究施設での検査と利用に向けた検討を進めることを希望しています。

ちなみに、スペースシャトルの耐熱パネルは日本製という話を信じている人も多いようですが、実際は日本製のものが使われたという記録はない模様です。またこの耐熱パネルはシャトルに無数に貼り付けられており、再突入を繰り返すうちに劣化して脱落するため、その修繕およびメンテナンスの手間がシャトルの運用コストを引き上げる要因のひとつとなっていました。

新たな耐熱セラミックが、もし脱落せずに何度も繰り返し使える性能を備えているのなら、今後の再利用型宇宙船の開発にも貢献するかもしれません。



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