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iPhone 7のFeliCa対応がもつ大きな可能性、おサイフヘビーユーザーがiPhone購入を本気で検討する理由(ライター笠原一輝)

笠原一輝(Kazuki Kasahara) , @KazukiKasahara
2016年9月8日, 午後12:30 in Apple Pay
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突然の告白で申し訳ないが、筆者はおサイフケータイのへービーユーザーだ。というより、おサイフケータイがないと生活できないと言っても過言ではないほど使い込んでおり、おサイフケータイがない生活など考えられない。このため、メインのスマートフォンは歴代NTTドコモなどの通信キャリアが販売しているAndroidスマートフォンになっており、これまでiPhoneはサブ機ないしは仕事でテストに使う時にだけ使うという形になってきた。
 本記事ではそうしたおサイフケータイのヘビーユーザーである筆者から見た、iPhone 7/iPhone 7 PlusのFeliCa機能がどう見えるかについてお伝えしていきたい。

プラスチックカードとは等価ではないおサイフケータイの価値

冒頭でも述べたように、筆者はおサイフケータイのヘビーユーザーだ。どのぐらいかと言えば「おサイフケータイがないと日々の生活に支障がでる」ぐらいだ。

そもそもご存じない方には「おサイフケータイ」とは何かという定義を説明をしておく必要がある。というのも、「おサイフケータイが必要です」というと、使っていない人からは「プラスチックカードではダメなんですか?」という質問が100人中100人(当社調査)から帰ってくるからだ。

おサイフケータイというのは、元々は通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)がフィーチャーフォンの時代に導入したサービスで、FeliCaと呼ばれる非接触通信ができるICを端末に組み込んで利用して電子決済ができるようにしたプラットフォームだ。このFeliCaはプラスチックカードの形でも提供されており、Suica、Edy、Nanacoなどの電子マネーのプラスチックカードにもFeliCaチップが組み込まれており、おサイフケータイと同じように使うことができる。


▲おサイフケータイのスマートフォン(ソニー Xperia X Performance/NTTドコモ SO-04H)と電子マネーなどのプラスチックカード。複数のカードが全部スマートフォンで代替できるのがおサイフケータイのメリット

両者が異なるのは使い勝手の点で、プラスチックカードが1枚で1つの電子マネーにしか使えないのに対して、おサイフケータイでは複数の電子マネーを1つの端末で使える"プログラマブル"な点が大きな違いになる。つまり、おサイフケータイに対応した端末1つを持っていれば、Suica、Edy、nanaco、WAON...と多くの電子マネーを利用できるし、後から対応する電子マネーの機能を追加していくことができる。


▲おサイフケータイではFeliCaチップ+ソフトウェアで機能が実現されているので、後からカードを追加したりがプログラマブルにできる

もう1つの大きな違いは、電子マネーのチャージを端末から行えることだ。おサイフケータイではクレジットカードさえ持っていれば、端末のアプリを操作するだけで簡単にチャージができる。もちろんSuicaなどでもオートチャージできるようになっている場合があるが、クレジットカードが限られていたりと制約は多いが、おサイフケータイの場合には、手数料がかかる場合もあるが多くのクレジットカードで簡単にチャージできることが多い(サービスによって異なっている)。


▲電子マネーのチャージはこのようにアプリから行える。Edyなどではオートチャージも可能だ

おサイフケータイがあれば朝から晩までリアルお財布を出さないで出張だっていける

その2つのメリットがどんな時に生きてくるとか言うと、筆者的には以下の2つの点だと考えている。

1.リアルな財布をカバンから出す必要が無い、買い物に携帯電話1つだけ持って行けばいい
2.店舗により使える電子マネーが異なるが、どの店舗でも携帯電話1つで決済できる

一番重要なことは、リアルな財布を出す必要性が大きく減り、カバンに突っ込んでおいたままにできることだ。もちろん、現金でしか使えないショップも依然として少なくないが、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、駅の売店、ファミリーレストランなど多くのお店で電子マネーが使えるようになっており、筆者の行動圏では使えないお店を数えた方が早くなりつつある。例えば、ウォーキングにいって帰りにコンビニで買い物をして帰りたいという時も、以前であればお財布と携帯電話を別々に持って行っていたのに、今はおサイフケータイのスマートフォン1台持って行けばウォーキング中に音楽も聴けるし、歩数も計れるし、そして買い物もできる。持ち物を減らせるというのは、現代社会において大きなメリットだと筆者は考えている。

また、現状では店舗により使える電子マネーが異なっていることが多い。あるお店ではSuicaとEdyしか使えないけど、他のお店ではWAONしか使えないとか、まだまだ多い。しかし、複数の電子マネーが共存できるおサイフケータイであれば、すべて設定しておけば、どこのお店に行っても対応できる。

おサイフケータイを使いこなすと、どんなことができるかと言えば、筆者の生活の場合こうなる...

:近所のマックで朝食を取る(支払いをEdyで済ます)、その後モバイルSuicaを利用して東京駅に移動

:東京駅から東海道新幹線に搭乗する。利用したのはモバイルSuicaに紐付いているJR東海のエクスプレス予約(東海道新幹線のネット予約機能)で予約した電子切符。新幹線の改札を自分のスマートフォンをタッチするだけで新幹線に搭乗できる。それで名古屋へ向かう。昼ご飯は、新幹線の車内販売での駅弁をモバイルSuicaで購入

夕方:名古屋駅のスターバックスで一息つきながらメールの返信などを行う。支払いはおサイフケータイのモバイルスターバックスカードで支払う

:翌日からのレース取材に向けて鈴鹿サーキットのある鈴鹿市に移動。近鉄名古屋から白子駅までモバイルSuicaで支払い、特急券は近鉄のインターネット予約で購入済み(電子チケット)、その後鈴鹿市のホテルにチェックイン(インターネット経由での予約でクレジットカードで支払い済み)

これはある1日の例だが、実際にあった国内出張での1日の例だ。結局この日は一度も財布を出すことがなく、すべての支払いがネット経由かおサイフケータイで済んでしまったのだ。シンプルにこういう現金レスで、リアルなお財布を出すことなく1日を送ることができる、そんな"スマートライフ"を送れることがおサイフケータイのメリットだ。

おサイフケータイヘビーユーザーにとってのApple Payの価値はその可能性にある

そうしたおサイフケータイユーザーの視点から、今回のiPhone 7/iPhone 7 Plusに搭載されてたFeliCa対応Apple Payを見ていくとどうなのかと言えば、現在のApple Payは対応しているサービスが少ないということは指摘せざるを得ないだろう。対応しているのは、Suica、iD、QuickPayの3つだけで、Edy、WAON、Nanaco、モバイルスターバックスカードなど他の電子マネーに対応していないのは痛い。Edy、WAON、nanacoそれぞれにメリットがあるので、やはりこの3つには最低でも対応して欲しかった。

Suicaの機能に関しては、Apple PayのWebサイト[https://www.apple.com/jp/apple-pay/getting-started/]で説明されている通り、プラスチックカードの残高とSuica定期券の情報をApple Payに移し替えるという形の対応になるという(プラスチックカードを持っていない場合Apple Payの中に新規カードを作ることも可能)。移し替えた後はApply Payに設定されたクレジットカードでチャージなどもできるようになると説明されている。こうしたスマートフォンを使って電車に乗れるという基本的なSuicaとしての使い勝手は、モバイルSuicaにかなり近いモノになると考えられる。ここは高得点だ。

ただし、おサイフケータイのモバイルSuicaとは異なり、JR東海が提供しているエクスプレス予約(東海道新幹線のネット予約機能)の機能をSuicaカードで利用する機能、東北・北海道新幹線、新潟新幹線などのJR東日本の新幹線をチケットレスで利用できるモバイルSuica特急券などの追加機能は現状では何も記載が無く、利用できないと考えていいだろう。先ほどの筆者の1日の例で示したように、スマートフォン一台あれば新幹線にも乗れる機能は出張族には非常に便利なので、これがないのはちょっと痛い。


▲AndroidのおサイフケータイのモバイルSuicaではモバイルSuica特急券が利用できる。携帯電話だけで、東北新幹線に乗ったりできる

しかし、忘れてはならないのはスマートフォンはプログラマブルなデバイスであり、将来的にソフトウェアのバージョンアップが行われれば、現在は対応していない電子マネーにも対応と言うことは当然考えられる。従って、EdyやWAON、nanacoなどにも将来的には対応する可能性はあるだろう。また、現在は対応していないエクスプレス予約やモバイルSuica特急券への対応なども機能拡張で実現されるかもしれない。そこはプログラマブルデバイスであるスマートフォンの可能性に賭けたい部分だ。

こうして見ていくと、おサイフケータイヘビーユーザーから見たFeliCa対応Apple Payの正当な評価というのは、将来性は大いにあり、現在欠けている機能(EdyやWAONなどへの対応、エクスプレス予約やモバイルSuica特急券への対応)への対応が進めば、おサイフケータイと同等に使えるというところになるのではないだろうか。従って、今ではないかもしれないが、近い将来にAndroidしか選択がなかったおサイフケータイヘビーユーザーが、iPhoneを買うという可能性がでてきた、それが今回の発表だったということができるだろう。

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