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Apple Payの次を見据える米大手銀行の対話型AIアシスタント:モバイル決済最前線

鈴木淳也(Junya Suzuki) , @@j17sf
2016年11月2日, 午前06:00 in Apple Pay
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▲毎年ハロウィン前後の時期に開催される金融+テクノロジーのイベント「Money20/20」がいま熱い。

いまApple Payなどのモバイル決済を含む金融とテクノロジーの世界で最も熱いイベントが「Money20/20」だ。同種のイベントは数あれど、業界関係者の集まる密度では他の追随を許さない。当然、そこでは最新の金融とテクノロジーにまつわる話題が交わされており、今後の業界動向を占う指針にもなる。今回は2016年10月23~26日まで米ネバダ州ラスベガスで開催された最新のMoney20/20から、興味深いトピックの一部を紹介していく。

モバイルウォレット活用は進むが、本当の普及には課題

筆者がMoney20/20に参加するのは今年2016年が2回目だが、「とにかく業界の主要プレイヤーが一堂に会するイベント」という認識だった。ただ、多くの話題がごっちゃに同時進行しており、普通の展示会やカンファレンスの感覚で参加すると、ほとんど情報が得られないまま終わってしまうだろう。今回はモバイル決済の話題を中心に筆者の視点で興味深いと思ったトピックをいくつかまとめてみた。

話題の1つめは、Accentureが北米の4000人を対象にしたアンケート調査報告だ。モバイル端末を使って金融サービスにアクセスするユーザーの比率は昨年比だけでも2桁ペースで増えており、各種支払いやオンライン購入にモバイル端末を利用する傾向が強くなりつつある。

その中でも特に顕著になるとみられるのが、Apple Payなどに代表される「モバイルウォレット」の活用で、2020年までに5割程度の増加が見込まれるという。シェアでいうと14%から21%への増加なので、それほどでもないように思えるかもしれないが、日本でのおサイフケータイの普及率がこの中間値くらいで足踏みしている現状を考えれば、おそらく20~30%のある水準を超えた段階でブレイクスルーとなり、一般的なサービスとして受け入れられる可能性が高いとみている。


▲米Accentureの北米金融サービス担当マネージングディレクターのMichael Abbott氏。


▲モバイルウォレットの利用は2016年から2020年には5割増と予想。

ただ、Accentureがもう1つ気になるデータを示している。POSでモバイル決済を行うユーザーの昨年比での伸び率がゼロ、つまりNFCのような非接触決済を使った「対面販売」でモバイル端末を利用するユーザーが増えていないという現状だ。これらにはNFCとQRコードなど複数方式が含まれるとみられるが、Apple Payを皮切りに「~Pay」の名称がつくサービスが2015年以降次々と北米で立ち上がったのとは対照的なデータだ。

普及がある段階で足踏みするのはおサイフケータイでも見られた状況で、その原因を探ることが重要だ。その最大の理由としてアンケート結果が示しているのが「Value(価値)」で、つまり「あえてモバイル端末を使って決済するメリットを見出せない」というわけだ。ロイヤリティカードの決済への統合や、モバイルアプリのより効果的な活用など、まだまだ課題は多い。


▲昨年比で対面販売でのNFCなどを使ったモバイル端末活用は進んでいないことがわかる。


▲その原因は「価値」。つまりモチベーションとなるメリットが必要だ。

米大手銀行がApple Payの次に仕掛けるのはAI

今回、Money20/20で大々的にスポンサードを行っているBank of Americaは、イベントでいくつか新製品発表を行っている。Bank of AmericaはApple Payをはじめ、米国で次々と立ち上がるモバイルウォレットサービスのローンチパートナーに名を連ねており、おかげでBank of Americaの銀行口座を持っている筆者は、これらサービスを開始時からすぐに試すことができた。

最近ではApple Pay対応のATMを全米規模で展開しており、同行のデビットカード(ATMカード)をApple Payに登録したiPhoneをATMの読み取り部分にかざすと、物理的なカードを取り出さずともATMがそのまま利用できる。米Bank of Americaのデジタルバンキング主任のMichelle Moore氏によれば、2016年中に対応ATMを8000台、来年2017年には1万6000台を全米展開する計画だという。


▲米Bank of Americaのデジタルバンキング主任のMichelle Moore氏。


▲Apple Pay対応ATMでは、読み取り部分にiPhoneをかざすと実際のATMカード(デビットカード)を挿入したときと同じ状態になる。

ここまで説明を行ったMoore氏だが、「前フリはここまでにして、さっそく本題に入りましょう」とばかりに紹介したのが、同社の新サービスだ。上映されたビデオには「I Am(erica)」の文字が表示され、「erica」と名付けられたAIアシスタントが話しかけてくる様子が映されていた。

これはモバイルアプリの形で提供される対話型AIアシスタントで、口座残高確認や送金、効率的なマネープランの相談など、ユーザーごとの利用状況に基づいた情報でアドバイスや口座操作を行ってくれる。AIやチャットボットが昨今ブームになっているが、これのBtoC金融サービス版とでもいえるのかもしれない。


▲Bank of Americaが発表するのは「I America」こと「erica」というAIアシスタントサービス。


▲ericaは対話型インターフェイスで、ユーザーへの金融プランのアドバイスしてくれる。


▲送金や口座移動など、各種操作も対話型インターフェイスで実装される。


▲口座残高の確認も口頭で行えるが、通常月より使いすぎとの警告がericaから発せられる。

このerica導入の背景について、Bank of Americaはその将来プランを語っている。今日、ATMや銀行支店を含む既存の銀行システムはそのまま通常稼働を続ける一方で、先ほどのAccentureのデータにもあるように、モバイル端末経由で金融サービスを利用するユーザーは日増しに増え続けている。もともと小切手の換金や振り込み処理のために銀行窓口に大行列を作っていたものが、ここ10年ほどの間にATMの高機能化により自動処理が可能となり、以前ほど行列がみられなくなっている。

そして現在、モバイル化の波で次のステップへと移行し始めているという段階だ。同社によれば、これまで支店が担っていたようなトランザクション処理(前出の小切手など)は、よりモバイル対応などデジタル化が進み、基本的な金融サービスの窓口はericaのようなAIを組み合わせた、よりプロフェッショナル志向になっていくという。

効率化の一方で支店整理などが始まるが、余剰人員はリストラというよりも再配置でより細かなサービス対応に振り分けていく形になりそうだ。


▲BtoC向けの金融サービスの過去、現在、未来。効率化推進とともに人員の再配置が進んでよりサービス向上へと振り向けられている。

 興味深いのは、Apple Pay対応ATMで話題になったかと思えば、それをすでに過去のものとしてモバイル対応やデジタル化を次々と推進していくBank of Americaの動きだ。しかも、これら施策は効率化というよりも、顧客視点でより便利で快適なサービスを利用可能にするという思考の下に進められている点もポイントだ。いずれにせよ、次の5年、10年先には金融とモバイルを取り巻く状況は大きく変化しているだろう。

関連キーワード: apple pay, iphone, money
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