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iPhone 7の『Apple Pay』を使ってわかった「便利な点」と「改善してほしい点」:週刊モバイル通信 石野純也

石野純也(Junya Ishino)
2016年11月2日, 午後12:30 in Apple
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10月25日にスタートしたApple Payですが、筆者もすぐにこれを使ってみました。登録したのは、各種クレジットカードとSuica。Suicaはカードの取り込みができず、新規発行しました。結果として、その後取り込みができてしまったため、今現在、iPhone内に2枚のSuicaが同居している状態ですが、特に問題なく使えています。ここでは、使って分かった利便性や改善してほしい点などをまとめていきます。

まるで魔法のよう... とまでは言わないが

Apple Payを使って驚いたのは、その敷居の低さです。特にクレジットカードの取り込みが非常にスムーズ。

Apple IDに紐づけているクレジットカードは、OSアップデート後の初期設定時にセキュリティコードを入れるだけで、あっさりWalletアプリに登録され、iDとして利用できるようになりました。おサイフケータイのときは、カード会社にiDの発行を依頼し、数日後に端末で設定するという作業が必要だったことを考えると、まるで魔法のよう......とまでは言いませんが、素直に驚きました。

▼Apple IDに登録してあったカードはセキュリティコードを登録するだけでiDに

念のために書いておくと、おサイフケータイ版iDの設定に数日かかっていたのはかつての話。筆者の使っている三井住友カードでは、設定に必要なアクセスコードをWebやSMSで確認できるようになっているため、そこまでの手間はかかりません。

ただ、やはり端末内で完結するiPhoneの方がユーザーインターフェイス(UI)として優れているのは間違いなく、手続きも即時ですぐに使えるようになります。前情報がなくても、特に難しいことを考えず使い始められるのは「さすが」と思ったところです。

ドコモが推進しているiDが事実上3キャリアに広がる

また、ドコモが推進している仕組みでもあったため、おサイフケータイ版のiDに関しては、使えるキャリアが限られていました。ドコモとSIMフリーの端末にのみ対応しており、auやソフトバンクの端末には非対応でした。かつてはiDへの対応を検討していたキャリアもありましたが、いつの間にか話は立ち消えになり、その状態のままここまできてしまっていたのです。iPhone 7で事実上、これが3キャリアに広がったというわけです。

ちなみに、カード会社によっては、QUICPayとして設定されます。どちらも基本的には非接触ICのクレジットカードで、設定も上記のようにスムーズですが、iDとQUICPayでは使える場所には違いもあるため注意が必要です。Apple Payというお財布の中に、iDという通貨とQUICPayという通貨が入り、そのどちらかに対応しているお店であれば、支払いができると考えれば理解しやすいでしょう。日本版Apple Payの場合、VISAやMasterCardなどのブランドでは非接触ICによる決済ができませんが、考え方は同じです。

▼カード会社によっては、QUICPayが割り当てられることも

Touch IDでの認証は少々面倒

使い方もシンプルですが、おサイフケータイに慣れていた筆者には、Touch IDで認証するという操作が少々面倒に感じました。かざすだけでよかったおサイフケータイよりも、ひと手間多いと思ったからです。逆にApple Payにはクレジットカードなどを最大8枚まで登録でき、切り替えながら使える点はメリット。おサイフケータイはiDの場合2枚までなので、使えるクレジットカードの幅が広がったと言えるでしょう。

▼決済時には、Touch IDでの認証を行う

店舗での非接触決済ならVISAも使える

基本的にシンプルなApple PayのiDとQUICPayですが、ネット決済の場合は少々複雑になります。日本では、店舗での非接触決済をiDやQUICPayで行う一方、オンライン決済はカードのブランドがそのまま使われます。そのため、カードのブランドがApple Payに対応していないと、オンラインでの決済ができなくなります。「VISAはApple Payに非対応」と言われているのはそのためです。

日本のiPhone7でVISAが使えないワケ。iPhoneのApple Pay国内対応で事前に知っておきたいこと:モバイル決済最前線

逆にVISAブランドを持つカードでもApple Payに登録できるのは、非接触決済の場合、iDやQUICPayとして登録されるからという理屈になります。

Apple Payに登録したVISAブランドのカードフェイスを見てみると分かりますが、そこには「VISA」という文字が一切ありません。オンライン決済ではMasterCardやJCB、AMEXなどのブランドが必要で、決済時にセキュリティを高めるトークン化を行い、クレジットカード番号とは異なる仮の番号を発行しています。VISAがネット決済に非対応なのは、このトークン化の機能を日本で提供していないためだと思われますが、iD、QUICPayの違いに加えて、クレジットカードのブランドの違いまで意識しなければならないのはやはり分かりづらいところ。クレジットカードブランドとしてVISAはダントツのシェアの高さを誇るだけに、ぜひApple Payに対応してほしいと感じました。

▼カードフェイスには、VISAのブランドが表示されない

Suicaの始め方は少々ややこしい

スムーズな登録と利用に感心したクレジットカードですが、Suicaは使い始める方法が複数あり、初めてだとちょっと分かりづらいかもしれません。カードをiPhoneに読み取らせて転送させる方法は、アップルのWebにも大々的に掲載されていたため、これがスタンダードなのかと思いきや、ふたを開けてみると、Suicaアプリから新規発行したり、AndroidなどのモバイルSuicaから機種変更手続きができたりと、様々な方法があったからです。

▼カード型SuicaからiPhoneに取り込める


▼Suicaアプリを使って、新規発行も可能


さらに、チャージの方法が複数あり、これも少々紛らわしいと感じました。Apple PayのSuicaはApple Payに登録したクレジットカードでチャージできますが、これは上記のオンライン決済の仕組みを使っています。そのため、もしVISAブランドのクレジットカードしかないと、Apple Payではチャージができないということになります。筆者も実はその1人で、手持ちのクレジットカードでApple Payに登録できたのがVISAブランドのものだけで、Apple Pay経由でSuicaにチャージすることができませんでした。

▼チャージの方法が2種類あり、Apple PayのみVISAが非対応


このような場合は、Suicaアプリを使います。SuicaアプリからのチャージはApple Payからのチャージとは別扱い。こちらには、VISAブランドのクレジットカードも登録できますし、JR発行のビューカードを登録しておけば、オートチャージも設定できます。ただし、これはSuicaアプリからモバイルSuicaに登録する必要があり、記名式もしくは定期券だけが対象になります。

最初からすべてをSuicaアプリ経由から集約しておけば、登録方法やチャージ方法をシンプルにきたはずですが、手持ちのカードからの取り込みや、Apple Payでのチャージという要素が加わったために、いったい自分の環境がどれに該当しているのかが、分かりづらくなっているような気がします。

しかも、カード型からの取り込みは利用者殺到の結果、エラーが頻発。筆者は開始から3日目にしてようやく取り込めましたが、周囲からは、3日目以降でもダメだったという話も聞きます。Apple Payという新たなサービスに対応するために、既存のモバイルSuicaにはない派手さや利便性を加えたかったのかもしれませんが、それが完全に裏目に出た格好です。

▼転送中にエラーが多発。筆者は開始から3日目でようやく登録できた

課題は対応サービスの少なさ

モバイルSuicaのUIも、タップして少し階層を下りただけで、フィーチャーフォン時代の名残を感じるデザインが顔を出し、突貫工事をした印象を受けてしまいます。Suicaは電車というインフラを利用するための、大切な決済手段。であれば、ユーザーへの事前告知も含め、もう少し慎重にサービスを開始してほしかったというのが、筆者の印象です。

とは言え、Suicaも登録、設定さえできてしまえば、あとはスムーズ。Suicaはエクスプレスカードに設定でき、これをやっておけばiPhoneをタッチするだけで改札を通過できます。使い勝手の面では、カード型と大きく変わらないどころか、紛失時などに遠隔でロックをかけられることを考えると、iPhone版に軍配が上がります。iPhoneユーザーなら、登録しておいて損はないでしょう。

▼エクスプレスカードに設定すれば、タッチだけで改札を通過できる


ただ、やはりApple Payはおサイフケータイと比べると、対応サービスが少ないのは厳然たる事実。特に、楽天Edyやnanaco、WAONなど、プリペイド型電子マネーはすべて非対応です。これらの発行枚数はそれぞれ数千万枚規模で、決済金額でiDやQUICPayを凌駕しているサービスもあります。日本で本格的にApple Payを普及させるためには、今後、こうしたサービスの追加も必要になってくるでしょう。

Apple Payは始まったばかりのプラットフォームで、使えるサービスが少ないのは仕方のないところではありますが、プリペイド型電子マネーが好まれる日本市場のことを考えれば、改善は必要なはず。アップルがどこまでローカルな事情をくみ取ったうえで、サービスを開拓できるのかは、今後、注目しておきたいポイントです。

「Apple Pay」vs「おサイフケータイ」──それぞれの長所・短所を比較してみた(笠原一輝)

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