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見えてこない日本版「Android Pay」の勝算、おサイフケータイと共存できるのか:週刊モバイル通信 石野純也

選べるのは現時点で楽天Edyだけ

石野純也(Junya Ishino)
2016年12月14日, 午後03:10 in android pay
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12月13日未明、かねてからウワサがあった「Android Pay」の配信が、日本でもついに始まりました。Google Playからアプリをダウンロードすると、利用できるようになります。筆者も配信開始直後に、早速これを使ってみました。


▲12月13日未明に配信が始まったAndroid Pay

日本版Android Payは「FeliCa」を採用

Android Payを改めて説明しておくと、これはGoogleがAndroid向けに用意している「ウォレットサービス」です。ウォレットとは、その名のとおりお財布のことで、複数のクレジットカードやポイントカードなどの情報を束ねておくためのプラットフォーム。競合であるアップルのApple Payでは、SuicaやiDなど、複数のカードを登録できますが、あれがウォレットサービスです。


▲電子マネーやポイントカードなどを束ねておけるウォレットサービス

そのウォレットサービスをリアルな店舗で使えるようにするための、いわば架け橋になるのが、FeliCaやタイプA/BのNFCといった非接触通信規格になります。無線に乗せて、決済の情報をお店側の読み取り機に伝えるというわけです。

日本版のAndroid Payでは、おサイフケータイやApple Payと同じFeliCaが使われています。

ウォレットサービスはあくまで財布という器で、その中にさまざまなクレジット—カードや電子マネーが載ってきます。これらは、財布の中に入る通貨のようなものと考えれば、理解しやすいでしょう。

現時点で選べるのは「楽天Edy」のみ

Android PayにはFeliCaに対応した複数のサービスを......と思っていたのですが、日本のAndroid Payは、少々様子が異なっていました。Android Payのアプリをダウンロードして、新規の電子マネーを登録しようとしたところ、選べたのは「楽天Edy」のみ。おサイフケータイやApple PayでおなじみのSuicaやiD、QUICPayなどは、選択肢にありませんでした。


▲登録できる電子マネーは、現時点で「楽天Edy」のみ

どうやらローンチのタイミングでは、電子マネーとして登録できるのは楽天Edyだけのようです。とりあえず、気を取り直して楽天Edyを新規発行してみたところ、キャンペーンで400円分のバリューがチャージされた状態になりました。

この端末をローソンに持っていき、決済端末の上に置いたところ、Edyを選択できるようになっており、おサイフケータイとまったく同じ手順で決済も完了。無事にプリンアラモードをタダでいただいてしまいました。三木谷社長、ありがとうございます!


▲キャンペーンの400円でプリンアラモードを購入。ありがとう三木谷社長!

それはさておき、リアルな店舗で使う場合は、基本的におサイフケータイと使い勝手は完全に同じ。楽天Edyはおサイフケータイ版のアプリもあるため、違いが分かりづらいというのが正直なところです。Android Pay版ならではの点としては、チャージがGoogle Playに登録してあるクレジットカードからできたり、利用履歴をAndroid Payのアプリから見ることができたりといったことがありますが、あくまでユーザーインターフェイスの違いに留まっています。


▲履歴が見られたり、チャージができたりがAndroid Pay版のメリット


▲バーコード形式のポイントカードもカメラで追加できる

追加できる電子マネーも楽天Edyだけなので、現状では機能限定版のおサイフケータイと言えそうです。ただし、深く考えるまでもなく、Android Payは非接触決済にFeliCaを利用しているため、フルでサービスを生かせるのはFeliCa搭載端末だけになります。

Googleの勝算が見えてこない

FeliCa搭載端末には、すでにおサイフケータイが入っており、楽天Edyだけでなく、Suica、nanaco、WAON、iD、QUICPayなどなど、多彩なサービスを実現しているため、正直なところ、ここに楽天Edyだけで立ち向かうのは無謀なようにも思えます。その楽天Edyですらおサイフケータイとかぶっているため、FeliCa対応の端末を持つユーザーが新規にダウンロードする意味合いが薄くなってしまっています。


▲おサイフケータイにはすでに多彩な電子マネーが存在する

同じFeliCaの上に、おサイフケータイとAndroid Payという2つのプラットフォームが競合する形になるので、それも当然と言えるかもしれません。先のお財布や通貨の例えを用いるなら、1人の人が、2つの財布を同時に持ち歩いていることになります。

リアルな通貨の場合は、お札入れと小銭入れを分けるなど、2つの財布を持つ意味はありますが、物理的な紙や金属を使わない電子マネーで、2つの財布を持つ必然性は高くありません。FeliCaというチップの上にあとから割り込んできた割には、対応サービスが楽天Edyだけでは、正直「微妙」と言わざるをえません。楽天にとっては楽天Edyを改めてアピールするチャンスにはなりそうですが、Googleのメリットや勝算が今ひとつ見えないのです。

これが、もしNFCを使って新たな非接触決済を立ち上げるというのであれば、少々意味合いは変わってきたかもしれません。Googleが日本のNFC決済環境を開拓しつつ、マスターカードの「PayPass」や、VISAの「payWave」に対応していくのであれば、存在意義がもう少し大きくなった可能性はあります。おサイフケータイ非対応のSIMフリースマホで非接触決済が利用できることも期待でき、FeliCa対応モデルでも海外利用が容易になるからです。その意味では、FeliCaに相乗りしてしまったことが残念だったと言えそうです。

おサイフケータイとの補完関係は築けるか

今後、サービスが増えてくれば、もう少し利用価値は高まるかもしれません。Googleのブログには、「2017年には、フェリカネットワークスとの連携によりAndroid Payに対応する電子マネーの種類も増える予定です。また、三菱東京UFJ銀行、Visa、Mastercardなどの企業との協力により、お気に入りのアプリからのAndroid Payチェックアウトなど、今後もより多くのサービスの提供を予定しています」と記載されています。

電子マネーがいくら増えてもおサイフケータイとの差があまり見えてきませんが、一方でアプリ内決済に利用できるのは、メリットになりそうです。

また、おサイフケータイでも、モバイルSuicaなどオンライン決済に利用できるアプリはありますが、あくまでアプリ次第、サービス次第で、統合された環境はありませんでした。そのため、ここをAndroid Payが担うのであれば、おサイフケータイと補完関係が築ける可能性はありそうです。ウォレットサービスの魅力は半分しか発揮できませんが、逆に言えば、日本の場合、すでにもう半分の魅力はおサイフケータイで実現できていると言えるのかもしれません。

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関連キーワード: android pay, apple pay, google, ishino, pay, payment
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