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空の安全はドローンが空から見守る! ANAとエアロセンスがドローンを使った機体整備点検作業を実験:旅人目線のデジタルレポ

ドローンを使えば飛行機の点検も安全にできちゃいます

中山智(Satoru Nakayama) , @yenma
2017年2月17日, 午後02:00 in transportation
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国内外の旅行で毎月何度かは飛行機に乗っている旅人ITライター中山です。飛行機というと気になるのは安全性。飛行機はちょっとしたトラブルが、大きな事故になりかねません。そのため各航空会社は安全運行のためさまざまな整備、点検をしているわけですが、今回ANA(全日本空輸)が「ドローンを活用した機体整備点検作業」を行なうとのことで、現場にてその模様をチェックしてきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲全日本空輸デジタル・デザイン・ラボ チーフ・ディレクターの津田佳明氏(右)とエアロセンス取締役CTOの佐部浩太郎氏(左)

今回の検証はANAとエアロセンスが共同で実施した実験。エアロセンスはドローンを活用した各種システムやサービスを提供するためにソニーとZMPが設立した会社で、すでに工事現場の測量など、ドローンを使った検証システムに実績があります。さらにANAも今後の事業の柱としてドローン事業に取り組んでおり、津田氏は「ANAはもともとヘリコプター2機からスタートした会社。同じプロペラ機としてドローンを使って再スタートする気持ちで取り組みたい」と今回の実験について意気込みを語っていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲ANAの創業は「日本ヘリコプター」で、ドローンを同じ回転翼からスタートしている

具体的な整備点検作業として、被雷した機体を想定。飛行機はフライト中に被雷する可能性が高く、もし機体に被雷した場合は点検作業が必須となっています。現状ではこの点検作業は、高所作業車とよばれるクレーンに足場が付いたクルマに人が乗り込んで機体全体をチェックしています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲普段は高所作業車に人が乗り込んで目視点検をしている

この高所作業車での確認が意外と危険な作業。ジェット機は全高で15メートル以上なので、一般的なマンションだと4階から5階建てに相当します。

そのため強風時など気象条件が悪いと高所作業車の足場も不安定になり、危険なだけでなく点検時間もかかってしまいます。こういった問題点を解決するために、無人操作が可能なドローンを活用したいというのがANAの狙いです。

実験で使用するドローンは、エアロセンスの「AS-MC-02P」。本体にGPSなど各種センサーを搭載しており、あらかじめプログラミングした範囲、ルートを自動で飛行できます。また本体下部にはソニー製のレンズスタイルカメラ「DSC-QX30」を装着しており、これで機体の写真や飛行中の動画を撮影します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲4つのプロペラを装備した「AS-MC-02P」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲底面に装着された「DSC-QX30」

ドローンをスタートさせると、点検対象となる機体のだいたい10メートルほど上まで上昇し、設定した機体の範囲を約1メートル/秒のスピードでジグザグに移動しながら写真と動画を撮影していきます。現場にはオペレーション用のPCも用意されていましたが、飛行中はそこから操作することはなく、「AS-MC-02P」から送られてくるデータが確認できるようになっていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲点検対象の機体はB787の商用初号機で、このあとリペイントされる予定

実験は伊丹空港に併設されているMRO Japanの格納庫前で行なわれましたが、空港周辺は一定の高さ以上は規制でドローンやラジコン飛行機などは飛行できません。そのため、機体から一定の距離を保ちつつ、規制の高さの範囲内で飛行して撮影をします。このあたりも操縦不要で自動で飛び回るドローンならではの使い方と言えます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲機体の上10メートルくらいをキープして飛行

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲飛行範囲は面積だけでなく高さも設定されている

また取材当日は風が強く、筆者が高所作業車の上から撮影をしたときは足場が風で大きく揺れるほどでしたが、「AS-MC-02P」には特に影響はなく飛行していました。AS-MC-02Pは防滴仕様なので降雨時でも飛行はできますが、デジカメで撮影したデータの品質に問題がでてくるため、現状では晴天時での作業のみを想定しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲風のある状況だったが、安定した飛行をしていた

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲オペレーション用のシステムで、コントローラーを使ったマニュアル操作にも切替可能

飛行実験は10分ほどで終了。撮影したデータはそのまま見るのではなく、サーバーへと送信され1枚の大きな写真へと合成したり、3Dへのモデリングといった編集作業が施されたりします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲PCでのモニタリング

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲撮影したデータはクラウドで編集作業が行なわれる

今回は初めてのドローンを使った機体整備点検作業ということで、ドローンが撮影した写真や動画を目視して異常をチェックすることになります。佐部氏によると、撮影データが蓄積されれば、以前の撮影データとの違いをコンピューターが検証して異常部分を自動で検出するといったシステムも構築できるそうです。

ANAとエアロセンスによる、ドローンを使った機体整備検証の様子です

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ただし今回はあくまでも実験で、すぐにでもこのドローンを使った整備点検作業が正式に採用されるわけではありません。飛行機には機体の種類ごとに厳密な整備点検の方法が決まっています。たとえば今回実験に使ったB787も、メーカーのボーイング社が規定した整備点検方法があり、「ドローンを活用した機体整備点検作業」についてボーイングなど各所で安全性に問題のない整備点検方法であると承認されない限り、正式な整備点検作業として運用できないわけです。

とはいえ、従来の「現場で作業員が目視する」よりも、はるかに安全で正確性も高くなるのは確か。いずれ空港では、飛行機の安全性を高めるために無数のドローンが飛び回るという光景が見られるかもしれません。


 
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関連キーワード: airplane, ana, drone, maintenance, QX30, sony, transportation
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