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NASA、太陽をレンズにする「重力レンズ望遠鏡」コンセプト発表。825億km彼方に配置し系外惑星を詳細観測

望遠鏡で太陽を見てはいけません

Munenori Taniguchi
2017年3月16日, 午後01:30 in Space
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NASA JPLが、太陽をレンズとして利用する宇宙望遠鏡の建造案を発表しました。といっても太陽そのものが望遠鏡のレンズになるわけではなく、その重力が引き起こす重力レンズ効果を利用するコンセプトです。

一般相対性理論によれば、(巨大な天体が引き起こす)強い重力は周囲の時空をゆがめます。このため、その付近を通過してくる光も時空の歪みによって曲げられ、引き伸ばされたり、分身の術のように複数見えたりする重力レンズ現象が発生します。

NASAが示した宇宙望遠鏡のコンセプトでは、この重力レンズがその向う側にある天体の光を引き伸ばす効果を、本当に望遠鏡のレンズとして利用します。

ただ、それには大きな問題があります。地球からもっとも手頃な位置にあって重力レンズを生み出せる天体といえば太陽ですが、正確な観測のためには太陽から550AUの位置に宇宙望遠鏡を配置しなければならないとのこと。

AU(Astronomical Unit)とは日本語で天文単位として太陽~地球間の平均距離であり、1AUがだいたい1億5000万kmぐらい。550AUは約825億kmというとんでもない距離になります。参考までに紹介すると、40年前に地球を飛び立ち太陽系を飛び出していったボイジャー探査機ですら、まだ地球から137AUの位置にいます。


さらに問題は、太陽から550AUの位置に宇宙望遠鏡を配置できたとしても、地球や太陽との位置関係から重力レンズの効果を使って観測できる期間はさらに制限されること。実際に運用を実現するにはかなりの技術的困難が予想されます。

それでもNASAが大真面目にこのようなコンセプトを持ち出すのは、それによって得られる知見が遥かに莫大なものとなるから。たとえば、7個の地球型惑星が見つかったTRAPPIST-1は日本でも大々的に報道され、7つの星の詳細な「イメージCG」が各メディアで紹介されました。しかしこのわずか40光年しか離れていない星々でも、観測された視覚的な映像は数ピクセルの白い点でしかありません。
 
 
重力レンズを使う宇宙望遠鏡なら映像が引き伸ばされるため、約100光年離れた位置の惑星でもおよそ1000 x 1000pxほどの解像度で、その表面も10km区切り程度で画像化できるとのこと。引き伸ばされた光のスペクトルデータからは、その星の大気成分も詳細に分析できるはずです。

もし、TRAPPIST-1の惑星どれかに文明があり、それを重力レンズ望遠鏡で観測できるならば、地球のように夜の側でもきらめく「文明の光」が見えるかもしれません。われわれが宇宙に一人ぼっちでないということがわかるのなら、この壮大な宇宙望遠鏡を作る価値もあると言えそうです。

[Image : Pr3t3nd3r via Getty Images]
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