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Galaxy S8は縦長フル画面+BixbyでiPhone 8の先を行く:山根博士の海外スマホよもやま話

スマートフォンの中心機能は電話+カメラからインテリジェンスなアシスタントへ

山根博士(Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2017年3月31日, 午後02:10 in cellphones
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サムスンが実質的に約1年ぶりとなるフラッグシップモデル「Galaxy S8」「Galaxy S8+」を発表した。どちらも18.5:9という縦長のアスペクト比を持つディスプレイを搭載し、Snapdragon 835など最新のチップセットを搭載したハイエンド製品となる。

しかしサムスンはこのGalaxy S8シリーズをただの新しいスマートフォンとして開発したのではない。「Unbox your phone」。今までのスマートフォンをすべて過去のものにしてしまおうという、サムスンの意欲が現れた製品なのである。

Galaxy S8シリーズのハードウェアの進化を見ると、ディスプレイ以外の部分では大きな進化はないようにもみえる。虹彩認証や顔認識といったセキュリティ部分も強化されたが、それら自身はテクノロジーとして新しいものではない。
またカメラを見ると、各社がダブルカメラによる高性能化を図る中、Galaxy S8シリーズは昨年モデルと同じ1200万画素デュアルピクセルセンサーとなっている。

▲ディスプレイの大型化と本体のスリム化を両立したGalaxy S8とGalaxy S8+

3月29日にニューヨークで行われた発表会でも、縦長になったディスプレイによるコンテンツの視認性向上や、大画面ながらも片手で持てるというハードウェアの進化についての説明に多くの時間が割かれた。
だが後半になって発表された新機能「Bixby」(ビクシビー)こそが、Galaxy S8シリーズの本当の進化のなのだ。

Bixbyは一言でいえばスマートフォンをパーソナルアシスタントにする機能と言える。文字入力や画面タッチと言う従来の方法に加え、音声を使った操作や指示が行えるとのこと。

しかし、音声によるエージェントとしてはアップルのSiriやグーグルのGoogleアシスタントなどがすでに商用化されているため、Bixbyはそれらの後追いのように見える。
しかしBixbyはそれらに比べてインテリジェンスな機能を持たせており、スマートフォンをパーソナライズ化させた、個人個人のアシスタントにするポテンシャルを持っている。


▲新製品の目玉機能ともいえるのはBixbyだ

Galaxy S8シリーズの本体側面にはBixby専用ボタンがあり、これを押すだけでBixbyが起動する。Bixby対応アプリであれば、Bixbyを使ってアプリの操作を音声で行うなど、より簡単に操作することができる。

あるいは「ギャラリーから最新の花の写真を選んで、それを注文してAさんに届ける」といった、複数の操作・アプリをまたがる指示もBixbyで行えるという。またスマートフォンのホーム画面も、Bixbyにより自動的に利用者の使いやすい画面にカスタマイズされていく(Galaxy S8シリーズでは、画面右スワイプで表示される、Bixbyホームがその画面となる)。

Bixbyを日々使えば、アプリケーションの操作も音声、タッチなど利用時の状況に応じて簡単に行えるようになる上に、複雑な操作もワンタッチで行えるようになっていく。スマートフォンは日々機能アップしているが、Bixbyはその進化を受け止めたうえで、直観的でわかりやすく、単純な操作を提供しようとしているのだ。

▲英語版Bixbyの機能の一つ、カメラを通して写したものをオンライン検索しているデモ

とはいえBixbyはまだ英語、スペイン語、韓国語など4か国語にしか対応していない。また発表会では「カメラで撮影した商品をオンラインで検索し、そのままショッピングカートに入れる」という機能のデモが行われたが、商品が見つからなかったり、違う商品が検索されることもあった。
Bixbyはまだまだ発展途上であり、現時点では予定確認や特定のアプリの操作など、実用性はまだ限定的だ。

しかしいずれBixbyが十分な実用性を持つ時代がやってくれば、スマートフォンは今よりも肌身から離せず、常に持ち歩くツールになっているだろう。

また今後、スマートフォンの画面には、SNSのタイムラインやニュースに限らず、天気や予定、自分の身の回りの最新情報など、より多くの情報を表示することが必要とされるようになるはずだ。
そう考えると、Galaxy S8シリーズのディスプレイや本体デザインは、そんな将来のスマートフォン像に必要な形状と機能を持っているのかもしれない。

WQHDディスプレイより長辺側に400ピクセル広い1440 x 2960ピクセルのディスプレイは、映画を見ながら画面の横に情報を流したり、2つのウィンドウを余裕をもって開いて使うことができる。

とくにGalaxy S8+は、6.2インチ画面ながらも横幅73.4ミリと、iPhone 7 Plusよりスリム。「大画面をポケットにいつも入れておける」大きさだ。しかもエッジディスプレイにより、実際に手に持ってみた感覚では、さらにスリムに感じられる。


▲縦長かつホームボタンの無いディスプレイは、これからのスマートフォンに求められる形状かもしれない

Galaxy S8シリーズはサムスン端末の個性でもあったホームボタンが廃止されたが、これはディスプレイ全面をほぼすべて表示画面とするために必須だったからだろう。
そもそもスマートフォンにおいて、フロント側のボタン類(ハードウェアにしろソフトウェアにしろ)は、操作のためには必要かもしれないが、情報を表示するディスプレイとして考えてみると一切不要だ。

他社がこぞって採用を進める「美しい写真を撮影する」ためのデュアルカメラをGalaxy S8シリーズがあえて搭載しなかったのも、スマートフォンの機能をただ向上させようとしたのではなく、スマートフォンそのものの概念を進化させようとしたからと見ることができる。


▲Galaxy新製品は「次世代のスマートフォン」を目指す

もしもサムスンの目指す「Bixby+スマートフォン」の進化がうまくいかなかったとしても、他社のソリューションを搭載し、常に身に持てる大画面端末の需要は広がるに違いない。例えば、アマゾンのAlexaも今後スマートフォンへの搭載が進み、類似の機能を提供していくだろう。

果たしてGalaxy S8とS8+は「スマートフォンの将来を先取りする」ことをどれだけ考えて開発された端末なのだろうか? 海外での発売は4月21日から。
実際に製品を手に取り、その使い勝手をじっくりと試してみたいものだ。

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