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32年前のLDゲーム『タイムギャル』が iPhone / Androidで突如復活。追加要素も絶妙な当たり移植 (試遊レビュー)

新機能ムービーモードで、ルーダ様に笑われずにミスシーンを見放題

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2017年4月5日, 午後03:40 in Gaming
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大手ゲームメーカーのタイトーが、iPhone(iOS)とAndroid向けにゲーム『タイムギャル』を配信しました。『タイムギャル』は今から32年前の1985年にゲームセンターでデビューしたLD(レーザーディスク)ゲームの復刻版。昨今の表現では『全編QTEで展開されるムービーゲーム』になります。

価格は840円。ゲーム本編はすべてがこの価格で遊べますが、追加で有料オプションがあります。これらは、設定資料集を見られる『ギャラリー』(480円)と、次に入力すべき操作が事前に表示されるお助け機能『ナビゲーション』(120円)の2種類。

筆者は早速Android版を購入して遊んでみましたが、移植度はかなりの高さ。追加モードなどもファンのツボを付いた作りで、オールドゲーム移植としてかなりレベルが高い印象。「おお!! 今回(の移植)は当たりだ!!」と喝采したくなりました。

Gallery: Android版『タイムギャル』 画面 | 21 Photos



解像度補間は最小限ながら無理のない印象
一方でアプリ容量は1GB超え


▲主人公のレイカさん。画面縦横比4:3時代の作品なので、余った左右には背景絵が入ります。LG G6やGalaxy S8で見てみたいところ


タイムギャルは「全編アニメーションで展開されるSF冒険活劇」(公式紹介より)。ウェアラブル......というより衣装型のタイムマシン「タイムスーツ」を身につけた主人公の『レイカ』が、タイムマシンを盗み出した大悪党ルーダ(ラスボス)を追い、さまざまな時代を巡って追い詰めていくという筋書きです。

ただしゲーム中では、ルーダ様の手が回ったのか、各時代のならではの敵(古代では恐竜や怪獣、紀元前ではコロッセウムの闘士、数々の動物や、近現代では戦車、ヘリコプター、未来では大型ロボットなど)がレイカを倒そうと迫ってくるので、レイカはひたすら逃げる......という展開がほとんどになります。


▲操作すべき方向はこのように背景が光り、画面中央付近に方向も指示されます。ただし後者は難度を上げると非表示に


またゲームシステムは、自動再生されるアニメーションの特定シーンで表示されるイベント(背景画像などが光ります)に際し、画面上の仮想コントローラーに表示されるレバーやボタンの入力で、レイカを操作して進んでいくというもの。

昨今のアクションゲームで採用されている、いわゆる「QTE」(クイックタイムイベント)を先取りした......というより、QTEの先祖的なゲームシステムです。ということで、昨今のタイトルも遊んでいるプレーヤーには、冒頭で紹介したように「全編QTEで進むムービーゲーム」と言った方が通用するかもしれません。

こう聞くとQTEが好みでない方からは「それって面白いの?」という意見が聞こえてきそうですが、アクションゲームで唐突に操作を変更させられるQTEとは違い、常にこの操作でゲームが進行するため、やらされてる感はかなり薄くなります。

なお、冒頭で紹介したLD(レーザーディスク)とは、アナログビデオ信号を直径30cmの大型ディスクに記録した、Blu-ray DiscやDVDの先祖的なメディア。動画のランダム的なアクセスが可能なため、ゲーム中の条件分岐により特定の動画を再生でき、結果動画を使ったQTE的なゲームが可能になった......というわけです。



また、必要な入力が失敗すると当然ミスになるのですが、本作はこのミスシーンも見所。多くの場面ではデフォルメされたレイカが数々の失敗をするギャグ調の演出が加わります。

これらはレイカのCVである声優・俳優の山本百合子さんによるアドリブ台詞の数々と合わせて、当時のプレーヤーに強烈な印象を残したため、上級者になると特定の場面でわざとミスをするプレイも多発したといういわれがあります。

ここでポイントとなるのが、追加購入機能となるナビゲーション。次の入力シーンで必要な動作が画面右上の『NAVIGATION』に表示されるため、表示された方向やボタンを連打しているだけで、ぐっと手軽にクリアできるというわけです。

なお、本作はアーケード版の時点から「画面に表示が出る前にボタンなどを入力してもミスにならない」「一部では指示と違った入力でも正解となる」などの親切設計がありましたが、このあたりも原作譲り。

「入力タイミングは忘れたけれど、方向やボタンの順番はメモしている」という当時の手練れであれば、アーケード版同様に問題なくクリアできます。


▲解像度の具合がわかりやすそうな場面のスクリーンショット。仮想コントローラーや背景ロゴが実解像度ベースの表示なので(前者は多少荒いですが)、気になる方はスライドショーで比較してみてください


さて、原作のファンであればまず気になるのは、メインとなるアニメーションの高解像度化具合です。というのも原作は32年も前の作品なので、縦横比は4:3映像ですし、解像度は当時のテレビレベル。現在の高解像度スマホにそのままの映像を出してしまうと、粗が隠せないところが出てきます。

これに関しては、筆者が見る限り「最小限の補間は行ないつつも、当時のボケはあえて残し、必要以上にくっきりとはさせていない」印象。

試遊とスクリーンショットはWQHD(2560✕1440)解像度のサムスンGalaxy S6で行なっていますが、無理な補間はせず、しかし高解像度機種で見ていても露骨なピクセルの荒れは出さない、という印象のチューニングに見えます。

なお、画面モードは横長方向固定で、表示は天地方向を画面に合わせた(左右の余白に背景表示)タイプとなります。



一方で解像度補間などのためか、アプリ容量は1.07GB(Google Play上での表示)とヘビー級。iOSは圧縮プログラムの差か1.72GB(App Store表示)とさらに容量が大きくなっており、注意が必要です。

Android版はいくつかの機種でプレイしてみましたが、CPUやGPU(SoC)の速度はあまり要求しないものの、ストレージは16GBクラスだとキツいかもしれません。
さらに条件の厳しい16GB版iPhoneユーザーであればなおさらでしょう。

追加要素は「わかってる」感満載
「イマドキの移植」としても高く評価できる




追加要素として最大の特徴は、一度クリアしたラウンド(時代)のアニメを選択して再生できる「シアターモード」と、時代を指定してプレイできる「トレーニングモード」。



なかでもシアターモードは、ともすれば本編よりも見所なミスシーンも、ゲーム中で見たシーンすべてが見られる作り(ただし、ゲーム中でミスしなければこちらでも見られませんので、がんばってミスしましょう)。さらにオチ(?)としてルーダ様の笑い声シーンも、独立して収録。つまり他のミスシーンを見ても、ルーダ様に笑われることはない設計です。

ミスシーン選択の縮小画面表示を見ていると「あ、これは素晴らしいものでは......」と思う当時のプレーヤーは少なくないはずです(筆者含む)。Google Playの解説文には「80年代アニメの雰囲気を色濃く宿すシーンの数々をお楽しみください」という洒落た一文も添えていますが、まさにミスシーンの数々などはそうした雰囲気です。



また、トレーニングモードもありがたいところ。本作のゲームシステムは上述したようにQTE的操作が続いて進行しますが、それゆえ最大の攻略は「あらかじめ操作を覚えておく」こと。つまり反復練習が非常に効果的なのです。

一部の時代では完全に覚えられる事態を防ぐため、一部の操作方向が逆になったシーンなどもありますが、そうした面ではとくにここでの練習が効いてきます。



さらに設定メニューの項目も、チャレンジ回数の増加・減少や難度レベル(数字が大きくなるほど難度が高くなり、入力待ち受け時間が減少。高レベルでは矢印表示もなくなります)、ゲーム中のタイムストップシーンで表示されるメッセージの日本語カタカナ、英語、かな漢字表示の切り替えなど、比較的充実。



とくにメッセージをかな漢字表示にできるのは、細かな点まで気にしている移植だと感じさせたポイントです(アーケード版は下側画面のようなカタカナ表記でした)。



さらにゲーム中は常時、左上の「PRIORITY」ボタンで、仮想コントローラー表示とアニメーションのプライオリティ(優先度)を常時切り替えられる設計(上側のコントローラー前面がデフォルト)。
「アニメーションの上に方向キーがあったら没入感が足りん!!」というプレーヤーにも配慮した機能となっており、このあたりも筆者は非常に好感が持てました。

こうした昨今のクラシックゲーム移植作にふさわしい機能強化がある一方で、ハイスコア時の名前登録はアーケード版と同じ「アルファベット3文字を、仮想コントローラーを使って入力する」という当時の仕様。このあたりのメリハリの付け方も「ああ、このスタッフは信頼できそうだ」感を強めてくれます。



▲ギャラリーモードは初期メニュー画面から。様々な設定資料を見られるモードです(2つ目の画面はGoogle Playの公式画面より)

また、原作にはないシーンでの曲もポイント。設定メニューやシアターモードなどでは、タイトーサウンドチーム『ZUNTATA』の小塩広和氏による原作タイトルのアレンジ曲『Time Gal -Future Queen MIX-』が、タイトルでは詳細不明ながら、別バージョンのアレンジ曲が流れます(後者はともすれば、今回作られた新版のようにも思えます)。

新復刻シリーズの先発でもある本作
今後のシリーズにも期待できそう




このように今回の『タイムギャル』は原作の良さを活かしながらも、それに頼りきりではなく、昨今のクラシックゲーム移植で見られる「ファンの要望を叶える」的モードをしっかりと搭載した、レベルの高いものとなっています。

正直なところ、タイトーのアーケード版からの移植作品は(大手メーカーの作品としてはご多分に漏れずですが)当たりと外れの差がかなり激しいのですが、今回は遊んでいて納得感が強いもの。かなりの原作好き、またはクラシックゲーム好きなスタッフが入っていることはほぼ間違いないのでは、と感じました。



そしてこの嬉しさは、本作だけにとどまらない可能性もあります。というのも本作は、4月1日に『TAITO CLASSICS』(タイトークラシックス)としてリリースが予告されていた新しいスマートフォン向け移植作品シリーズの第一弾でもあるためです。

同シリーズは、スマートフォン向けでは初移植となるアクションアドベンチャーゲーム『たけしの挑戦状』やシューティングゲーム『レイクライシス』をはじめ、現在提供中のiOS版に続いての2度目のスマートフォン移植となる『レイフォース』『レイストーム』などの後続が続きます。

すでにレイフォースやレイストームでは新楽曲の追加などや、iOS版では未対応だったゲームコントローラーへの対応(これは個人的には凄く嬉しいところ)が、たけしの挑戦状では追加コンテンツ(新ステージ?)などが強化点としてアナウンスされています。
今回のタイムギャルの移植具合を見ていると、これら続くタイトルにもかなり期待できそうなところ。筆者個人としても楽しみに待ちたいところです(しかしクレイジービットは滅ぼさなければなりませんが)。

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