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セルフィーカメラだけでも売れる、特定機能で売り込むMeituの挑戦:山根博士の海外スマホよもやま話

スマホは「何でもできる」から「これができる」に

山根博士(Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2017年4月7日, 午後08:00 in China
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今やスマートフォンは何でもできて当たり前。プラスアルファの機能や特徴が無ければ後発メーカーが生き残るのは難しい。
しかしターゲットユーザーを絞り、しかも特定の機能だけを大きくアピールして存在感を高めつつあるメーカーがある。それが中国のMeitu(メイトゥ、美図)だ。

Meituのスマートフォンは女性特化。しかしそれだけでも地元での存在感を高めている。ではどうやって特定機能だけで生き残りをかけているのだろうか。

女性向けを謳うスマートフォンは日本などでもいくつかの製品が登場したことがあった。しかし女性がこぞってそれを購入する、というほどの人気にはならなかった。

中国でも女性に特化したスマートフォンメーカーが数社あったが、実質的に撤退したメーカーもある。人口13億の中国であれば女性だけのスマートフォンを作ってもかなりの数が売れそうだが、中途半端な出来ではわざわざ非メジャーメーカーの製品を買う女性客はいないというわけだ。




▲女性をターゲットにしたスマートフォンを手掛けるMeitu


Meituは写真に美顔加工を行うアプリ「BeautyPlus」で有名なのだが、それを標準搭載したスマートフォン「Meitu M」「Meitu V」「Meitu T」シリーズを次々と出し、中国を中心に着々と利用者を広めている。

Meituのスマートフォンは基本機能が充実しているのは当然だが、セルフィー機能を中心に「女性のため」の製品に仕上げている。最新モデル「T8」の発表会の様子から、どのように製品をアピールしているかを見てみよう。

各メーカーのスマートフォンの最新モデルの発表では、スペックやデザインから説明が行われることが多い。T8の発表会でも導入はデザインから入ったが、金属ボディーの4色展開になったことを、自分のファッションに合わせて端末の色を選べると説明。

T8のカラーはビビッドなオレンジや落ち着いたブルー系など、他のメーカーの製品にはない色合いが目立つ。無難な白や黒を採用していないのは、これらの色が今の流行でもあるからだという。

▲カラー展開はファッションから考案されたもの。黒&ピンクの限定色も

そもそも発表会でT8の説明を行った登壇者は、すべて女性、しかもデザイナーやSNSのインフルエンサーなどでである。さらにそれぞれが、実際にT8を使った実例を紹介した。

前述のカラバリ展開であれば、デザイナーが自分のファッションに合わせて、それぞれの色のT8を持ったポートレート写真を提示するといった具合だ。
このように見せられると、T8はスマートフォンではなく、日常的に日々持ち歩くアクセサリーのように見えてくる。機能を抜きにしてもT8を持ってみたい、そう思わせる見せ方をしているのだ。

▲服装に合わせたT8の選び方を提唱

こうしてT8の外観を説明したあとは、ファッションショーに見立てたセルフィーショーがはじまる。モデルたちが壇上に上がり、T8を取り出して自分の顔を写す。セルフィーはもはや生活の一部であり、T8を持ってセルフィーすることは美しい、そんなイメージでショーが進んでいく。

T8のフロントカメラは2400万画素相当(1200万画素のデュアルピクセル)と前モデルより性能が上がったが、その画質の説明の前にセルフィーそのものをアピールしたのである。

▲モデルたちが次々とセルフィーするショー。女性の来客たちの目は釘づけだ

そしていよいよT8の最大の特徴であるフロントカメラの紹介だ。それはまるでリアカメラはおまけ、もしくは無いかのごとく、フロントカメラの説明から自然に入っていく。
この大胆な説明はMeituだからこそできるのだろう。しかも性能の上がったフロントカメラはセルフィーを美しく取るため、と説明される。

▲カメラの説明はフロント側から。すべてはセルフィーのため

夜間のセルフィーの作例では、来場していた女性客の多くから賛同の声が聞かれたように、女性たちにとってこれが最も欲しいと思う機能なのだろう。暗い場所でもピントがすぐ合う、これを実際にT8を使った女性が紹介する。これほど説得力のある説明はない。

▲画質が綺麗なことはもちろん、夜間でもピンボケせずにセルフィーできる

他にもより強力になったフロントLEDライトなど、セルフィー関連の説明が続く。そしてこの後は美顔効果の説明と移る。

ここで一般的なメーカーであればリアカメラの画質についても触れるだろうが、T8の発表会ではそれは一切行われなかった。T8のリアカメラは2100万画素とこちらも高性能なのだが、あえて説明する必要は無いのだろう。なぜならT8のフロントカメラ性能は女性ユーザーにとって他社より圧倒的に強力であり、これがT8のセールスポイントだからだ。

▲フロントのLEDライトも強力になった。ここでもリアカメラの説明は一切ない

美顔効果、いわゆるビューティーモードは年齢や性別、光源などを判断するAI機能によりさらに進歩。顔の形を変形させるのではなく、化粧をしていないのに化粧をしたような美しい肌の色に加工してくれる。

唇や歯の色までもより鮮やかにするあたりは、男性には必要ないだろうが、女性には必須と言えるだろう。

▲AIでより高性能になったビューティーモード

さらにはストリーミング配信など、動画撮影中も美顔効果がかけられるようになった。
とにかく「フロントカメラを使って自分を撮影するのが楽しくなる」。T8の発表会でMeituが強くアピールしたのは、その1点だったのだ。

逆に言えばセルフィーに興味のないユーザーは、Meituのターゲットではない。Meituのスマートフォンは誰にでも使ってもらおうとして開発しているのではなく、セルフィーを楽しみたい女性に特化しているのである。

▲美顔でストリーミング配信もできる

とはいえMeituとしても、ユーザー層をより広げたいとも考えているようだ。MeituのWu Xinhong(ウ・シンホン)CEOは発表会で「自分はオレンジカラーが気に入って使っている」と、男性にもこの色が似合うことをさりげなくアピール。

またリアカメラを使い、暗闇で人物を強調したショートムービーも見せた。フロントカメラ性能が高いのだから、リアカメラを使っても人物が美しく写せるのは当然だろう。しかしこれらが説明されたのは発表会の最後。このころには「T8のフロントカメラは世界一」と来場者の全てが感じていたはずだ。

▲CEOの登場スタイルもどことなくモデル風

Meituのスマートフォンは2016年11月11日、中国の「独身の日」にiPhoneを上回るセールスを記録。T8は発売後の3月に中国のスマートフォン売り上げの10位内に入っている。同社は香港や台湾など中国語圏へも展開を行い、年内にはグローバル市場へ進出する予定だ。

すでにハイエンドスマートフォン市場はiPhoneやGalaxy Sシリーズが圧倒的に強く、一方で低価格品は多数のメーカーが乱立している。しかしMeituのような特定ユーザーが欲しがる特定機能に特化した製品であれば、たとえ後発であっても一定のユーザーから支持を受け、市場で成功する可能性は高い。
日本を含む先進国への展開も気になるところだ。


関連記事:
いま一番モテる海外スマホ「Meitu T8」実機レビュー (追記:完全日本語化できました)
関連キーワード: china, Meitu, meitut8, smartphone
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