Sponsored Contents

AVの最新記事

Image credit:

ハイレゾ級うたう骨伝導イヤホン「EarsOpen」の実力と開発背景に迫る

クラウドファウンディングサイトでの最高記録を塗り替えた骨伝導イヤホン

Hirotaka Totsu
2017年4月10日, 午後04:00 in AV
723 シェア
354
170
0
199

連載

注目記事

iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

View

人気記事

任天堂スイッチに隠しファミコン エミュ、故 岩田聡氏の命日に「直接!」で『ゴルフ』が起動

任天堂スイッチに隠しファミコン エミュ、故 岩田聡氏の命日に「直接!」で『ゴルフ』が起動

View
ポケモンGOで秋分イベント。スーパーふかそうち追加、すな2倍と2kmタマゴ確変など。9月23日から

ポケモンGOで秋分イベント。スーパーふかそうち追加、すな2倍と2kmタマゴ確変など。9月23日から

View
PS4 Proにモンハン:ワールド同梱限定版『リオレウス エディション』、12月7日発売
6

PS4 Proにモンハン:ワールド同梱限定版『リオレウス エディション』、12月7日発売

View


「BoCo株式会社」の骨伝導イヤホン「EarsOpen」は、クラウドファウンディングサイト「GREEN FUNDING」において歴代No.1の資金調達を達成したプロジェクトです。今回は、その理由と開発背景を取材するとともに、ハイレゾ級をうたうクオリティをチェックしました。



クラウドファンディングサービス「GREEN FUNDING」におけるEarsOpenの記事執筆時点での支援総額は目標額の4794%となる47,947,477円にのぼります。同サービスでこれまでに最も成功したプロジェクトは、防水/盗難防止機能搭載バッグ「Code 10」による支援総額25,955,813円、目標達成率2595%ということですので、EarsOpenは金額も達成率も大幅に記録更新する結果となりました。

GREEN FUNDINGでは、上記のCode 10のほか、「BONX」や「Portal」「LEVISOUND」など、音楽などのエンターテイメント系、ガジェット系アイテムなどが成功事例に並びます。今回のEarsOpenも、スタート時から成功を期待されていたということです。



そんなEarsOpenは、音楽用ラインナップとしてストレートな有線タイプと、ネックバンド型の無線(Bluetooth)タイプの2機種。聴覚補助用として無線タイプの1機種をラインナップしています。
ユニークなのは、聴覚補助用モデルがラインナップされていることです。



今回は、BoCo株式会社取締役でCOOの磯部純一氏に製品詳細と開発背景をお聞きしました。

骨伝導イヤホンというと、振動子を駆動させるための電力(アンプパワー)が必要になるというのが常識的。それゆえに、これまでに発売されてた骨伝導イヤホン、ヘッドホンでは電源を内蔵するものがほとんどでした。

それに対してEarsOpenの骨伝導のドライバは、直径10mmという小型で省エネルギー設計となっており、有線接続でのパッシブ駆動を実現しました。

試聴用の試作ユニットを試してみる


今回試聴用として用意されたのは、Bluetoothユニットとイヤホンユニット、イヤホンユニット単体(片耳)でした。

製品版ではなく、今後製品化までに数段改良される予定ということを踏まえてのレビューとなりましたが、Bluetoothユニットを介しての試聴は概ね快適でした。音楽を楽しめるように、アンプのイコライジングを調整しているということで、骨伝導イヤホンとは思えないほどの音質です。

従来の骨伝導イヤホン、ヘッドホンの多くは、低音域が不足しており広音域においても変にシャカシャカするという感じで、音が鳴っているという理解はあれど音楽を楽しむというところまでは至らないものがほとんどでした。そういった面でEarsOpenは十分に音楽を楽しめる仕上がりになっていると言えます。

さらに聴覚補助用モデルでは、収音マイクで拾った音を、声に特化した会話帯域を膨らませて、聞こえやすくします。音楽(Bluetooth経由)は音楽用にチューニング(通話時も同じ設定)ということで、会話と音楽視聴それぞれ適したセッティングで聞こえを実現するとしています。



有線接続モデルは、Bluetoothモデルと比較してアンプがないため、ユニットを駆動できるパワーのあるプレーヤーを使うか、間に骨伝導向けのヘッドホンアンプを挟む必要があります。iPhone 6sのヘッドホンジャックからの試聴においては、有線接続において十分な音量が確保されていました。

Androidなど他のスマートフォンの一部機種ではヘッドホン端子のパワー不足によって十分な音量が得られないということで、専用のスマートフォンアプリを用意し、それによって補完、補正することで、必要なパワーを得ることができるとしています。



なお、ハイレゾ級ということでハイレゾ音源をインストールしたハイレゾプレイヤーも用意したのですが、ボリュームを上げると音が歪む(それでも普通より少し小さめの音量)、ボリュームを適正にするとほとんど聞こえないという状態でした。出力音圧レベルが公表されていないので確かなことは言えませんが、イヤホンのインピーダンスが8 Ωということですので、こちらもパワー不足であろうと思われます。

一方で、ドライバーを段ボールの箱などに接して鳴らすと、段ボールが共鳴装置の役を果たしてスピーカーのように使えます。この機能に着目して、製品版ではパッケージをスピーカーのように使えるように工夫したいとしています。

肝心のハイレゾ級という表現に関して詳しく聞きました


BoCo社では、ハイレゾ級の根拠として、4Hz~40KHzまで再生できるドライバ(ダイナミック型振動子)性能を挙げています。しかし、日本オーディオ協会におけるハイレゾ認定の基準には、骨伝導タイプの規定がないので、ハイレゾ認定は受けられなかったとのこと。

ただ、数値的にはハイレゾ認定機器相当のスペックを満たしているということと、骨伝導イヤホン/ヘッドホンにおける「かつてない高音質」を達成したことを表すためにあえて「ハイレゾ級」という表現を使うことにしたといういうことです。

なお、「ハイレゾ級」というワードがマーケティングワードとして興味関心を集めることになったのでは?という質問に対しては、その面は否定しないものの数値的にも官能評価としても十分な性能が発揮されている。また、多くの人に関心を持ってもらった事で、当初は予期しなかった効果も得られたと説明します。

難聴者からの問い合わせが増大


資金調達はある程度行っていたので、資金調達手段としてのクラウドファウンディングには意義をあまり感じなかったが、多くの人に「聞こえ」を届けたい、「音楽」を届けたいという企業理念でやってきたので、聴覚障害を持った方から視聴の申し出をいただいことや、寄せられたコメントに勇気付けられたことなど、資金調達以上に意義があったとしています。

開発にあたって、特に難聴者向けの機能に関しては、初期段階においては聾学校に訪問して実際の難聴者の方に聞いてもらうというテストを繰り返して感想を製品にフィードバックしていたのだそうですが、クラウドファウンディングで資金調達を募集し、メディアにも取り上げられたことで、認知、広報としての効果が大きかったとその効果についてコメントがありました。

EarsOpenは、骨伝導イヤホンとして開発しており、補聴器のような医療機器ではないので、明確な効果はうたえないということですが、聾学校でのテストでは補聴器でも聞こえが回復しない人でも聞こえたケースや、伝音性難聴だけでなく、感音性難聴の方でも聞こえが回復したというケースもあったということです。また、EarsOpenは耳たぶに引っ掛けるように装着しますが、装着場所によって聞こえが異なります。難聴者向けにはより聞こえやすい装着場所にデバイスが当てられるような形状なども考えて行きたいと、将来の製品開発の意向も示されました。

実際のEarsOpenの試聴に際して、様々な場所での骨伝導を試しましたが、頬骨の顎の付け根に近い場所だったり、こめかみに近い場所などでは健常者でも聞こえ方がより明瞭になるなど変化がありました。聴覚障害の方によっても機能する部位と障害がある部位がそれぞれ異なるということですので、個人に最適化されたモデルが期待されます。

聴覚障害を持った人は、それが片耳のみの障害であっても会話が聞き取れないことや危険察知が低下することで外出を控えたり、人に会いたくないという思考になってしまうそうですが、それが聞こえるようになることが大きな意味を持つのだそうです。さらに、会話だけでなく音楽も聞こえることが重要で、聴覚障害であることを忘れる体験を提供したいと意気込みを見せてくれました。


健常者向けとしても適している理由


当然のことながらBoCoは一般的なリスニング用途にもEarsOpenを推奨しています。とくに健常者向けには、新しい視聴環境、耳を塞がない音楽体験を提供したいとしており、例えば耳を塞がないことで安全性や外音への注意を高められることが期待できるとしています。

歩きスマホは危険とされていますが、耳を塞いで音楽を聴きながら画面見て歩くよりは、耳を塞がないことでの安全性は向上するのではないか、また通勤通学途中などでのながら視聴(動画や音楽を聴きながらアナウンスも聞こえる)にも適しているのではとの提案がありました。

さらに、骨伝導でのリスニングにより、鼓膜を休ませる効果も見込めます。長時間のリスニングは、聴き疲れや若年性難聴にもつながる危険をはらんでいます。セーフリスニング(若年性難聴へのケア)の観点からも、耳を塞がないリスニングスタイルを広めて行きたいとしています。

BoCoは、今までの骨伝導イヤホン/ヘッドホンのように音漏れが激しく、音質が悪いままでいいのか?と考え、新しいリスニングスタイルを提案するのなかで音漏れが少なく、高音質であることを目指したとのことです。実際、骨伝導イヤホンの多くはシャカシャカ音的な音漏れがしますが、EarsOpenではかなり抑えられているように感じました。

現時点でデバイスでの音漏れ対策はほぼ達成していて、今後はハウジングの材質や設計を作り込むことで、音漏れを抑えたいということです。



EarsOpenの今後については、まずは5月中旬〜下旬の発売に向けて製品の完成度を上げて行きたいとしています。

その上で、クラウドファウンディングでは応募していないが、コールセンター用のヘッドセット、トランシーバー用のインカムなどもBtoB製品として開発中ということです。いずれも長時間レシーバーを装着したり、騒がしい場所で通話をすることが求められる職場、環境なので、骨伝導ヘッドセットの機能が活きるのではないかとしています。

また、もともとデバイスを開発、量産しているメーカーでもあるので、EarsOpenに限らずメイドインジャパンで世界を驚かせる製品を作って行きたい。ありもののパーツを買ってきてアセンブルしているだけのメーカーではない強みを生かして、例えばコアデバイスの提供を行うなど、他社との協業も行って行きたいので、ぜひ応援してほしいと締めくくりました。

723 シェア
354
170
0
199

Sponsored Contents