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FeliCaよりお手軽? QRコード決済の実態を中国・深センに学ぶ:モバイル決済最前線

"スマートフォンで決済"が日常に

鈴木淳也(Junya Suzuki) , @@j17sf
2017年5月1日, 午後05:00 in payment
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日本のおサイフケータイがそうだったように、インフラが整備されて一般に浸透するまでに5年、10年単位の期間を必要とするのはそれほど珍しい話ではない。だがここ中国では、過去のそうした苦労を横目にQRコードを使った新しい決済インフラが急速に浸透しつつある。



筆者は毎年3-4月の春のシーズンに香港と深センの2都市を訪問して定点観測を行っているが、2017年4月の訪問では昨年2016年まで深センではごくわずかしか見られなかったQRコード決済がそこかしこに展開され、老若男女問わずスマートフォン片手に買い物をする姿がごく普通の日常となっていた。今回はこの深センでのQRコード決済の最新事情を届けする。

"スマートフォンで決済"が日常となった世界

中国では上海を中心に、北京など大都市では2年ほど前からQRコード使った決済、特に「支付宝(Alipay)」「微信支付(WeChat Pay)」の利用が急速に進んでいる。前者はAlibabaのオンライン決済、後者はチャットアプリ「WeChat」での個人間送金を中心に発展した仕組みだが、QRコードを使った店舗決済機能が展開され始めると、大小さまざまな小売店での利用が広まった。

特にこの2つのサービスは中国でも利用者が多いため、利用のハードルが低かったと考えられる。中国ではオンライン通販の利用が急速に進んでいることを受け、既存の百貨店や小売店舗の閉店が相次いでいるといわれるが、スマートフォンの普及と通信インフラ整備が大きく進んだことと合わせ、QRコード決済が普及する土壌が揃っていたといえるのかもしれない。

AlipayとWeChat PayのようなQRコード決済では2つの支払いパターンがある。店舗がスマートフォンで表示したQRコードを買い物客がスマートフォン上のアプリを使ってカメラで読み取ることで支払いを行う方法と、その逆で買い物客がスマートフォン上に表示したQRコードを店舗がスマートフォンまたは専用装置で読み取って支払いを行う方法の2種類だ。

前者の場合、QRコードを表示する際に金額を入力しておくことで、その金額がQRコードを読み取った相手のアカウントへと転送される。つまり、買い物客と店舗の2つのアカウントの間の送金で支払いが行われるわけだ。ここで表示されたQRコードは一定時間のみ有効で、これでセキュリティを確保している。


QRコード決済では2つの利用パターンがあり、こちらは店員がスマートフォンに表示したQRコードを読み取って支払いを行うもの

また店舗が印刷したQRコードのみを表示しておき、利用者側が金額を入力して支払いを行うパターンもある。この決済完了画面を店員に見せることで支払いが完了したことを伝えて商品を受け取る。

深センの街中では、早朝に朝ご飯を購入すべく食堂や露店に多くの人々が行列を作っているが、それら多くがスマートフォンを手にアプリを操作して支払い準備を行っている姿を見かける。決済準備を進めておけば、あとは自分の番がきたときにスムーズに商品を受け取れるからだ。

またこの方式のメリットとして、店員が現金に触れたり、一切スマートフォンを操作する必要がなく、画面を確認するだけで支払いが完了する点が挙げられる。商品は作り置きのものだけでなく、客によって麺やご飯の上に好みのトッピングを行うようなものもある。その場合、店員はずっとキッチンで料理を行っているわけで、店舗のオペレーションから考えてもメリットが大きいというわけだ。


スマートフォンの代わりに印刷済みのQRコードを掲出している露天もある

一方で、KFCやセブンイレブンのような比較的大きなチェーン店では、QRコードを読み取るための赤外線リーダー装置をPOSに併設してあることが多い。小さな店舗でも読み取り装置を設置しているケースがあるが、どちらかといえば少数派だ。


こちらは客がスマートフォンで表示したQRコードを読み取る装置を設置している店舗。据え付け式のWeChat Payの看板を掲げている店舗もあったりする

小規模な個人商店ではQRコード決済のみということが多いが、チェーン店ではそれに加えて銀聯カードやその非接触決済サービスのQuickPassといった他の支払い方式もサポートしており、なるべく多くの顧客を取り込もうとしている様子がうかがえる。

セブンイレブンではさらに「深セン通」と呼ばれる地元で利用可能な交通系ICカードを、物販にも利用できるようになっていたりする。多くの短期訪問者にとって小銭や現金を取り扱うのは面倒なため、深センでは交通系ICカードに最初に多額の現金チャージを行ってしまい、飲料やスナックなど現地の買い物は深セン通で済ませてしまうのも手だろう。


セブンイレブンで入り口に掲出されている支払方式の数々。「深セン通」と呼ばれる交通系ICカードでも支払いが行える

こうしたQRコード決済は自販機のほか、スターバックスなどの外資系事業者、さらには日本食レストランなど、2017年の深センでは「ほとんど」といっていいほどの場所で利用可能になっている。銀聯カードが非接触ICカードやスマートフォンでの利用をにらんでQuickPassのインフラを広域展開させるべく苦労していたのを横目に、QRコード決済はそれを上回る勢いで中国で普及が進んでいる。

中国参入にあたって銀聯カードと提携して「Apple Pay」を投入したAppleにとっても、こうした盛り上がりは誤算だったのではないだろうか。


深セン地下鉄の駅に設置されている自販機。QRコード決済と深セン通の両方が使えるように見えるが、実際にやってみると後者では決済できなかった


スターバックスコーヒーでも非接触ICやクレジットカードの決済以外に、QRコード決済も可能になっている


焼き肉屋では店の入り口や支払い端末で銀聯カード(UnionPay)以外にAlipayとWeChat Payの対応をアピール

現金主義の電脳街ビルでもQRコード決済

4年前に初めて深センの電脳街を訪れた際、そこで見たのは買い物客で熱気溢れる非常に多くの店舗と飛び交う膨大な現金だった。

深センの電脳街の店舗は一般にいう"(固定の)店舗"以外に、半年などの短い期間だけ存在する出張店舗のような店を構える問屋も少なくない。つまり毎年訪問するごとに違う店舗に変わっていたりするのだが、ここには世界中からアクセサリやデバイスなどの製品を仕入れるべくバイヤーがやってくる。ケースバイケースだが店頭で大量の仕入れを行うこともあるため、カードが使えないこの場所では、多額の現金が動くことになる。

深センの電脳街の店舗を始めて訪問した当時、多くの店のカウンターには偽札かどうかを判定しつつ金額を数える装置があったことを覚えている。これは昨年2016年まで見られたのだが、今年2017年の訪問では様変わりしていた。


深センの電脳街ビルの店舗群

いまだ現金も利用可能なものの、どの店もカウンターにQRコードを掲示しており、スマートフォンでの決済が可能になっていた。店舗によっては出していないこともあるが、おそらく一部ではQRコードを印刷した紙を内側に隠しており、客が求めれば利用できるようになっていると考えられる。

話によれば、特にここ最近はAlipayがシェアを獲得すべく積極的なマーケティングを展開しており、電脳街ビルの多くでは入り口付近にAlipayのシールが貼ってあり、その存在をアピールしている。

店舗側に対して手数料割引やキャッシュバックなどの何らかの優遇措置を行っている可能性もあるとみており、これが電脳街をQRコード決済で一気に染めたのだと考えると合点がいく。

WeChat Payというライバルの存在がAlipayの構成に拍車をかけていることも想像に難くなく、競争がいい形で作用しているのが現在の中国なのだろう。


電脳街の小さな店舗でさえQRコード決済があちこちに溢れている


ビルの入り口には床に大きく「Alipay使えます」のシールが。踏まれても気にしない

決済以外にもQRコードの波

日本発のQRコードはロイヤリティフリーが理由で世界で広く利用されるようになり、サービスはすでに終了してしまったものの米国ではMCXの「CurrentC」という決済方式で採用されたり、あるいはMasterPassでの決済手段の1つとして利用されているなど、中国以外の決済方面でもさまざまな場面で活用が進んでいる。

日本ではすでに「やや古い方式」のようにも思われ利用が停滞しているQRコードだが、中国では決済の話を抜きにしてもQRコードが街中に溢れており、そこかしこで見かけることができる。

深センでいえば、地下鉄の駅や連絡通路の壁、店舗の入り口など、AlipayやWeChat PayにかかわらずQRコードを含んだ広告や案内板が掲出されている。これを読み取ると、特定のサービスや店舗のサイトへとアクセスできたり、あるいはアプリ導入のためのリンクになっていたりするわけだ。

これも昨年2016年までは見られなかった現象で、QRコード決済の大爆発と同時に一気に盛り上がっている。もし中国に訪問する機会があれば、ぜひチェックしてみてほしい。


決済に関係なく、街の通路の広告や店舗の柱などにはQRコードが掲出され、ユーザーに店舗サイトまたはアプリへのアクセスを促している


例えば店の入り口の寿司の写真が気になったら、手持ちのスマートフォンですぐにQRコードのリンク先にアクセスしてみるといいだろう

関連キーワード: alipay, payment, payments, qr, QrCode, wechatpay
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