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速報:電王戦第2局もPonanzaが勝利。序盤は佐藤叡王が優勢で進んだものの、受けきれず惨敗

コンピューターはもうプロ棋士レベルを優に超えてしまったってこと

いーじま (Norihisa Iijima)
2017年5月20日, 午後08:50 in game
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姫路城のチの櫓で行なわれていた、第2期電王戦第2局、佐藤天彦叡王対Ponanzaの対局は、94手まででPonanzaが勝ち、2戦全勝という結果で幕を閉じました。結局、Ponanzaはプロ棋士に対して負けず知らず。コンピューターが人間をすでに超えているという結果をもって電王戦が締めくくられました。

負けた佐藤叡王は「結果は連敗に成ってしまいました。Ponanzaに対して、本来持っている価値観や感覚をぶつけて負けてしまいました。序盤はよかったのですが、徐々に形勢が悪くなってしまいましたが、とても難解でした。現段階ではどこが問題だったのかはわかりません。名人として皆さんに期待されて挑みましたが、結果が出せなくて残念です」。



勝ったPonanzaの開発者山本一成氏は「序盤は苦しかった。人間で言うと指しづらい状態。80手目穴熊の金を角で取った時点で勝ちを意識した。名人に勝つことは、コンピューター将棋に携わるすべての人の願いだったので、名人と対局させていただいた幸運に感謝したい。このことは私だけでなくチェスや人工知能などさまざまな叡智を結集した結果です」



それでは、最後の電王戦を振り返ってみましょう。対局場となった姫路城のチの櫓は、前回のように空調がきいている施設というわけではなく、非常に狭い建物で、自然の風通しだけが頼り。本日は快晴で日差しが強くとても暑いため、かなりキツイかと思いましたが、そんなこともなく室内はとても快適で、昔の建物のすごさを実感しました。


▲快晴で白さが更に浮き立つ姫路城。

▲大天守の手前にあるのがチの櫓。この中で対局が行われた。

佐藤叡王の先手で始まった本局は、☗2六歩と飛先を突き、これに対しPonanzaは☖2四玉と第1局のような玉が上る展開。これには解説陣や会場もどよめきましたが、☗2六歩に対しPonanzaが指す9手の中の1つだそうです。

▲開始直後の佐藤叡王。このときは、あまり釣行せず淡々と指していた。

このあと、佐藤叡王は前回の反省からか積極的に進めていき、12手目に☖7七角成で角交換、27手目☗2四歩と飛車先を突っかけ、☖同歩☗同銀☖2三歩☗1五銀とジョブを繰り出したぐらいで、特にぶつかることもなく、駒組みが中心で進んでいきました。

今回評価値は今年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したelmo。36手目の時点で、評価値は佐藤叡王のプラス200ほどまで上がっていました。序盤でも、Ponanza相手になかなかプラスで推移することはなく、ここまでは上々の展開でした。

しかし、昼食休憩直前、43手目で☗6八金右と指した途端、評価値がほぼ0に。人間的には守りを固めたつもりだったのですが、コンピューター的には右側が弱くなると判断したため、評価値を一気に下げたようです。ただ、佐藤叡王にとっては読みやすい展開のためか、消費時間はPonanzaのほうが多く、午前中は45手☗3七銀と☖角成を取るまで進み、佐藤叡王が50分、Ponanzaが1時間31分でした。

午後に入り、Ponanza優勢で展開。佐藤叡王は49手目に☗9九玉と穴熊に、Ponanzaは矢倉の陣形に駒組みを淡々と進んでいきますが、60手目☖6四歩の時点で、評価値はPonanzaのプラス200超え。消費時間は、佐藤叡王が1時間50分、Ponanzaが1時間58分とかなり近づいてしまいました。ただ、15時のおやつのときに佐藤叡王がガトー・アン・フレーズ(ショートケーキ)を食している姿を見ると、前回のような重苦しさはなく、これから戦いが始まる気合がみなぎっている感じでした。61手目☗5六歩のときに、消費時間はついに逆転です。


▲昼食休憩後の山本一成氏。画面に向かい神妙な表情。


▲今回、電王手一二さんはトラブルもなく、無事役目を果たしていた。

ようやく戦いが始まったのが、その直後。☗5五歩と突いたところで、☖5六角打ちと、解説陣も予想していた手をPonanzaが指しました。Ponanzaはすでに読んでいるのか、さほど時間をかけずに指してきます。逆に佐藤叡王は☗4八飛、☖6五歩と指したところで長考に入りました。評価値はPonanzaのプラス220程度。ここで間違った手を指してしまうとガラガラと崩れ落ちる状況です。


▲昼食後も佐藤叡王はあまり考え込む様子を見せずに指していたが、徐々に長考が多くなっていく。

長考の末、☗5四歩と歩を取り、☖6六歩☗6八歩打ち☖7五歩☗5五角と進みましたが、☖7六歩☗同銀、☖7五歩(74手目)と後手が先手陣に攻め入ってきました。評価値はPonanzaがプラス400超えと、残念ながら徐々に差がついてきてしまいました。消費時間も佐藤叡王が長考したため、75手目☗8五銀までで佐藤叡王が3時間20分、2時間19分と約1時間の差。佐藤叡王の踏ん張りどころです。

このあたりから、佐藤叡王の考慮時間が長くなってきたためか、Ponanzaはあまり考えずにポンポンと指してきます。76手目☖9三桂☗9四銀と指したところで、評価値がぐっと広がりPonanzaのプラス800超え。ニコファーレで解説していた三浦弘行九段からすると、どうしてそこまで開くのかわからないと解説していましたが、現地にいる遠山雄亮五段は先手番を持って指していても、攻められっぱなしで受け疲れたたと話すぐらい、先手側は厳しい展開になってきています。

17時過ぎ、☖8六歩がかなり厳しい手となり、佐藤叡王はまた長考に。解説陣も大判で解説しながら検討していますが、どう見ても佐藤叡王が不利な状況になってきました。長考のまま夕食休憩に入り、佐藤叡王の消費時間は3時間51分、Ponanzaは2時間24分。午後に入ってPonanzaは30分も消費していないことになります。

夕方になると西日がきつくなり、風通し用の窓が閉められていました。そうなると室内は蒸し暑くなってきて、人間にとってはちょっと厳しそう。扇風機が置かれていたが、あまり効果はなさそうでした。


▲西日を受けるチの櫓。山本一成氏の背面にあった窓が閉められていた。


▲この体勢、第1局のときも見た......。夕食休憩後の厳しい状況。

休憩後再開しましたが、佐藤叡王はしばらく考え☗4五桂と跳ねる。評価値はPonanzaのプラス1000を超えた。ここまで来ると形成を逆転するのは難しい。どんどん先手陣の主の駒が剥がされて行き、評価値もPonanzaのプラス1300を超え、持ち時間も1時間を切ってきました。

前回もそうでしたが、投了直前は立つ場面が増え、棋譜を確認したりしていました。94手目☖4四金まで指して、佐藤の手番で長考。残り時間は10分を切り、座り直し天を仰いだりしている。再び席を外し、戻ってきて水を飲み気持ちの整理がついたのか、ここで投了しました。投了時間は19時30分でした。


▲投了直後の画面。これにて電王戦は終了。名人レベルでも勝てなかった。


▲評価値が、中盤以降一気に傾いたことがわかる。

これにて、電王戦はすべて終了しました。コンピューターと人間の戦いは、将棋ではないところへ舞台を移して続けるかもしれません。でも、将棋という競技・文化は、中学生棋士の藤井四段の登場で安泰だと思いました。筆者としては、最初から取材し続けてきて、かなり楽しませてもらい、勉強させてもらった電王戦に感謝します。

追記 21:20
叡王戦がタイトル戦に昇格し、8大タイトル時代に突入します。34年ぶりにタイトル戦が加わることになり、新聞社以外が主催するのは初めてとなります。しかも、名人戦、竜王戦に続き、序列3位になるという驚きです。ドワンゴ、かなりお金を出しました。プロ棋士、アマ棋士1名、女流棋士1名がトーナメントを勝ち抜き、来春変則7番勝負を行います。変則とは、持ち時間の違う対局が行われます。第4期からは、第3期叡王と7番勝負を行います。詳細は叡王戦のサイトをご覧ください。

関連キーワード: ai, denousen, game, ponanza, shogi
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