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「スマホ化するノートPC」への本格参入で、ファーウェイはモバイル端末トップメーカーを目指す:山根博士のスマホよもやま話

スマホ、タブレットに次ぐ三本柱となるか

山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2017年7月18日, 午後01:01 in huawei
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ファーウェイが、WindowsノートPCの新モデル「MateBook E」と「MateBook X」、そして「MateBook D」を発売。昨年のMateBookに引き続き3モデルを投入することで、市場への本格的な参入を始めた。

しかし、スマートフォンでは世界シェア3位、タブレットでは4位の同社が、なぜ今になってPCに本格参入となっただろうか。そしてどのような戦略で市場を攻めようとしているのだろうか?

世界のPC市場は縮小が続いている。ガートナーの調査を見ても、ここ数年のPCの年間出荷台数は減少が続いており、2016年は前年比約6.9%減の約2億7000万台だった。

スケールメリットを出せない非大手メーカーはこの影響を大きく受け、シェア上位6社以外の「その他」メーカーは、出荷台数が2015年の7767万台から6449万台と縮小。17%も数を落としている。これは新規参入メーカーにとって逆風が吹いているような状況だ。

ところがこのような状況の中でも、実は成長を続けているカテゴリの製品がある。それがキーボード分離式の2-in-1などのモバイルノート(ウルトラモバイル)だ。

ガートナーの予測によると全世界のウルトラモバイル製品の売り上げは2016年に前年比16%増の346億ドル、2019年にはさらに伸び576億ドルに達する見込みだという。


▲キーボード合体型2-in-1のMateBook E。縮小するPC市場の中でこのカテゴリの製品は伸びている


2016年にファーウェイがノートPC市場に初参入した製品「MateBook」がタブレットタイプの2-in-1 PCだったことからもわかるように、各社は今、この分野の製品開発に大きな力を注いでいる。

とはいえ、大手メーカーがひしめき合うこの市場でファーウェイが頭角を現し、利益を上げるビジネスを構築することができるのだろうか?その鍵を握るのがノートPCの「スマホ化」への動きだ。

今年6月、マイクロソフトは「Always Connected PC」に向けてインテルやクアルコムと協業することを発表した。
Always Connected PCはeSIMなどを搭載し、OTAで後からキャリア情報を書き込むことにより、SIMを入れ替えることなく世界各国のキャリアの通信回線を利用できるようになる。もちろん国内でも、対応する複数のキャリアやMVNOを自由に乗り換えることができるようになるだろう。

このAlways Connected PCに賛同するメーカーには、HP、ASUS、デル、シャオミ、レノボ、そしてVAIOとファーウェイが名前を連ねている。

Always Connected PCが登場すれば、PCはスマートフォンのように常にネットにつながった状態になる。
スリープ時の動作は不明だが、たとえスリープ中に通信回線が切れていたとしても、上蓋を開けて画面に電源が入れば即座にネットへ再接続されるだろう。
これは今までのPCには無かったネットとの接続イメージだ。

家庭やオフィスのPCは10年以上も前にブロードバンド回線で常時接続されるようになり、PCの使い方は大きく変わった。PCはそれ1台で完結するコンピューターから、常時世界中へアクセスできる情報収集端末にもなったのだ。

それと全く同じ環境が、これからは外に持ち出したノートPCでも利用できるようになるわけである。


▲MateBook Xの天面にはHuaweiのロゴタイプが。今後はPCでも見る機会が増えるのだろうか


PCを閉じていても通知を受けられる、Always Connected PCにはそんな機能も提供されるかもしれない。

たとえばスマートフォンがSNSのタイムラインの通知を常に受けるように、ノートPCをカバンに入れておいてもメッセージが到着すれば電源ランプが点滅したり、ノートPCの位置情報を元に、カフェで仕事をしている時には付近の店のクーポンが送られてくる、なんてサービスをPCで受けることができるようにもなるだろう。

さらにはスマートフォンとPCを併用していれば、スマートフォンにはテキストで通知を、ノートPCには写真入りの案内を送る、といった新しい広告配信モデルも提供できるようになるかもしれない。

このようにノートPCももスマートフォンのようなサービスやアプリが提供されるようになれば、両者の垣根はいずれ無くなっていく。
消費者は用途に応じてスマートフォンやノートPCを使い分けるのではなく、画面サイズや持ち運びやすさ、作業の内容に応じて自分に最適なデバイスを持ち運び、どの端末でも同じユーザー体験が得られるようになるというわけだ。

つまりスマートフォンとタブレットで世界シェア上位の座をゆるぎないものにしたファーウェイにとって、同じ「コネクテッドデバイス」となるノートPCの市場に参入するのは、時代の流れからすると必然のことなのである。

また市場全体が縮小しているからといって、ノートPCが無くなることは(少なくと今後しばらくの間)ないだろう。それにノートPCの出荷台数が減っていくのなら、その中で数を増やしていけばいいだけのことだ。


▲薄型かつ高スペックなMateBook X。右上にある丸い電源ボタンは指紋センサーも兼ねている


だが新規に参入するファーウェイが、短期のうちにシェア上位に食い込むのは難しいはずだ。ではファーウェイは市場でどんなポジションを狙っているのだろうか。
それは昨年投入したMateBookや、今年発表した3つの製品――MateBook E、MateBook X、そしてMateBook D――から見えてくる。数を稼げる超低価格なロースペックモデルは避けており、実用性が高く信頼性も提供できる、比較的スペックの高い製品を揃えている。

それぞれの製品は質感も高く仕上げており、新規メーカーが様子見で投入したモデルではない。MateBookシリーズは大手メーカーと本気で戦う姿勢を見せたプレミアムな製品であり、PC市場でのプレゼンスを高めることを第一に考えた製品と考えられる。

しかもこれだけしっかりした製品であれば、現在同社のスマートフォンを使っている消費者がPCを選ぶ時に、同じメーカーのものを選ぶ動機付けも高まるだろう。
MateBook Xは電源ボタンに指紋認証センサーを内蔵するなど、スマートフォンメーカーらしい仕上げにもしている。このあたりもスマートフォンユーザーにはわかりやすい機能だ。


▲MateBook Eのキーボード外装の仕上げの高さは、スマートフォンケースのノウハウが生きている


今やファーウェイのスマートフォンは販売店にとって客を呼べる製品であり、家電量販店の売り場ではアップルやサムスンに並ぶいい場所を抑えている。そこにノートPCが加わるとなれば、販売店にとっても相乗効果で売り上げ増を見込むことができる。

また通信キャリアの店舗でも「あのファーウェイのノートPC」であれば、通信回線と組み合わせてセット売りするチャンスも伺える。いずれAlways Connected PCが出てくれば、スマートフォンやタブレットで長年の実績を持つファーウェイのノートPCへの信頼度は、他社製品より高いものを集めるかもしれない。

ところでMateBook EにはECサイト向けの低価格モデルも用意される。しかしこれは数を売ることだけを考えたモデルとは考えにくい。ファーウェイは数年でPC市場でのシェアをいきなり5位以内にあげるような戦略は取らないだろうからだ。
仕事にも使われるノートPCは、何と言っても安心して使える製品でなくてはならない。「信頼性を重視した製品づくり」これがMateBookの戦略だろう。


▲MateBook XはTDP 15W版CPUを採用しながらファンレス設計とするなど、他社製品ではあまり見られない特徴も備える


当然サポート体制もスマートフォン以上のものが求められる。コストを下げた安価な製品を出して数を稼いだとしても、製品に対しての信頼度を上げるメリットが無ければ、ファーウェイのPCビジネス、ひいてはスマートフォンなどを含めた端末ビジネス全体にマイナス影響を与えるだけになってしまう。

こう考えると、しばらくは市場での足場をしっかりと固めるため、製品を定期的にリリースしていくのではないだろうか。

そして今後、もしもファーウェイが低価格なノートPCを出すのであれば、筆者はMateBookではなく、スマートフォンの別ブランドである「honor」ブランドで出してくると考えている。

honorシリーズのスマートフォンに通じる、カラフルな色合いで軽量な小型ノートPCは、今後も学生層などに需要があるだろう。

ファーウェイブランドのスマートフォンでは、P10などプレミアムな質感も押し出しているが、これにマッチしないカジュアルな製品を、サブブランドのhonorシリーズで出せる――こうしたブランドの広さも、ファーウェイの強みだ。



▲honorブランドを持っているのもファーウェイの強み。将来はノートPCでも活かしてくるはず

ノートPCでファーウェイが本気を出してくるのは、恐らくAlways Connected PC以降からだろう。今のモデルに通信回線が内蔵されていない理由も、そう考えると納得できる。
その時、ネットワークの部分で他社と差別化し優位性を出せれば、ファーウェイのノートPCがシェア10位以内に入り込む日も遠からずやってくるかもしれない。


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