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任天堂の共感ネットワークことMiiverse、11月に終了。その理想と現実を振り返る

「将来のニンテンドープラットフォームもサポート」という公約は実現できませんでしたが

Kiyoshi Tane
2017年9月2日, 午前08:00 in Services
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任天堂はWii U/ニンテンドー3DS向けのコミュニケーションサービス「Miiverse」を、2017年11月8日15時をもって終了することを発表しました。

もともとMiiverseは、岩田聡元社長が「将来のニンテンドープラットフォームもサポートしていこうと思います」(2012 E3アナリストQ&Aセッションより)と長期的な展開を公約していたもの。かつて任天堂の志を担っていたサービスの理想と現実を、ざっと振り返ってみました。

Miiverse

Miiverseはゲームの感想をテキストで投稿できるほか、手描きのイラストやゲームのスクリーンショットが投稿できるSNSです。特にゲーム機のタッチパネルで描いた絵をすぐに投稿できる手軽さが人気でした。

アバターのMii+Universe(全世界)=Miiverseということで、コンセプトは「共感ネットワーク」。同じゲームを体験した人が「あー、そうそう」という"共感"を通じて繋がって分かり合えることが目指されていました。

Miiverse

その狙いを満たすため、Miiverseはゲームソフトと密接にリンク。各ソフトやゲームシリーズごとにコミュニティが用意されているほか、ユーザー投稿がゲーム本編にも反映されます。たとえば『New スーパーマリオブラザーズ U』であれば、他人のイラストや感想がゲーム内に表示されるというぐあいです。

Miiverse

確かにMiiverseは独自の"繋がり"を提供していました。まず世界中に発売されているゲームごとにコミュニティが設けられているため、他のSNSでは言語の壁に遮られて触れ合う機会があまりない海外の人達との交流もあり、異文化コミュニケーションの話もよく聞かれました。

フレンドへの共感を示す「そうだね」にも、投稿したMiiの表情によって「そうだね...」や「そうだね♪」など変化が付けられます。Facebookの「いいね!」も2016年に似た仕様が実装されましたが、こちらが数年も早く先取りしていました。

しかし参加する人口や年齢層の幅が広くなれば、しだいに"共感"で繋がりにくくなるのがSNSの常です。Miiverseも2013年12月に、それまでのWii U専用から3DSにも対応したことでユーザーの低年齢化が進み、コミュニティが変質したとの声も散見されるようになりました。


そして2015年7月に大幅リニューアル。コミュニティの中で投稿がテーマ別に分別されて見やすくなり、ゲームの画面写真を保存できる「アルバム機能」などが追加された一方で、「自分の活動」機能が廃止され、ゲームと関係ないことが書けなくなリました。

Miiverse

さらに1日の投稿やコメントが合わせて30に制限され、純粋に人の繋がり的には機能低下しています。もっとも、同年の10月にMiiverse運営から「自殺や犯罪をほのめかす投稿はペナルティの対象となる」旨のアナウンスがあり、苦渋の選択だったかもしれません。

Miiverse

Miiverse

以上をまとめると、Miiverseは「人の共感をつなぐ」狙いは達成したものの、任天堂に利する方向ではなかったのかもしれません。親にスマホを買ってもらえない低年齢ユーザーの参加は、SNS慣れしていない人口が増えたことを意味します。荒らしや炎上対策はもちろん、「教育」にも関わるデリケートな領域にも踏み込んだのでしょう。

それに任天堂にとっては「ゲームを通じた共感」を離れた「ゲームと関係ない共感」が広がっても、商業的なメリットは薄い。そうした繋がりが、Wii Uの売上にさほど貢献しなかったという厳然とした事実もあります。

これらの事情を総合すると、「Miiverseは管理コストに見合った利益がない」と判断されたとしても不思議ではありません。

「ネットワーク機能を持ったゲームハード向けにコミュニケーションサービス(SNSやBBS)を立ち上げたが、数年で終了」と総括するとありがちな話ですが、「言語を超えた繋がり」を実現したのも確かなこと。ゲームに密着したかたちで、Miiverseの経験を踏まえた任天堂の新SNSが登場する日を心待ちにしたいものです。

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