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ついに「Palm」復活か!? ブラックベリーを手に入れたアルカテル次の一手:山根博士のスマホよもやま話

3つのブランド展開で世界シェア上位への返り咲きを狙う

山根博士 (Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2017年9月29日, 午前06:00 in smartphone
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スマートフォン「IDOL」シリーズで日本にも参入を果たしたアルカテル。ここのところ目立った新製品は発売されておらず、今後の端末戦略が気になるところだ。
海外でこの秋に発表された新製品「IDOL 5」シリーズはミッドレンジモデルで派手な機能は無く、1年半ぶりに登場したフラッグシップモデルとしては不満の残る製品だった。

しかしアルカテルは今、端末全体のポートフォリオ戦略を大胆に変える。アルカテルのスマートフォンを手掛けるTCLコミュニケーションが、他社には無い大きな武器を本格的に投入しようとしているのだ。その原動力が、2016年にライセンス提供を受けた「ブラックベリー」、そして2015年に買収した「パーム(Palm)」という2つのブランドだ。

2017年9月にベルリンで開催されたIFA2017のTCLブースには、同社のスマートフォンの最新モデルがずらりと展示されていた。しかしハイエンドと思われた「IDOL 5S」は5.2インチフルHDディスプレイを搭載するミッドレンジモデルになってしまった。昨年のフラッグシップモデル「IDOL 4S」はQHDディスプレイを採用していたので、それだけでも大幅なスペックダウンだ。


▲ハイエンドモデルの後継機かと思いきや、スペックダウンしてしまった「IDOL 5S」


各メーカーがIFAに合わせて冬のホリデーシーズン向けの「顔」となるモデルを発表している。しかしアルカテルはあえて普及価格帯クラス、ハイエンドを避けた製品展開に留まっているのだ。
果たしてこの戦略は正しいのだろうか?

アルカテルブランドのスマートフォンは、一貫してコストパフォーマンスに優れた製品を多く出してきた。スマートフォンの販売台数でもTCLは世界シェア10位以内の常連だ。アメリカ国内だけに目を向けてみれば、2016年はなんと堂々のシェア5位。ちなみに1位はアップル、2位サムスン、3位LG、4位がZTE。
グローバルで強いファーウェイをしり目に、TCLのスマートフォンはアメリカで売れまくっているのである。

その原動力となっているのが低価格モデルだ。ヨーロッパやアジアでの売れ筋スマートフォンの価格は100ドル台や100ドル以下。アメリカ向けのSIMロック端末となると、19.9ドル、29.9ドルとさらに安い。最近は新興メーカーや地場メーカーなど無名ブランドの製品が増えているが、アルカテルブランドの製品はそれよりも高い品質と仕上げで消費者に安心を提供してきたのである。


▲アメリカではプリペイド向けスマートフォンが絶好調


ところがTCLの携帯電話事業はここにきて成長に陰りが見え始めている。TCLによると2017年上半期(1-6月)のスマートフォンを含む携帯電話全体の販売台数は2117万台だった。これは前年同期比で36.2%減という大きな落ち込みである。

TCLは2015年に8355万台を販売し、携帯電話シェアは世界5位となった。しかし2016年は6876万6000台と17.7%も減少。このうちスマートフォンは3898万台と全体の56%にしかすぎず、残りは利益率の薄い低機能なフィーチャーフォンなのである。

こうした低価格なフィーチャーフォンは、古くはノキア、その後はサムスン製品が新興国を中心に売れていた。しかし今や、その座についているのはアルカテルなのだ。数は出ても利益は出ない製品ばかりが売れている状況では、高性能なスマートフォンの開発もなかなか進まないだろう。


▲低価格機が販売数増をけん引。しかしハイエンド不在ではユーザーが離れてしまう


中国の新興メーカー、シャオミが失速したのも低価格製品にシフトしすぎたからだ、という意見も聞かれる。価格競争に一度巻き込まれてしまうと、ユーザーはブランドや品質よりも価格を重要視してしまうからだ。
対してサムスンやファーウェイはエントリーモデルからフラッグシップモデルまで多彩な製品を揃えている。低価格品で消費者を引き付けた後も、自社の上位モデルに誘導していくことができるわけだ。

アルカテルのスマートフォンは確かに多くの消費者に受け入れられている。だが既存ユーザーがスマートフォンを買い替える際に、再び自社ブランドを買ってくれるような、魅力ある製品ラインナップを今のアルカテルは用意できていない。

拡販路線を追求していった結果、他社のフラッグシップモデルに匹敵できる製品の開発を怠ってしまったのである。このままでは消費者のアルカテル離れが加速していく可能性も否定できない。

しかしTCLには大きな武器がある。それがブラックベリーというブランドだ。IFA2016のTCLブースには、アルカテルのスマートフォンと同列にブラックベリー製品が展示されていた。

最新モデルのQWERTYキーボード搭載スマートフォン「KEYone」はブラックモデルを中心に展示し、来場者を多く集めていた。その来客にアルカテルの製品も見せることで、TCLは2つのブランドが同じメーカーの製品であることをアピールしていたのだ。


▲ブラックベリーとアルカテル、2つのブランドを同列に並べたIFA2017のTCLブース


ハードウェアキーボードを搭載し、高級な仕上がりのブラックベリー端末は、それだけでも他社のスマートフォンと差別化できる製品である。それに対してアルカテルブランドでは、どれほどハイスペックな製品を開発したとしても、機能や本体デザインだけでも目立つ製品を仕上げることは難しい。

それは昨年のIDOL 4Sを見れば明らかだろう。高解像度ディスプレイやVRへの対応程度では、市場で存在感を示すことはできなかったのだ。

KEYoneも製品をよく見るとサイズの大きさが目立つなど、まだ粗削りな部分も多い。しかしブラックベリーと言うブランドがそれを全て隠してくれる。またQWERTYキーボード端末が廃れていく中で、正統派とも言えるタイピングしやすいキーを搭載したKEYoneには一定のマーケット需要もあるだろう。

今後TCLは、アルカテルブランドの製品はミッドレンジや低価格機に絞り、ブラックベリーブランド製品をその上に置くという、マルチブランド戦略で販売数の拡大を目指していくものと考えられる。とはいえ2016年にブラックベリーが販売した「DTEK 50」のように、カラーリングとプリインアプリを変えてアルカテル端末をブラックベリー化したような製品だけでは差別化も難しい。


▲TCL最初の製品として考えればKEYoneには合格点を与えてもいいだろう


そこでようやくの登場、と期待されているのが、TCLの持つパームブランドの製品というわけである。IFA2017の開幕直前に、TCLのプロダクトマネージャーであるStefan Streit氏が、メディアインタビューで2018年中のパームブランド製品の投入を明らかにした。

PDA時代に一世を風靡したパームの名前は、社会の一線で活躍する今の世代のユーザーには懐かしさだけではなく信頼感も与えることができるだろう。また若年層には全く新しいブランドとして、アルカテルには無い新鮮さを感じさせられるだろう。

Streit氏がパームブランド製品の投入を明言したのは、ブラックベリーとアルカテルだけではなく、パームを加えたトリプルブランドで製品展開を行っていく、というアピールだったに違いない。
ビジネス&キーボードのブラックベリー、低価格&カジュアルなアルカテル、そこにパーム製品を加えることで、TCLのスマートフォンはあらゆるユーザー層をターゲットにする製品が揃うことになる。

ではパームブランドではどのような製品が登場するのだろうか。パームと言えば独自の手書きジェスチャー「グラフィティ」を使った手書き入力が有名だったが、末期の製品はQWERTYキーボードを備えた「Treo」なども目立っていた。当時はブラックベリーとシェア争いを行っていたが、ユーザー層はビジネスだけではなく一般層も多かった。


▲筆者手持ちのパーム機の写真も、こんな古いものしか見つからなかった。復活は楽しみだ

3本柱の一角をパームに担わせるのであれば、ブラックベリーとは異なるテイストの製品を投入するだろう。となればビジネス志向の強いブラックベリーに対し、パームは高級高性能を目指すのではなないだろうか。

ここ最近の各社の製品トレンドから推測すると、ディスプレイは18:9のワイドサイズでベゼルは薄く、6インチ以上の特大画面を採用し、しかもデュアルカメラを搭載......そんなイメージが予想できる。チップセットはSnapdargon650系あたりだろうが、RM6GBなどメモリで余裕を持たせれば十分だろう。

名門パームブランドのスマートフォンが登場するとなると、ふさわしい発表の舞台は、世界最大のモバイルイベント、MWC 2018になることは間違いないだろう。
TCLのスマートフォン事業の今後を左右する存在になるだけではなく、往年のパームファンを納得させるだけの製品になることを期待したい。


関連キーワード: Alcatel, blackberry, mobile, palm, smartphone, smartphones, Tcl
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