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ライカとファーウェイ、スマホカメラ共同開発の歩み。絶望的な状況から「P9」完成に至る経緯明かす

丸2年におよぶ試行錯誤の話

関根慎一 (Shinichi Sekine) , @sekine_s
2017年11月10日, 午後02:30 in smartphone
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ライカカメラジャパンとファーウェイは、スマートフォンの共同開発に関するイベントを開催しました。今回のイベントは、2016年9月に発売した「P9」をはじめ、両社が共同開発したスマートフォンができるまでの経緯について紹介するセミナーです。当日はファーウェイの担当者が登壇し、開発時のエピソードを語りました。

ファーウェイの「P9」以降の「Mate」を含む複数機種は、カラーとモノクロの2つのカメラモジュールを搭載。他社のダブルレンズ搭載モデルとは異なり、焦点距離の切り替えをせず、2つのレンズの視差から被写界深度を割り出して背景をきれいにぼかしたり、カラー/モノクロ両方の画像を合成して写真の絵作りに役立てる方向性が特徴です。

Gallery: Leica x Huawei | 28 Photos


▲現行機種「P10 Plus」のダブルカメラ部分

両社が共同で開発した製品が初めて世に出たのは2016年4月発表の「P9」からですが、ことの始まりは2013年の夏に遡ります。

当時、ファーウェイは「専業のカメラメーカーが有する光学設計や画像管理に関するノウハウをスマートフォンで活用する」ためのパートナーを探す中で、ライカの持つブランドに目を付けました。早速コンタクトを取ったものの、このときはライカ側より丁重にお断りの連絡があったといいます。


実際に話が動き出すのは翌2014年夏のこと。ライカがファーウェイの提案を受け入れ、正式に協業の契約が決まり、両社の技術者がチームを結成し、製品開発に乗り出しました。

このとき両社が目指した方向性は「スマホカメラの一般常識を覆す、高い品質と芸術性」。開発チームはこれを実現するために、ライカ用カメラの試験基準をスマートフォン用カメラにも適用したといいます。

開発当初、最初の壁になったのは「カメラモジュールの(物理的な)サイズ」でした。


スマートフォンに内蔵しているカメラの構造は基本的に一般的なデジタルカメラと同じですが、サイズが大きく異なります。特に「厚み」は撮影画像の品質を向上するためのハードウェア設計に大きな問題として立ちふさがっており、5mm厚の中にレンズ光学系を含むカメラモジュールを収める必要があります。

ライカの試験基準をパスする性能の「スマートフォン内蔵カメラ」を設計するにあたりクリアすべき問題となったのは「従来のノウハウが使えない」ことと「量産できるものにする」ことでした。

前者はスマートフォン向けのプラスチックレンズとガラスレンズとでは光学的な性質が大きく異なり、サイズ的にも制限があることに起因した問題で、後者は「スマートフォンに搭載する」という大前提に対応して、歩留まりやコストなどを考慮した設計をする必要に迫られることを意味します。



ライカの試験基準は、それまでファーウェイが用いていた基準よりもはるかに厳しいものだったとファーウェイの担当者は語ります。

今回のセミナーではこの"試験基準"について詳しく言及されることはありませんでしたが、一例として挙げられたのは、直射日光などの強い光が光学系の中に入った際に生じる「フレア」や「ゴースト」の試験条件設定についてでした。

フレアやゴーストは光源が強いほど発生しやすいものですが、ライカが試験のために指定した光源は、ファーウェイがカメラを設計する時に使用する光源の数十倍の強さだったといいます(具体的な数値は非公開)。



従来のノウハウが使えないところからスタートし、ダブルレンズの間隔やレンズ形状の調整などを重ね、新たなカメラシステムを作り上げる中では技術的に様々な困難があり、後にP9へ搭載されることになるダブルレンズモジュールのプロトタイプは、100セット製造したもののうち、要件を満たすものが10セットにも満たないこともあったそうで、担当者も「絶望的な状況だった」と振り返ります。



長い試行錯誤の末「量産を前提とした」「高品質の」レンズモジュールが完成しますが、ここで直面したもう一つの壁は「色再現」でした。

色再現性能の評価は多数のカラーパッチを配置した「カラーチャート」を撮影し、写った画像の中でチャート内の色が正確に再現されているかをチェックしますが、ファーウェイの試験では数十色(正確な色数は非公開)の再現で済んでいたところを、ライカの基準では140色を正確に再現することが求められ、開発チームはこうした厳しい基準をクリアするために、部品やアルゴリズムなどハード/ソフトの両面を見直しています。



また画像品質評価項目の中には、約100種類におよぶ「指定シーン」で撮影した画像を評価するものもありました(これも具体的な評価基準や項目は非公開)。基準に則って画像を評価するために結成されたチームはP9のプロトタイプで撮影された画像を分析し、技術的な問題点を洗い出し、開発チームへフィードバックする作業を根気よく続けたといいます。

この作業は2016年1月以降も続けられ、同年2月のモバイル関連の展示会「MWC」(Mobile World Congress)直前まで追い込んでいたと担当者は話していました。



なおセミナーではこのほか「11月28日に"新しいスマートフォン"の発表を予定している」とのアナウンスもありました。詳細については伏せられましたが10月にグローバルで発表済みの「Mate 10」および「Mate 10 Pro」の国内発表が行われる見込みです。


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