富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)の招待で、島根富士通のパソコン製造工場へ行ってまいりました。
以前、『日本人PCユーザーの93%以上がローマ字入力なのに、キーボードに「かな」の印字が必ずあるのはヘンだ』という筆者(日本版編集長)の主張に熱心に耳を傾けてくだいましたFCCLの齋藤社長。
あらかじめ言っておきますが「かな入力」を否定するつもりは毛頭ございません。しかし、以前の記事にも記した通り、10~20代の9割が「キーボードのかな刻印が目障り」と感じている事実から目を背けることはできないと思うのです。ローマ字入力を覚えようとしている子供にも、かな印字はノイズ以外の何物でもありません。といって英語キー(101配列)は記号の配置やエンターキー、スペースキーのサイズなどが日本語IMEと相性イマイチで、これも違うように感じます。
iPhoneの背面からいっさいのノイズを取り除いたAppleですら、Macのキーボードの「かな」印字がほとんどの日本人にとって不要なものだという現状には気付いてない(というか体制上、気付けない)のではないでしょうか?

齋藤社長は、かな印字の無いキーボードモデルに関して「今日、連絡を入れれば、明日にはできるくらい簡単なことだと思いますよ(笑)」とおっしゃいました。あれから数ヵ月......あくまで実験的にとのことですが、10月に発表したLIFEBOOK UHの最新シリーズで「かな印字無しキーボード」が選択可能になりました!

▲▼カスタムメイドモデルで日本語かな印字のないキーボードが選べるようになった新LIFEBOOK UHシリーズ。一番軽いモデルの重量は約748グラムで世界最軽量13インチノートの記録を更新。天板はマグネシウムリチウム合金でできいて、満員列車内でも押しつぶされない高い堅牢性実現しています。

※UH新モデルの詳細は、こちらの記事をご参照ください。
かな印字無しキーボード搭載UHの勇姿

▲▼かな印字の無いUHサテンレッドモデル。特別仕様のキーボードはブラックとホワイトのみ用意されるため、通常のサテンレッドモデルとは見た目の印象が異なりますが、そこが「通」なカンジしません?

かなの印字が無いだけなので、OSの設定でかな入力にはできますが、本音を言いますと個人的にはこれも制御してほしかった......。意図せず、かな入力になってしまうトラブルが初心者に非常に多いと聞くので。逆もまた然り、きちんとハード・ソフト両面でローマ字入力とかな入力を住み分けたほうが、双方幸せになれると信じて疑いません、親指シフトがそうであるように。入力効率を考えたらローマ字入力のほうが非効率なのは間違いありませんが、現実にこれがスタンダードとなっており、これからほかの入力方法をマスターする人も稀でしょうから、もうとうに「変えるべき時」は来ていたと言っていいでしょう。

▲富士通はワープロの時代から親指シフトなど、日本語入力メソッドに真剣に取り組んできました。これもさらに少数派のユーザーに向け継続されており、それはそれで素晴らしいことだと思います。大丈夫。一生、面倒見てくれるんじゃないですかね。ですから、かな入力ユーザーも一生、大丈夫でしょう。
新UHのキーボードの話しに戻ります。細部にこだわりがあるのですが、まずキーストローク。従来モデルの1.2ミリから1.5ミリに向上、体感的には1.7ミリ相当になっています。

▲より快適なタイピングが行なえるよう、キートップの形状を微妙に反らせることでフィット感が増しています。
「A」や「S」、「Enter」などは、小指など比較的弱い力で押されることの多いキーですが、これらを含むすべてのキーが力の加減に影響なく、取りこぼしのない入力ができるように従来の半分のストロークで反応するようチューニングされています。それでいて誤入力につながらないようにするには、各キーの下にあるスイッチ(ラバー)の形状から見直す必要があったそうです。

▲特別に公開していただきました、各キーに仕込まれているラバースイッチの断面図。ゴムメーカーと共に40種類以上試作し莫大なデータを採取、強度テストを繰り返し、切磋琢磨の末、採用に至ったといいます。

▲キーボードに関するこだわりを熱く語ってくれた同社技術部の藤川英之氏と品質保証部の足立遥氏。新UHの設計思想は「世界最軽量更新」ですから開発陣は各パート、コンマ1グラムを競っていたに違いないのですが、キーボードに関してはタイピング向上を追求した結果4グラムほど前モデルのものより重たくなってしまい、ほかで調整し軽量化を実現しています。社内でお二人への風当たりが強くなかったこと願います。
さて、社長インタビューがきっかけで誕生した新UHかな印字無し特別モデルですが、予想をはるかに上回る好調ぶりとのことで、島根富士通の工場で誕生の瞬間を見せていただくことになりました。

▲ここを訪れるのも、もう何度目でしょうか。1995年からノートPCを製造している、日本最大のPC生産拠点です。














