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民間月探査レースLunar XPRIZE、窮地のHAKUTOは挑戦継続の意向。「インドチームと共にあらゆる可能性見直す」

渡る宇宙はカネばかり

Munenori Taniguchi
2018年1月12日, 午後12:45 in Space
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いまから1年ほど前、当初参加の33チームから5チームにまで絞られた民間月面探査コンペ「Google Lunar XPRIZE」ですが、2018年3月31日の打ち上げ期限を目前に、インドのTeamIndusがリタイアする可能性が報じられました。理由はインド宇宙研究機関(ISRO)がTeamIndusとのロケット打ち上げ契約を解除したため。

TeamIndusが用意する着陸機には日本から挑戦しているチーム HAKUTOが月面探査ローバー「SORATO」を相乗りさせる計画であり、TeamIndusのリタイアはHAKUTOにとっても一大事。しかしHAKUTOは1月11日に会見を開き、引き続きTeamIndusと打ち上げ実現を目指しつつ、XPRIZE側には期限延長を申し入れるとしました。

伝えられるところによると、ISROによるロケット打ち上げにかかる総費用は最大7000万ドル。しかしTeamIndusが調達できている資金は3500万ドル(約39億円)とのこと。このためISROの商業的窓口となるAntrix Corporationは、TeamIndusとの打ち上げ契約をキャンセルしたとされます。

TeamIndusの資金面での不安は以前からあり、ISROとの契約直後から両者の間には亀裂の兆候があったとも言われています。ISRO会長Kiran Kumar氏は数週間前、現地テレビの取材に対し「TeamIndusには技術面だけでなく、その実現に必要な資金面での課題がある。その穴を埋めるのは簡単ではなく、山のような仕事をこなさなければならないだろう」と先行きを語っていました。

TeamIndusとしてはまだ月への挑戦を諦めたわけではなく、ムンバイで開催されたイベントでは月探査プログラム実現のためクラウドファンディングで追加の資金集めを実施する予定を語ったとされます。また時間的に困難とはいえ、TeamIndusおよびHAKUTOには別の国の打ち上げロケットを使用してミッションを完遂する道もなくはありません。

HAKUTOは「同じレースを戦う仲間として引き続きTeamIndusをサポートし」、「相乗り契約の継続はもちろん、あらゆる方法を再度見直し、様々な選択肢の中で最も成功率の高い方法を検討」するとしています。

なお、Google Lunar XPRIZEは2017年10月にTeamIndusの計画進捗状況を確認し、すでにランダーおよびローバー、管制施設といったミッション遂行に必要な準備が整っていることをメディアに向けて発表済み。TeamIndusもSNSを通じて準備が万端であることを発信していました。

一説には、インド政府がISROのチャンドラヤーン2号を民間より先に月面に送り込みたい意向だとも言われています。この計画は2018年3~4月の打ち上げが予定されており、もしかすると資金とは違う部分でTeamIndusの打ち上げに影響を及ぼした可能性もあるかもしれません。

Google Lunar XPRIZEは民間による月面探査を目標とするコンペで、参加チームは月面探査用のローバー(自走ロボット)を月へ送り込み「500m以上走行する」、「月面での移動を示すHD画質以上の動画や静止画を地上へ送信する」という課題が与えられています。賞金総額は3000万ドルあり、過去に月面に到達した探査機といった「人工物の発見」や、「水または氷の発見」などにも賞金が掛けられています。

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