Sponsored Contents

playstation 4の最新記事

Image credit:
Save

PS4『ワンダと巨像』レビュー。不朽の名作を忠実フルリメイク、美しく遊びやすく

何度目の最後の一撃だよ

Ittousai, @Ittousai_ej
2018年2月8日, 午後12:30 in playstation 4
443シェア
95
258
0
90

連載

注目記事

米家電量販大手が音楽CD販売を終了へ。一方音楽ストリーミングではApple Musicがユーザー数を伸ばす

米家電量販大手が音楽CD販売を終了へ。一方音楽ストリーミングではApple Musicがユーザー数を伸ばす

View

人気記事


『最後の一撃は、せつない。』(※3回目)

というわけで、ソニーがプレイステーション4版『ワンダと巨像』を発売しました。

PS4版『ワンダと巨像』は、2005年にPS2で発売された同名のオリジナルを、最新世代のテクノロジーで「忠実にフルリメイク」した作品。『ワンダと巨像』といえば、ゲームデザイナー上田文人の代表作のひとつであり、ゲーム史に燦然と輝く大傑作です。

2011年にはPS3向けにHDリマスターされていますが、今回のPS4版はコンセプトアートまで遡って作り直した3Dモデルや新たな描画エンジンの採用で、最新世代のゲームとも遜色ないグラフィックになりました。ワンダとあまりにも好相性なフォトモードも加わっています

操作系やカメラ挙動も改善する一方、ゲームそのものの仕組みや展開はほぼ完全にPS2版オリジナルのまま。かつてのプレーヤーならば覚えていたとおりに、未プレイなら元が大昔の作品であることを意識せず遊びやすい作品となっています。

Gallery: PS4『ワンダと巨像』4Kスクリーンショット | 7 Photos

7



2005年にPS2でオリジナルが発売された『ワンダと巨像』は、前作『ICO』で高い評価を得たゲームデザイナー上田文人の作品。発売から13年を経た今も、多くのゲーマーのオールタイムベストや、アートとしてのゲームの到達点の一つとして挙げられる大傑作です。

ゲーム内容は極めてシンプルにミニマルに、主人公ワンダが愛馬アグロに跨り謎めいた大陸をさまよい、点在する10数体の「巨像」と戦うのみ。なぜそんなめぐり合わせになったのかはオープニングをごらんください。

ある意味で超絶繰り返しゲームですが、煩雑なリソース管理やスキル育てといった概念はほぼ存在しない(※)ため、いわゆる周回を強いられるような繰り返しはなく、巨像もそれぞれに個性があり異なるギミックを備えています。

(※厳密には......ですが気にせずクリアできるので略。やりこみ要素は多数あります)

リマスターかリメイクか

過去の作品を再発売する際、原則そのままアセットの解像度を高めたり、新プラットフォームの性能で見栄えを良くするものをリマスター、まるごと作り直すものをリメイクとするなら、PS3版の『ワンダと巨像』はHDリマスターとしてのリリースでした。対するPS4版は、いわば目的はリマスター、手段はリメイクという志向。

あくまで忠実な高画質化を志向しつつ、最大で4K解像度に対応するなどオリジナルとあまりにも情報量が違う環境で、現行世代の新作としても遜色ない画面にするために、巨像も地形も3Dモデルを完全に作り直し、光源処理から巨像のファー表現、ワンダの服の布挙動シミュレーションまで、新規のエンジンで動かしています。

PS2版は革新的だったものの表現に身の丈があっておらず、場面によりパタパタアニメかコマ落とし演出かという低フレームレートになりましたが、リメイクでは大きく改善。PS4 Proでは4K 30fpsの解像度優先か、フルHD 60fpsのフレームレート優先を選べます。

このようにグラフィックが美麗になった一方、ゲームの中身のロジックはPS2版コード(から派生したPS3版コード)がPS4上で並列して動き、新エンジンと同期して破綻しないゲーム展開と手触りを実現するという、完全な作り直しともまた違ったややこしい手法で成立しているのが今作です。

開発担当は、PS3のHDリマスターやPS4のアンチャーテッドコレクションなどを手がけ、PSプラットフォームにも『ワンダと巨像』にも通暁したBluepoint Games 。








相性最強なフォトモード追加、遊びやすさの改良も

フルリメイクの恩恵のひとつはフォトモードの追加。最近のゲームではあって当たり前になりつつあるフォトモードですが、どこをとっても絵になる『ワンダと巨像』との相性は最高です。フォトモードは色調やフィルムグレイン追加といったフィルタのほか、カメラを独立させて動かし、画角や被写界深度調整(ボケ味追加)まで選べます。



Gallery: PS4『ワンダと巨像』フォトモード | 18 Photos

18


もうひとつの恩恵は遊びやすさ。カメラの挙動がオリジナルよりは改善したほか、コントローラ操作が選べるようになり、近年の一般的な3D三人称視点ゲームの標準にあわせた「モダン」配置がデフォルトになっています。ジャンプがXボタンだったり、立った状態から前転回避がワンボタンでできるなど、未プレイでも始めやすい、とっつきやすさを備えた操作系です。

旧作の操作が身についているプレーヤーは、ほぼそのままの「クラシック」も選択できます。


「覚えているとおり」か否か


さて、いくら忠実なリメイクを目指しても、原作のディレクションが当時のプラットフォームを前提としていた以上、もっといえばハードウェアの限界も表現として活かしていた以上、プラットフォームの性能がここまで違えば、さすがにオリジナルの意図を尊重しただけで何も足していません、何も選んでいませんとはいえず、何らかの判断が必要になります。

目立つ点でいえば、オリジナルのワンダと巨像はハードウェアの限界から描画距離が短く、重い場面では少し先が霧で隠されて見えない、曇色が基調の世界でした。PS4リメイクでも世界観と全体の雰囲気は尊重しているものの、大幅に高精細かつ描画距離が長くなったことで、原作よりは見通しがよく鮮明な世界に感じられます。

また単調だった地形も、あくまで元の雰囲気を尊重しつつ、現行世代のリアル志向ゲームとして違和感がない程度にディテールアップされており、植生などはかなり違います。水の表現なども同様です。



では、今回のフルリメイクに際しての判断がどう出たかといえば、究極的にはプレーヤーそれぞれの記憶のなかの『ワンダと巨像』とどれだけ違和感があるか、歓迎すべき違いか受け入れ難いものかにかかってきます。言ってしまえば、当時のプレーヤーがいま改めてPS2版オリジナルを遊んだとして、思い出のなかのワンダと同じものと感じられるかは分かりません。

そのうえで、『ワンダと巨像』を手触りそのまま、最近の新作ゲームと並んでも違和感がない方向性で再生する判断は、序盤を遊んだ限り、総合的にはかなり成功していると感じられます。おかしな表現ですが、初見の感想は「リメイクというより実写化、フルCGアニメ化みたい」。

特にディテールアップや描画距離の拡大、高精細化は、『ワンダと巨像』がもともと狙っていた巨像のスケール感、地形の壮大さに強く貢献しています。描画距離が長くなったとはいえカラッと晴れてしまったわけではなく、霞や雲、光と影の表現はPS4パワーで向上しており、同じ主題を別の手法で表現するという意味で、オリジナルのワンダの雰囲気が好きだったプレーヤーならば見るべき価値はあります。廃墟遺構の表現はただただ美麗です。

もちろんPS2版から大きく変わった以上、失われたものもあります。例えば、ローレゾでジャギジャギしたオリジナルのグラフィックは、くっきり見えないからこそ想像を誘う、粗い筆致の絵画のような効果がありました。巨像からブシュッと噴出する例の黒いアレも、PS2では液体なのか気体なのか粘性粒度が分からない禍々しい何かを感じさせましたが、PS4ではなんだかサラサラときれいな印象です。



ゲームそのものの印象は、かつてのワンダそのまま。PS2版、PS2版の初期PS3互換プレイ、PS3リマスター版、と延々繰り返し遊んでいても、つい時を忘れて遊んでしまう魔力があります。また感覚の上では「そのまま」でも、弓使用時のカメラや、モダン配列を選んだときの手の負担軽減など、実はかなり遊びやすくなっていることも感じられます。

難を言うならば、カメラが昔より改善はされていてもまだまだ見づらい場面があるなど。ただ、ワンダと巨像は巨大で複雑な地形でもある敵の表面を動きながら進行するゲームで、透視でもしないかぎりカメラも動かざるを得ず、振り回されて見当識を失うこともある程度はゲームのうちと考えると、なかなか難しい点とは想像できます。





総評

かつてワンダと巨像が好きだったプレーヤーならば、リメイクで変わった壮麗な風景の観光だけでも、またフォトモードだけでも再訪の価値あり。

まだワンダと巨像を知らない幸福なゲーマーは、遊びやすく美しくなったリメイクからのデビューを問題なくおすすめできます。途中で繰り返しに飽きたり難所で挫折するのもそれはそれで自分だけの体験です。気に入って、そのうえで老人の「なんか違うんだよなあ」が気になったら、そのときはPS2版を遊んでみたり、ストリーミングゲームサービスPS Now でPS3リマスター版も遊べます。

ワンダと巨像 (PlayStation Store)




面白いことに、フォトモード以外に、プレイ中にも色調やフィルムグレイン付加などのフィルタ適用に対応。記憶の中ではもっと色褪せていた、逆に鮮やかだった、という場合(?)でも、単に気分を変えて遊ぶことも。


 おまけ。思いつくまま仮想QA

Q オリジナルモードはありますか?切り替えは対応?
A ありません。Bluepoint によれば、開発中は確認用にPS2モードとPS4モードを行き来できたとのこと。欲しかった機能です。ただおまけコンテンツとして、アンロックできる画像ギャラリーに「比較」カテゴリがあり、代表的な場面を眺められます。いちいち難度×ボス討伐でアンロックなのが面倒。

443シェア
95
258
0
90

Sponsored Contents