DARPA、あらゆる地形を高速走破する変形タイヤ「RWT」開発。道なき道を案内する操縦者用ARゴーグルも
トランスフォーーーーーム!というほどでもないか
米国防高等研究計画局(DARPA)があらゆる地形を自動車のように走破できる技術を開発しました。それは基本的には自動車のタイヤとして機能しつつ、わずか2秒ほどでタイヤからキャタピラへと変形する、まるで往年のロボットアニメに登場しそうな変形メカニズムを備えます。
しかもタイヤからキャタピラへ、またはキャタピラからタイヤへの変形プロセスにおいて、マシンは停止する必要がなく、走行中の変形が可能。ただ単にキャタピラ機構が丸いタイヤ型に変形するのではなく、きちんとタイヤのときはホイールも回転して高速走行を実現しているのも重要なポイントと言えるでしょう。

さらに道なき道を走行する場合のために、可動域が非常に大きいMulti-mode Extreme Travel サスペンションを搭載。かなり大きな車体にもかかわらず、起伏の激しい地形の走行時でもキャビンを可能な限り水平に保ちます。
なお、この特殊な車両を操縦するドライバーには、カメラ映像とLiDARシステムからの情報、あらかじめ定めた走行ルートを組み合わせてAR表示する3Dゴーグルが用意され、道なき道を行かなければならない場合も迅速かつ安全な移動が可能とのこと。
あらゆる地形を走破するための機構としては足回りを多脚ロボット化するという発想もあるものの、人が乗っての高速移動を含めた現実的かつ最適な解としては、こうしたタイヤとキャタピラの組み合わせの方が効果は高そうです。ただ、このRWTの弱点は、ゴム製のクローラー(キャタピラ部分)が切れてしまうと走行できなくなるところ。また複雑な機構は故障したりメンテナンス性への心配も出てくるかもしれません。
民間ではタイヤに装着するソリ形式のキャタピラを開発しているところもあり、コストなども含めて自動車の走破性を高める技術としてどの技術・方式が発展するのかは、まだまだこれからの開発しだいなのが現状と言えそうです。
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