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ガジェット好きな人向け、Apple決算の読み方:iPad・Apple Watch・Mac・サービス編(本田雅一)

決算発表を"意訳"しながら業界トレンドを予測します

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年1月31日, 午後05:00 in Apple
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さて、Appleの決算発表を受けたコラム、前回はiPhone関連に言及したところで終わってしまいました。今回はその続きです。



繰り返しになりますが、AppleもiPhoneの販売台数が急増することは今後ないとわかっています。だからこそ、オリジナルiPhoneの製品ファミリーとは別にiPhone Xファミリー(あえてファミリーと表現します)を打ち出すことで高付加価値の製品として売上げを増やし、事業の形を再度整えるまでの時間を作りました。

さらに、より安心して心地よくiPhoneを使ってもらうために、端末内に利用履歴のデータ閉じたまま使いやすさと機能を高めるよう、自社開発のプロセッサやOSの機能、それにサードパーティー向けAPIとして、機械学習に力を入れています。

また、Appleは今回の決算で、(当該四半期に)130億ドルもの資金を株式配当や自社株買い付けに当てることでApple株を持つ投資家に利益還元をしてきたとも話していますが、実は自社株買い付けは前の四半期よりも減っていました。

しかしながらネットキャッシュ(保有現金と短期保有証券の合計額から負債を引いた数字)は1300億ドルと前年より増加しているとのこと。ネットキャッシュの増加は、いわゆる"金余り傾向"を示しています。ピーク時よりも割安になったこともあり、今後、自社株買い付けを増やしていくとも予想されますから、株価は安定方向に振れるでしょう。

これらの説明で安心感が拡がっていますから、投資家から"これ以上は落ちるばかりだ"と見切りを付けられるまでには、まだ若干の余裕がありそうです。

では、作った時間で何をしているのか。

まったくの新規事業投資に関しては当然知り得ませんが、既存事業に関してはいくつかの方向性が見えてきています。

"iPhone一本足"からの逃亡戦略

ここ10数年のAppleは、iPhoneの急激な成長こそが企業価値の源泉でした。しかしスマートフォン市場全体が成熟し、グローバル全体での成長が止まりつつある現在、iPhoneの事業費率が高いことが逆にリスクとなっています。

Apple

iPhone事業への依存度(売上高全体に対するiPhone売上高の割合)は、一昨年末の商戦期には69.2%へ達していました。これが昨年末の商戦期に61.7%まで下がったのは、Appleにとって良い徴候。"iPhone一本足"とも言える事業ポートフォリオから、多様な収益源への転換が進んでいることを示しているからです。将来的には、売上高全体を落とさず(できれば成長させながら)iPhoneへの依存度を50%以下にまでできれば理想的でしょう。

iPhoneへの依存度が下がったのは、iPhoneの売上げが5%下がった一方で、それ以外の売上高が19%も伸びたからです。

Mac mini、MacBook Airに新型が登場したMac部門では8.3%、教育市場向けソリューションを投入したiPadおよび大幅な機能刷新が図られたiPad Proを投入したiPad部門では16.9%、初めてApple Watchをフルモデルチェンジしたウェアラブル部門では33.3%、iCloudやApple Music、AppStoreなどのサービス部門では19.1%といった具合に、それぞれ売上高を伸ばしました。(出典:Apple

Apple

好調だったApple Watch Series 4やiPad Pro、MacBook AirやAirPodsといった製品が需要を満たすほどには出荷できず、第2四半期に売上げを積み残した(とAppleは説明している)ことも考慮するならば、もう少し、伸びる余地があったとも言えます。

もっともMacに関しては大きな成長は望めないでしょう。となれば注目は、サービス部門とiPad、それにウェアラブルあたりへの"テコ入れ"......すなわち、僕らエンドユーザーに対して新しい製品なり、サービスなり、新OSでの大きな進化なんてことが期待できるのではないかと思います。

新たな"加入者型サービス"が追加指されていく?

サービス部門に関しては、ふたつほどヒントがあります。

Apple

ひとつは昨年ぐらいから水面下で動いていた、テレビのiTunes対応。AirPlay 2だけではなく、コンテンツストアや月額課金制の加入者型サービスへのアクセスが可能になる「iTunes」アイコンを、スマートテレビ向けにライセンスしようとAppleはアプローチしています。サムスンがCESでiTunes対応を発表したのは、その成果のひとつと言えるでしょう。



Appleは米国でApple TV向けにスポーツのストリーミングライブなども行っていますが、NETFLIXのように独自コンテンツ制作にも投資しようとしているという噂が根強くあります。

AmazonやNETFLIXのコンテンツ投資は、年間6000億円を大きく超えているので、果たしてそのレベルの投資をAppleがするようになるのか? という疑問もあるのですが、映像コンテンツを楽しむための加入者型サービス(Apple Musicに対するApple Video的な何か)が始まっても不思議ではありません。

もうひとつのヒントは、iOSアプリの中でも人気が高く売上げ比率も高いのに、コンテンツとしては月額課金の加入者型サービスになっていないジャンルで、新しいサービスを構築すること。こちらは今回の決算発表前、米メディアCheddarが"関係者の話"として、Appleがスマートフォンゲームの定額制サービスについて検討を始めたと報じ、Engadget 日本版でも伝えられましたね。



それ以上のことは僕も知りませんが、iPhoneおよびiPadという強力なゲームプラットフォームを持つAppleが、加入者型サービスの売上高を増やす手段として検討しているとしたら、それは自然なことかもしれません。AppStoreの売上げにおいて、ゲームのアプリ内課金は大きな比重を占めているからです。

Appleは過去2年で、アクティブなアップル製の端末(iPhone、iPad、Mac)が2年で3割も増えていると主張しています。つまり、端末に紐付いた便利なサービスを利用してくれる可能性が高い大きなユーザーコミュニティがあるということです。

Apple App Store Anniversary

Appleのサービス関連事業は、2019年第1四半期の売上げで108億ドル以上と、iPhoneを除く全事業でもっとも大きな比率になっています。ここにApple製品と親和性が高い加入者型サービスを加えていけば、大きく売上高を伸ばせるはずです。

端末ジャンルでの注目はiPad Pro

ウェアラブル製品に関しては、Apple Watchのフルモデルチェンジが終わり、大きく売上げが伸びた直後ですが、強力なライバルとなる製品が見当たらない現在、しばらくは成長が続くでしょう。爆発的ではないかもしれませんが、成長余力はあると思います。

Apple

しかし、2019年に一番注目したいのは、昨年末に過去最大の大きなモデルチェンジを果たしたiPad Proです。すでにハードウェアは発売済みで、これが大きく変更されることはないでしょう。しかし、既存ユーザーの買い換えが一巡後、タブレット市場を拡張、牽引する存在になるためには、iOSの機能強化が必須だと考えられます。

iPad事業の売上高が伸びたのは久しぶりのことですが、それはハードウェアが大幅に進化したからでした。大きな刷新だったため、新製品効果は大きかったのですが、では"iPad市場全体"が成長しているのかについては、まだ見えない部分があります。

AppleがiPad Proで狙っているのは、新しい時代のパーソナルコンピュータでしょう。しかし、現在のiPad Proは特定の使い方(たとえば絵を描いたり、写真データを取り込んで現像、レタッチして出力したりなど)にはとても使いやすく、流れるような操作性が提供される一方で、ワークフローに制約があり、用途によっては使いにくい場面も少なくありません。

Apple

また日本人的には、日本語入力メソッドや、操作性面でのパソコンとの違いなど、ちょっとした振る舞いでしっくりこない面を感じている人もいるのではないでしょうか。

昨年末は"ハードウェアの一新"に留まったiPad Proですが、ここで投入されたハードウェア資源を前提に、iOSの大幅なアップデートがあるのでは......というのが僕の予想です。

iPhone編でも言及した機械学習への研究開発投資の成果も合わせ、6月に開催予定のWWDC(Apple主催の開発者向け会議)で、どんな手を打ってくるのかが注目されます。



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